第1話 新たなる仲間!虹色の輝きとともに!
時は、2120年。日本のどこかにある地方都市・横中の中心市街地にあるネメシス財団の本社ビルでは、ドクターがあることを企んでいた。
「我々はこれまでに、北京、パリ、ミラノとコルチナダンペッツオ、ロサンゼルスを支配することに成功した」
説明しよう。北京がある中華人民共和国は、中華民国統治下の中国で1921年に結党された中国共産党が、ソビエト連邦の支援を受けながら国共合作・抗日戦争・国共内戦を経て国民政府を台湾島へ放逐し、1949年10月1日に北京市で建国式典を開催したことで成立した。同国は国共内戦の延長で1954年に「台湾解放宣言」を出し、第一次台湾海峡危機と金門砲戦を起こしたが武力による台湾占領には至らなかった。同国は2010年代に入ると一つの中国による台湾問題の解決を「核心的利益の一つ」と規定するようになり、基本的には九二共識の合意に基づいた平和的な中国統一を目指しているが、一方で人民解放軍の武力による台湾制圧の可能性も指摘されている。計測方法によるが、同国は陸地面積では世界第2位、総面積では世界第3位又は第4位である。同国の地形は、乾燥した北の森林ステップ、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠から、多湿な南の亜熱帯の森林まで広大かつ多様である。ヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、パミール高原、天山山脈により、同国は南及び中央アジアから切り離されている。長さ世界第3位の長江及び同世界第6位の黄河は、チベット高原から人口密度の高い東の沿岸地域に流れ、古代には黄河文明や長江文明を興してきた。同国の太平洋に沿った海岸線は14,500kmの長さで、渤海、黄海、東シナ海、南シナ海に囲まれている。同国の国土は、22省級行政区、5自治区、北京市・天津市・上海市・重慶市の4直轄市、大部分が自治的な香港・マカオの2特別行政区によって構成されている。中国は、繁栄と衰退の繰り返しだと考えられる過去2000年間の大部分で世界最大かつ最も複雑な経済を有した。1978年における改革開放の導入以来、外資流入の勢いが増してゆき、産業構造が政策から転換して、中国は世界で最も成長率が高い主要経済大国の1つになった。ソ連の純粋な社会主義体制と距離をとり、「経済面は有限な資本主義、政治面は一党制を守る」のような国家形態に変更したのである。2016年時点で、同国は名目GDP及び貿易輸入額のいずれにおいても世界第2位であり、購買力平価GDPと貿易輸出額は世界一位である。同国は核保有国に認められ、世界第2位の防衛予算で世界最大人数の常備軍を有する。中華人民共和国は1971年以来国際連合加盟国であり、中華民国の後任として安全保障理事会常任理事国である。中国は多数の公式及び非公式の多国間機構加盟国であり、WTO、APEC、BRICs、上海協力機構、BCIM、G20がこれに該当する。中国はアジアの地域大国であり、多数の解説者により潜在的な超大国として特徴付けられてきた。なお2017年7月現在、中華人民共和国の世界遺産はイタリアに次いで52件ある。国内には文化遺産が22件、自然遺産が4件、複合遺産が4件存在する。
フランスは、ラスコー洞窟に始まる長い歴史を持つ。鉄器時代、現在のフランスに相当するガリアには、ガリア人およびケルト人が居住していた。紀元前51年、ガリア人はローマ帝国により西暦486年まで制圧された。ローマ帝国はガリアを数百年間支配し、最終的には中世のフランス王国を建国したゲルマンのフランク人の襲撃および移住にガロ・ローマ人は直面した。1337年から1453年までの百年戦争での勝利は国体を強固にし、絶対君主制の礎となった。ルネサンス期、フランスは世界的規模の植民地帝国の第1段階を確立した。16世紀のうち40年近くの間はユグノー戦争に明け暮れていた。