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死神戦

戦闘シーン書くの難しいね(;´・ω・)

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この情報は秘匿されています


※第一形態

・個体名 「死神」 


※ かつての面影はなくただ死をばら撒くだけの存在へと堕ちてしまった哀れな男の成れの果て

※閲覧条件 第二形態への移行

※閲覧条件 …………へ………行


神骸(しんがい)武装 「告死鎌(こくしれん) レゼルヴァ」

※ 死神の骨を削り出し死の概念で出来た即死の刃を持つ大鎌、刃に触れたが最後何をしても命を刈り取る死を纏っている

※閲覧条件 第二形態への移行

※閲覧条件 …………へ………行


・装備 「虚ろの心衣」

※ かつての輝かしかったマントは今や呪いに侵されすべてを呑み込む虚ろと化した

※閲覧条件 第二形態への移行

※閲覧条件 …………へ………行


・保有概念 「死」

※ 生きとし生けるものを憎み死をばら撒く概念

※閲覧条件 第二形態への移行

※閲覧条件 …………へ………行


勝利条件 対象者の殺害(残り一回)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「オオオオォォォォー」


「ヒューッ、ヒューッ、ヒューッ………、あぐっ」


冷徹で無慈悲な刃が俺の命を容易く刈り取る。ただひたすらに不可視の刃を避け続ける。今はまだそれしかできない。幸い、攻撃が来る瞬間をなんとなく察知できるようになり、少しだけ余裕が出てくるようになった。音も気配も無く姿も見えないヤツだが、攻撃の瞬間に姿を現し殺気を漏らす為、何とか避けることは出来るようになった。避けられるようになるために何回死んだかわからんが、まあそれはいい。


 問題は、攻撃の瞬間にしか姿を現さないためこちらからは攻撃できないと言う事だ。無論奴が姿を現した瞬間にカウンターを入れることは可能だし、実際カウンターを入れてみたが体に触れた瞬間、俺の肉体が蒸発した。


 最初は死神の鎌みたいなものに傷つけられると同じように蒸発していたが、何度も死に続けることで体が適応したのかどうか知らないが即死しなくなった。死んだからと言って元々の肉体が成長する訳では無いのに、何故か死なない。ただ、完全に適応出来ていないのか大鎌に掠ると体が重たくなり呼吸がしにくくなる。


 だが、即死しないのなら正直どうとでもなる。何度か奴の体に触れて感じたことがある、胴体・手足・頭の内、頭部に近い部位の方が肉体が消滅するスピードが速い事が分かった。実際に足を攻撃した際と頭を攻撃した際、足に攻撃したときは首に攻撃した時と比べ体感で1秒ほど遅い事が分かった。

と、言う事はこいつの頭には力の源があるのではないかと考えた。


 普通に考えて頭を吹っ飛ばしてやれば流石に、こいつも死んでくれるだろうから、力の源が有ろうが無かろうが別に問題は無い。後は、どうやって頭を吹っ飛ばすかだが策はある。


 人間の脳にはリミッターが存在していることを知っているだろうか?普段の我々は全力を出しても100パーセントある内の凡そ30パーセントしか使われていないらしい。


 火事場のバカ力や走馬灯は残りの70パーセントが使用されることで起こる現象らしい。ならば、そのリミッターを外せば足りていない攻撃力を補える筈だ。


 しかし、問題もある。それはリミッターを解除した際の反動がキツ過ぎると言う事だ。そもそもの話、肉体が壊れないようにリミッターを掛けているのに、それを外せばどうなるかは言わずとも分かるだろう。


 其れ即ち、肉体の損壊が起こると言う事。自発的にリミッターを解除することは可能だ。肉体の操作ができるのならその応用で出来る。何度もリミッターを外して60パーセントの力までは何とか扱えるようになってきたが、それ以上出力を上げると肉体に甚大なダメージが出てしまう。


 血管が裂け、筋肉が断裂し、骨に亀裂が入る。そうなってしまえば戦いを続行するのは途端に難しくなってしまう。


 攻撃を外した際のリスクも馬鹿にならない……そこで俺は考えた。腕一本犠牲にして打ち込む限界の威力はどれくらいなのだろうかと?100パーセントで打ち込むと腕は破裂するがまだ肩についている。120も同様………………結果的に今の俺は、230パーセントで腕が消し飛ぶことが判明した。無論出力を上げ続けることは可能だが、これ以上やると体が破裂してしまうため、仕留めきれなかった場合ただ、死ぬ事しか出来なくなる為これ以上はやめた。


「あとは、頭に当てるだけだ」


「カッカッカ」


「舐め腐りやがってクソが、今に見てろよ」


 奴はケタケタ笑って虚空に溶けて消えた。さあ、ここからが本番だ。一瞬たりとも気が抜けない、抜いた瞬間待っているのは死のみ。リミッターを60パーセントまで引き上げる、この状態で戦闘できるのは三分間だけ。ケリを着けるのにはそれで十分だ。


 虚空から大鎌の刃が現れる!前転して避け、すぐさまバックステップ。先程まで居た場所に刃が現れ切り裂く、次の瞬間にはこちらをカチ上げるかのように大鎌を切り上げてくる。それを、半身になって避け、しゃがむ。頭上を大鎌が通り過ぎ、首元に刃が出現する。


 これを待っていた!


