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序列主義の異能学院  作者: 丹野海里
第2章 華麗なる生徒会、学院存亡の危機編
47/193

第46話 プライベート

―1―


 週末の5月10日日曜日。

 オレは、珍しく朝から外に出ていた。


 テスト範囲が公開されたのが水曜日。

 まだ数日しか経っていないが、成績上位30名に与えられるライフポイントのボーナスを巡ってすでに水面下で色々動き出していた。


 授業で定期的に行われる小テストで好成績を収めている明智あけち浅香あさかの下には、勉強を教えてほしいという生徒が集まっている。


 女子の人気を二分する2人ということもあって勉強会に参加する男子生徒も多いようだ。


 明智や浅香ばかり目立つ機会が多いが他にも勉強が出来る生徒はいる。

 特待生の氷堂真冬ひょうどうまふゆだ。


 彼女は、学年でトップクラスの頭脳を持っていると言っていいほど、好成績を叩き出し続けている。

 氷堂だけが唯一すべての小テストで満点を取っているのだ。


 しかし、氷堂は人を寄せ付けないオーラを発しているため、誰からも勉強会に誘われていない。

 これも総当たり戦で見せた氷の女王のイメージが強く残っているからだろう。


 退学者を出さない方法を探すと言っていた西城はというと、まだ解決策が浮かばないらしい。

 すぐに答えがわかるようなら誰も苦労しない。


 オレもこの問題に関しては、1点だけ疑問に感じていることがある。それを確かめるために近々行動に移す予定だ。


「おっと」


 今日の目的地であるショッピングモールに入ってすぐのところで、保坂ほさか先生と出くわした。

 腕時計に目を落とす先生の姿がその若すぎる外見と相まって、初デートが楽しみ過ぎて予定時間より早く着いてしまった中学生に見えてならない。


「おはようございます」


 向こうがこちらに気付いて声を掛けてきた。

 保坂先生はプライベートということもあって、白いシャツに丈の長い薄ピンクのスカートを履いている。完全にオフの日の格好だ。

 白いシャツが豊満なバストに押し上げられて可哀想なことになっている。正直言って目のやり場に困る。


「おはようございます、保坂先生」


「あなたは1年生の神楽坂かぐらざかくんですね。お買い物ですか?」


「はい、友達とぶらぶらする予定です。先生は誰かと待ち合わせですか?」


鞘師さやし先生とここで待ち合わせ中です。もうすぐ来ると思うんですけど」


 保坂先生がショッピングモールの入り口に目を向ける。

 鞘師先生とは何度か話す機会があったが、保坂先生とは今回が初めてだ。


 柔らかい話し方で先生らしい丁寧な口調。

 見た目はかなり若いが、実際は何歳なのだろうか。気になるが、女性に年齢を聞いていいことなどない。

 今聞かずともいずれわかる日が来るはずだ。


「神楽坂くんはどうですか? 学校生活にも慣れましたか?」


「そうですね。ようやく生活リズムも掴めてきたところです。忙しい毎日が良い刺激になってます」


「それはよかったです。うちの学校は他の学校に比べたら行事やイベントの数が多いですからね。テストが終わったら次の序列戦の情報も開示される予定ですし」


「そんな貴重な情報を教えてもらっていいんですか?」


「このくらいは問題ありません。1学年に行われる序列戦の内容は例年ほとんど変わらないので、先輩たちに訊けばわかることですよ」


 思わぬところから良い情報を得ることができた。

 序列戦の内容やイベント、行事の詳細を知ることができれば対策できることも増える。


 だが、これらの情報を仕入れるには、先輩との繋がりが必須になる。

 残念ながらオレには、明智のように上級生との繋がりはほぼ無いに等しい。

 この学院で生き抜いて行くには、最低限のコミュニケーション能力も必要ということか。


 オレが知らなかっただけで、部活をしている人なら先輩からそこら辺の内容も詳しく聞いていてもおかしくないな。


「保坂、悪い待たせたな」


 自分の人脈の無さにガッカリしていると、鞘師先生が現れた。


「ううん、私もさっき来たところだから。それに神楽坂くんが話し相手になってくれてたから時間が経つのもあっという間だったよ。ねっ?」


 保坂先生が可愛らしいウインクをした。

 子供らしいとばかり思っていたが、こんな小悪魔的な技も持っているのか。


「おはようございます鞘師先生。それじゃあ、オレは失礼します」


 2人の邪魔をしては悪いと思い、鞘師先生に軽く頭を下げ、その場を後にした。

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