ルイ14世はブルボン朝の最盛期を築いたが、君主制は18世紀末のフランス革命で崩壊した。人間と市民の権利の宣言は、今日に至るまで国の理想を表現している。世界に先駆けて共和国を樹立したが、ナポレオン・ボナパルトが帝国を建国した。1804年にハイチを失いナポレオンは窮した。世界で初めて認めたユダヤ人の市民権を1808年5月に制限してから、外資が対仏大同盟の軍事費へ流れた。ナポレオンの降伏後は絶対君主制が復活。1830年に立憲君主制となり、オスマン帝国からフランス領アルジェリアを奪った。一時的な第二共和政を経て、第二帝政が順に続いた。19世紀中ごろはパリ改造が行われたりレオン・フーコーが地球の自転を証明したりして、フランスは生活と科学の両面で近代化をとげた。普仏戦争で成立した第三共和政は1940年まで存続する。パリ・コミューンを鎮圧後、アドルフ・ティエールが40億フラン超の国債を発行して、フランス銀行とJ・S・モルガン・アンド・カンパニーから復興資金を調達した。19世紀および20世紀初頭、世界第2位の植民地帝国を有した。オスマン帝国に対する債権国として、19世紀末からはオスマン債務管理局の運営に参加した。第一次世界大戦において、フランスは三国協商の参加国としてドイツ帝国などの中央同盟国と戦った。第二次世界大戦では連合国に属したが、1940年にナチス・ドイツにより占領された。1944年の解放後、第四共和政が設立された。翌年フランス国立行政学院が設立され、出身者が会計検査院、財務監督官、国務院などで活躍するようになった。検査院出身者らが支配する官僚制は、民衆からエナ帝国と呼ばれた。アルジェリア戦争を経てシャルル・ド・ゴールが第五共和政を樹立した。1950年代には原子力産業へ積極的に進出した。技術は軍事利用もされている。原子力部門における主要な会社には、パリバ系のINDATOMや、ロスチャイルド・パリ連合銀行系のCOFINATOME、パリ連合銀行・アルストム・シュナイダーエレクトリック・トムソン=ヒューストンほか多数合弁のFramatomeなどがある。1960年代にアフリカの植民地を次々に独立させながら、北アフリカ諸国からCFAフラン圏にわたって金融・エネルギー面での利権を守った。1960年代から1970年代にかけてフランスへ外資の波が押し寄せた。オイルショック以降、フランスの政治はコアビタシオンでねじれるようになり、ドゴールのときのように再びソ連と西ドイツを相手として頻繁に交渉した。フランソワ・ミッテラン大統領が指導するフランスは、1980 - 81年に大企業群を国有化し、補償金を捻出するときに国家債務を増加させた。1982-83年のフランス版金融ビッグバンでは、国債その他特定種類の証券市場に特化した証券化が行われた。国家債務のGDPに対する割合は、1980年20%であったものが1990年35%になった。フランスは欧州連合の歴史的創立国の一つであり、特に隣国ドイツとの経済的・社会的統合を推進している。金融政策は欧州中央銀行で決定する。ジャック・シラク大統領のとき、パリクラブではユーロ債のリスケジュールが盛んに行われた。ナポレオンの時代から使用されていたフランス・フランは、1999年のヨーロッパ通貨統合にフランスが参加したため、2002年始めには完全にユーロへ切り替わった。イラク戦争でフランスは、ドイツ・ロシアと戦争に反対する立場をとった。1990年代から債務を累積させていた年金制度が2003年に改革された。2005年、国民投票で欧州憲法が批准を否決された。年金制度改革は2010年夏にも実施された。公債の2/3を保有する機関投資家の、国家財政に対する信頼を回復する意図が指摘されているその首都であるパリとは、市域はティエールの城壁跡に造られた環状高速道路の内側の市街地、及び、その外側西部のブローニュの森と外側東部のヴァンセンヌの森を併せた形となっており、面積は105.40km2である。ケスタ地形を呈するパリ盆地のほぼ中央に位置し、市内をセーヌ川が貫く。