「ここだ!!おらっ!」


 右に半回転し左腕を死神の顔面にブチ当てた!


 綺麗にクリーンヒットし頭蓋を破壊したが背中を大鎌で切り裂かれ、左腕は頭蓋に当てた瞬間引き千切れた挙句、吹き飛び、その衝撃で俺の体も後ろに吹っ飛んだ。


「ギカァァアアア!!!……アアァァ……」


 叫び声を上げていたが次第に声が小さくなり、やがて息絶えた。


「どうやら、頭に仕掛けがあったみたいだな」


 何とか倒すことが出来たが、いったい何度死んだことか……ようやく倒すことが出来た。仰向けになって一息ついているが、大鎌の力と左腕が吹き飛ぶほどリミッターを上げたせいでまったく体が動かせない。でも、今回は変異することなく(死に続けたが)何とかなった。この調子で次も頑張ろう。そう思って、見開かれた不気味な瞳の月を見上げていると、充血し始め、血の涙を一滴流し瞳を閉じた。


 あたりは何も見えないほどに暗くなった。


 流した涙は深紅の光を放ち、息絶えていた死神の体に落ち吸収された。


「ガカッ……カ………ォォォオオオオ」


「おいおい、まーだやんのかよ」


 何とか体を起こし変化を見届ける。血の涙を吸収した奴は声を出し朱色のオーラを巻き上げて変化し続ける。しばらく待っていると不意に巻き上がっていたオーラが弾けた。


 すると世界が変化した、ただひたすらに暗かった空間は今や厳かな宮殿へと移り変わった。どうやら俺はその厳かな宮殿の中に立っているようだ。大理石の床に煌びやかな天井、宗教画が描かれたステンドグラスに王が座るのであろう豪奢な椅子がそこに佇んでいる。


 その椅子を背に俯いたままの人がそこに居た


 彼は顔を上げると


「初めまして、そしてありがとう」


「おいおい、あんた誰だよ?」


 涙を吸収した死神はその姿を大きく変え、完全な人となっていた。歳は六十代程だろうか?老境に達してはいるが鍛え抜かれた肉体、緑の瞳に鋭い眼光、髪は白髪で顔つきは好々爺然としている。


 大鎌に関しては変わらなかったが、防具が変化している。骨のときにはマントしか装備していなかったが、今はあのマントに加え無駄を一切省いた究極の機能美を有した鎧を身に纏っていた。いきなり人に変わったこともおかしいがそれよりも、ヤバイ。


 骨の状態だった時の死神と、今の状態の死神では絶望的なまでに実力がかけ離れている事が感じ取れる。存在するだけで空間が軋み、立ち居振る舞いで分かる、限界まで洗練したであろう武の気配、これで理性を失っていたのならまだ僅かに勝機があったであろう。


 だが、彼は見たところ理性を失っていないようだ。


 つまり、勝てない。


 不可能だ。


「わたくしの名は“リブライグ”と言います以後お見知りおきを」


「これはご丁寧に、僕の名前は守夜桐継と言います」


「お若いのに礼儀正しい方ですね、最近の若者よりも好感が持てます」


「はは、ありがとうございます」


「既にお判りでしょうが、わたくしは先程の死神だったものです。今は人の姿に戻ることが出来たうえ自我もこの通り戻りました。そのことに関してお礼を申し上げます」


「それで?たったそのことを言いたくて人に戻った訳じゃないでしょう?」


「ええ、その通りでございます。わたくしは元々世界を維持するため呪いや怨嗟をこの身に留め世界の崩壊を防いでいましたが、この通り呑み込まれてあのような姿に変わってしまいました」


「ふーん、そんなことがあったんですね」


「流石に全盛期の肉体には戻れませんでしたがまあいいでしょう。さて、無駄話はこれくらいにして構えなさい」


 大鎌を構えた瞬間、空間に罅が入り始めた。濃密すぎる殺気に、もはや立っていることさえも困難だが何とか踏ん張って立つ。


「お手柔らかにお願いしますよ」


「ええ、貴方が諦めて朽ち果てるまで殺してあげます……我が主と世界の為に」


 その言葉の後、威圧感はさらに増し絶望が覆い尽くす。







 そして希望は潰えた。

ブックマーク三件!ありがとうございます!(*'ω'*)

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