この川の中州であるシテ島を中心に発達した。市内の地形は比較的平坦であるが、標高は最低でセーヌ川沿いの35メートル、最高でモンマルトルの丘の130メートルである。北緯49度とやや高緯度に位置するが、温かい北大西洋海流と偏西風によって1年を通して比較的温暖となっており、西岸海洋性気候の代表的な都市である。世界有数の大都市であり、アメリカのシンクタンクが2017年に発表した総合的な世界都市ランキングにおいて、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界3位の都市と評価された。日本の民間シンクタンクによる2017年発表の「世界の都市総合力ランキング」では、ロンドン、ニューヨーク、東京に次ぐ世界4位の都市と評価された。フランス経済の中心地で、世界屈指の経済都市であり、多国籍企業の本社数や資本市場の規模などビジネス分野を総合評価した都市ランキングでは、ロンドンとともにヨーロッパでトップクラスであり、世界500大企業の本社数では、ニューヨークやロンドンを凌ぎ、西洋の都市では最多である。2014年のアメリカのダウ・ジョーンズらの調査によると、世界7位の金融センターと評価されており、欧州ではロンドンに次ぐ2位である。パリは年間外国人観光客数が世界一の観光都市である。歴史的な建物を観ることができ、ルーヴル美術館、ポンピドゥーセンターなどをはじめとした一流の美術館で膨大な数の一流の美術品を観賞できる。また世界最古のバレエ団や、世界でもっとも古くから存在している劇団などの公演を楽しむこともできる。パリ出身者・居住者は男性がパリジャン(仏: Parisien)、女性がパリジェンヌ(仏: Parisienne)と呼ばれる。1960年代以降、旧植民地であったアフリカ中部・北部やインドシナ半島、さらに近年は中近東や東欧、中国などからの移民も増え、パリジャン・パリジェンヌも多民族・多人種化している。市域人口は1950年代の約290万人を絶頂に減少し続けたが、ここ数年は微増傾向に転じており、2011年現在で約225万人である。2011年の近郊を含む都市的地域の人口では1,200万人を超えており、ロンドンを凌ぐEU最大の都市部を形成している。
イタリアは、文化・経済ともに先進国であり、ユーロ圏では第3位、世界では第8位の経済大国である。G7やG20の参加国であり、ヨーロッパにおける四大国・ビッグ4や、文化的・経済的に極めて大きな影響を及ぼす列強の一角に数えられる。西に港へ適したリグリア海、東には大陸棚が海の幸をもたらすアドリア海がある。南にはティレニア海がある。ミラノは、イタリア全土では首都ローマに次ぎ第2位、北部イタリアにおいては最大の都市で商業、工業、金融の中心である。観光地としても名高い。1982年に1,607,804人いた人口はその後の 1990年代ころからの近郊都市へのドーナツ化現象による人口流出の影響で長く減り続けたが、ここ数年はおよそ130万人前後の人口で落ち着いている。2015年の近郊を含む都市圏人口は約526万人であり、イタリアで最大、南ヨーロッパではスペインのマドリードに次ぐ都市圏を形成している。日本の稚内市とほぼ同緯度に位置するが、最寒月の平均気温がおよそ5℃程度と、比較的温暖である。ミラノ・コレクションなどで知られるように古くから服飾・繊維産業などファッション関連の産業が盛んな土地柄であるが、近年は航空産業や自動車産業、精密機器工業なども発達しておりイタリア最大級の経済地域を形成している。日本の民間研究所が2016年に発表した「世界の都市総合力ランキング」では、世界31位と評価された。また、アメリカのシンクタンクが2016年に発表した世界都市ランキングでは世界45位と評価された。
アメリカは、首都ワシントンD.C.とアメリカ本土の48州はカナダとメキシコの間の北アメリカ中央に位置する。アラスカ州は北アメリカ北西部の角に位置し、東ではカナダと、西ではベーリング海峡を挟んでロシアと国境を接している。ハワイ州は中部太平洋における島嶼群である。アメリカは、太平洋とカリブに5つの有人の海外領土及び9つの無人の海外領土を有する。985万km2の総面積は世界第3位または第4位、3億2,700万人の人口は世界第3位である。アメリカは世界でもっとも民族的に多様かつ多文化な国のひとつであり、これは多数の国からの大規模な移住の産物とされている。またアメリカの広大な国土における地理及び気候も極めて多様であり、多種多様な野生生物が存在する。アメリカは先進国かつ世界最大級の国民経済を有する。アメリカ経済は、豊富な天然資源と高度な労働者の生産性により支えられている。アメリカ経済は脱工業化社会だとされている一方、世界最大の製造国のうちのひとつであり続けている。アメリカは世界の軍事支出の37%を占め、世界最高位の経済・軍事大国であり、多大な影響を及ぼす政治・文化的勢力であり、科学研究・技術革新におけるリーダー的存在とされている。約1万5000年前、パレオ・インディアンはユーラシア大陸から現在の北アメリカ大陸本土に移住し、ヨーロッパ諸国による植民地化は16世紀に始まった。現在のアメリカは、大西洋沿岸に沿って位置する13植民地が発祥である。イギリス及び同植民地間の紛争により、アメリカは独立した。1776年7月4日、アメリカ独立戦争におけるイギリスとの交戦時、同植民地の代表はアメリカ独立宣言を全会一致で発布した。1783年、同戦争は英国からのアメリカ独立の承認により終結し、ヨーロッパの植民地帝国を相手に成功した世界初の独立戦争となった。1787年9月17日、現在のアメリカ合衆国憲法が起草された。集合的に権利章典と名付けられた最初の10の修正案は1791年に批准され、多数の基本的な市民の権利及び自由を保証することを目的として策定された。マニフェスト・デスティニーの教義に駆られることにより、19世紀を通してアメリカは北米を横断する頑強な拡大に着手した。これは、先住民の強制退去、新たな領土取得、次第に承認した新たな州を含む。アメリカ史上唯一の内戦である南北戦争は、アメリカにおける合法的な奴隷制を終焉に至らせた。19世紀末までにアメリカは太平洋まで拡大し、アメリカ経済は成長し始めた。米西戦争及び第一次世界大戦は、世界的な軍事大国としての同国の地位を裏付けた。第二次世界大戦からアメリカは世界的な超大国として浮上し、世界初の核兵器を開発した国で、日本への原子爆弾投下により戦争において核兵器を使用した唯一の国であり、国際連合安全保障理事会常任理事国でもある。冷戦およびソビエト連邦崩壊は、アメリカを唯一の超大国とした。その主要都市のひとつであるロサンゼルスは、ロサンゼルス郡内にある。同郡には他にビバリーヒルズ、サンタモニカ、ロングビーチなどが含まれる。郡の面積は12,308km²で、人口は約976万人である。市内にはハリウッドやザ・バレーなどがある。ロサンゼルスを中心とする広域都市圏は、グレーター・ロサンゼルス・エリアまたはグレーター・ロサンゼルス、またはサウスランドなどと呼ばれるが、単にロサンゼルスと呼ばれることもある。広域都市圏の範囲は、ロサンゼルス郡とオレンジ郡を合わせた2郡のみとする場合と、さらに周辺のリバーサイド郡、サンバーナーディーノ郡、ベンチュラ郡を合わせた計5郡を指す場合とがある。2郡の面積は12,562km²で、人口は約1292万人であり、5郡の面積は87,941km²で、人口は約1763万人である。ロサンゼルス郡とオレンジ郡のロサンゼルス都市圏は、日本の京阪神大都市圏と同程度で、映画産業を初めとして世界への情報発信力が強い。ちなみに、2010年の近郊を含む都市的地域の人口は1,477万人であり、世界第14位、北米ではニューヨークに次ぐ第2位である。ロサンゼルスに滞在する日本人は、2003年10月1日時点で29,809人と、トップのニューヨークに次いで2番目に多い。なお、2011年10月1日時点では、ロサンゼルス郡とオレンジ郡の合計で70,629人の在留日本人がいる。この他にも届け出をしていない滞在者も数多くいると想定される。アメリカのシンクタンクが2017年に発表した総合的な世界都市ランキングにおいて、世界8位の都市と評価された。アメリカの都市では、ニューヨークに次ぐ2位である。2014年の都市の経済規模では東京、ニューヨークに次いで世界第3位である。 ちなみに、アメリカ合衆国統計局の地域分担における「Los Angeles Region」には、上記5郡を含むカリフォルニア州南部の19郡およびハワイ州も含まれており、さらに2013年1月1日付で、カリフォルニア州北部、ネバダ州、オレゴン州、ワシントン州、アイダホ州、アラスカ州も含まれることになった。
その時、モニターには人々が消えた世界中の主要都市を映し出していた。つまり、これは闇の力によって輝きを失ってしまった世界なのだ。
「次なるターゲットは、東京だ。100年前にオリンピックとパラリンピックが成功したことを我々が塗り替えてみせる」
そのうえで、ドクターは早くも次なる目標を打ち立てた。
ネメシス財団の時代から100年後の2020年のおとぎの世界にあるプリズムパレスでは、
「つぼみ・沙奈・アリス・蘭・琴音に早く会いたい!だって、ずっと会っていないんだもん!」
カレンはつぼみたちに会えなくてさみしくなってしまった。そんな様子を、光の女神とおとぎの世界の王子であるプラチナはこっそりと見ていて、
「どうしたのでしょうか…」
「この三か月間、会っていないことにストレスを感じているだろう」
と首をかしげる。
その時だった。
「みんなに、会いたい!」
カレンが思わず泣き出してしまい、
「つぼみたちのところに行きたい!」
「僕たちの不安が現実になってしまった…。母上様、今すぐ父上様のところへと向かわなければなりません」
「分かりました」
光の女神は大臣のところへと向かう。
大臣がいる謁見の間へと到着した光の女神は、
「大変です。どうやら、カレンが人間界へ行きたいと思っているようです」
と報告すると、
「ちょっと待ってください、カレンの様子がおかしいです!」
カレンの部屋で彼女の異変に気付いたプラチナが謁見の間へと急行してきた。
「どうなさいましたか?」
「それが…つぼみたちと同じくらいの姿に成長していきました」
プラチナが大臣に報告すると、
「どうしますか?女王様」
「本人がどうしても行きたいのであるのなら…。まあいいでしょう」
大臣と光の女神が話し合いの末に、カレンが人間界へ単身で行くことを認めた。
そして、
「王子、これをあなたに差し上げましょう。もしカレンと人間界で会うことができたのならば、これを託してください」
「分かりました」
光の女神はプラチナにあるものを渡した。
2020年3月末の横中では、つぼみたちはもうすぐ中学二年生になろうとしている。そんなつぼみは、
「もうそろそろ、桜が咲くね。新しい季節の始まりを告げる花…」
と、自宅近くにある齋川べりの桜並木にいた。
そんな中、一人の少女がぽつんとたっているのを目撃する。
「あの子は一体…?」
気になったつぼみが彼女の元へと向かうと、
「つぼみ!」
「もしかして、私のことを知っているの!?」
実は、彼女はつぼみのことを知っている。
「私、愛沢つぼみ。あなたの名前は?」
「カレン・ピュアラ・フェアリーテイル。私のことはカレンでいいよ」
つぼみとカレンがお互いのことを紹介すると、
「どこからやってきたの?」
「おとぎの世界だよ。人間界から遠く離れた場所」
「本当に!?」
「そうだよ」
事実、ブロンドのロングヘア―にエメラルドグリーンの瞳を持つ少女の正体こそ、おとぎの世界からやってきたカレンだった。
「ちょっとついてきて」
「うん」
つぼみはカレンをある場所へと連れていく。
たどり着いた場所は、プラチナの家。そこには、沙奈・アリス・蘭・琴音がいた。
「紹介するね。この子はカレン」
「よろしくね」
つぼみはカレンを沙奈たちに紹介すると、
「カレンがまさかこんな姿になるなんて」
「びっくりしました」
「それにしても、私たちと同世代なんだね」
「子供の成長って早いわ」
沙奈たちも、カレンが幼児から少女へと急成長したことに驚きを隠せなかった。
その時、プラチナがおとぎの世界から現れた。
「やあ、みんな。久しぶりだね」
「お久しぶりです。そういえば、カレンがこんな姿になっちゃいまして…」
「それは僕も知っている」
プラチナはつぼみたちにあいさつしたのちにカレンについての事情を話すと、
「カレンについて母上と相談した結果、つぼみたちと同じようにドールプリンセスとして活動することになった」
「どういうこと?」
「言い換えると、つぼみたちとともに、おとぎの世界の女王になるための武者修行をすることだ」
「えっ!?」
カレンに衝撃の事実を伝える。
そのうえで、
「カレン、君にこれをあげよう。プリズムパレスで光の女神から君に渡してほしいといわれたから」
プラチナはカレンにあるものをプレゼントする。
「おとぎの世界に古くから伝わるアイテム。その名は、ミラクルポルテパレット。君がドールプリンセスになるために欠かせないアイテムだ」
「これで私もドールプリンセスになれちゃうの?」
「それだけでは変身できない。君専用のアイテムであるプリンセスジュエル・レインボーと、プリンセスドールズの証であるプリンセスジュエル・ホワイトも君のものだ。さあ、受け取ってくれ」
「ありがとう!」
カレンはドールプリンセスになるために必要なアイテムを手に入れて大喜び。
「行くよ!」
その興奮が冷めやらない中、カレンはピアノとパレットを組み合わせたミラクルポルテパレットでドールプリンセスに変身する。
「カラフル・ワンダー・ユニバース!ドレスアップ!」
ペンダント状のアイテムであるプリンセスジュエル・レインボーによって放たれた虹色の光がカレンを包む。
「虹の光のプリンセス・ミラクルレインボー、見参!」
ミラクルレインボーがつぼみたちの目の前にお披露目すると、
「ドールプリンセスになった姿も似合ってるね!私の今の気持ち、キュンキュンしてる!」
「こういわれると、嬉しいよ!」
虹色の光を放つミラクルレインボーに変身したカレンにつぼみはこう感想を述べる。
「さあ、私たちも変身よ」
「うん」
つぼみ、沙奈、アリスはコンパクトミラーのアイテム・プリンセスミラーで、蘭はブローチのアイテム・プリンセスムーンスターで、琴音はスマートフォンのアイテム・エースミュージックポッドで、それぞれドールプリンセスに変身する。
「ピンク・ジュエル・パワー!」
「ブルー・ジュエル・パワー!」
「イエロー・ジュエル・パワー!」
「スター・アンド・ムーン!」
「スカーレット・プロミネンス!」
「ドレスアップ!」
「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」
「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」
「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」
「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!」
「炎のプリンセス・スカーレットエース、見参!」
「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」
プリンセスドールズの残りのメンバーも現れると、一行は外へと出る。
「試しに技を出してみないか?」
「うん!」
プラチナの魔法の一声で、ミラクルレインボーの元に武器アイテムが出てきた。
「かつて、光の女神が使っていた伝説の弓・ミラクルハープアロー。これからは君だけの武器だ。さあ、早速使ってくれ」
「分かったよ」
ミラクルレインボーはミラクルハープアローを構えると、
「プリンセスステージ、ライブスタート!」
ミラクルレインボーによる浄化技のテストが始まった。
「Dash! Dash! Jumpingしよう!」
「心に翼がある」
「その先は」
「未来」
「Boys & Girls Don’t Think Feel!」
「ウインクだけはなぜか」
「うまくできない」
「笑顔のまま 毎日を」
「過ごしてる」
「選挙の日などはなんか」
「出かけたくなる」
「正午まで数えると」
「眠ってしまう」
「抱きしめて」
「悲しくなったときは」
「抱きしめて」
「今は」
「もう大丈夫だよ」
「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」
「無限の可能性」
「みんなみんな」
「同じ」
「ひとりぼっちじゃない」
「Dash! Dash! Jumpingしよう!」
「心に翼がある」
「その先は」
「未来」
「Boys & Girls Don’t Think Feel!」
「好きな人といると」
「とても幸せ」
「もし魔法を使えるなら」
「時間止めたい」
「抱きしめて」
「友達同士だから」
「抱きしめて」
「もしも」
「さみしいなら」
「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」
「無限の可能性」
「空はいつも青く」
「晴れ渡るから」
「Dash! Dash! Jumpingしよう!」
「心の翼広げたら」
「指切りの儀式」
「Boys & Girls Don’t Think Feel!」
「Dash! Dash! Jumpingしよう!」
「心に翼がある」
「その先は」
「未来」
「Boys & Girls Don’t Think Feel!」
「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」
「無限の可能性」
「空はいつも青く」
「晴れ渡るから」
「Dash! Dash! Jumpingしよう!」
「心の翼広げたら」
「指切りの儀式」
「Boys & Girls Don’t Think Feel!」
「乙女の希望!レインボー・スペクタクル・ファンタジー!」
ミラクルハープアローの形状がハープから弓へと変わり、ミラクルレインボーはターゲットに向けて矢を放つ。すると、空に無数の流星群が流れてきた。
「やったね!」
「作戦は大成功です」
「素晴らしい魔法だわ」
プリンセスドールズのメンバーはミラクルレインボーの浄化技に感銘を受けると、
「みんな、改めてよろしくね!」
「うん!」
「一生懸命頑張ろう!」
こうして、ミラクルレインボーを仲間に加えたプリンセスドールズは再出発したのであった。
一方その頃、ネメシス財団の本社ビルの地下倉庫でも、怪盗トリオは2020年に向けて動き出そうとしていた。
「三ヶ月の旅行は充実しましたわ!」
無給休暇と無断でプライベートジェットを使ってレバノンへと傷心旅行に出かけていた怪盗トリオ。
「忘れたときのアレ」
「行ってみよう!」
そんな怪盗トリオは、毎度おなじみの口上を述べる。
「誰かの声が聞こえたのなら」
「すかさずここにやってくる」
「世界の危機を救うため」
「今日も明るく出動だ!」
「レッド・アルファ!」
「ブルー・ベータ!」
「グリーン・ガンマ!」
「三人そろって、神出鬼没の怪盗トリオ!」
「私たちこそ、正義の味方!」
「なんてな!」
いつものルーティンを行った怪盗トリオ。
だが、そこにヤツが現れる。
「ボーっと働いてるんじゃねーよ!」
「人のパクリはダメじゃん!」
「…て、何よ!?」
「で、でも可愛いし!」
ヤツの正体は、黄色と黒のハムスターだった。
「自己紹介しよう。ドクターの命令で今日から地下倉庫課に配属されたイエロー・デルタだ」
人呼んで、デルタ。
そんな怪盗トリオに、デルタはこう命令する。
「2020年の目標は、アレキサンドライトのマジカルストーンを手に入れることとイノセントワールドを実現することだ!」
ここから、怪盗トリオの逆襲は始まった。




