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喰らうもの

寒くなってきましたね。風邪ひかないようにしましょう('ω')ノ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「死神 リブライグ」の保有概念“死”を喰らいました。

これにより“死”に対して耐性を得ました。

「リブライグ」の持つ技術 *****流剣術を習得しました。

完全に奪いきるまで残り 九十%

「固有能力 超強化」を完全に奪いきるまで残り 八十九%

固有能力は完全に奪いきらなければ使用できません。

全てを喰らい尽くすまで残り 九十二%

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「このわたしから力を奪うのはやめろ!これは私だけのものだ!」


 リブライグは叫びを上げながら技術も何もなく大鎌を振るう。大鎌や肉体に触れるたび力を喰らう為、積極的に近づきながら攻撃をさばき奴の肉を抉る。喰らえば喰らうほど力が漲り、“リブライグ”の技術や経験をものにしていく。最初に言っていた大鎌を使ったことが無いというのは事実のようで、覚えるのは剣術の技術だけだった。ただ、剣術と一口に言っても剣を振るうだけでは剣術とは言わず、体捌きや歩法といった様々な技術が内包されている。


 ただ、覚えるのは基礎的な事だけで、剣の技といったものは何一つとして覚えなかった。これには何か、理由があるのだろうか?


敵を倒す為にどうやって近づくのか、振るった武器がどうしたら十全に威力を発揮するのか、といった様々な経験を得ていく。喰らった技術の中には受け流しに関するものもあり、次第に大鎌による攻撃も簡単に流せるようになった。無論、触れれば“喰らうもの”は効果を発揮するため“リブライグ”は攻撃を受ければ受けるほど弱っていく。


「フザケルナァァアアアア!!!カエセ!私の力を返せ!」


「快感だ!一方的にやられていた相手を完封するのはキモチいいなあ!」


「ア゛ア゛ア゛アアアアア!!!」


「こいつで終いだ」


 振り下ろされた大鎌に対して爪を伸ばした状態の拳を手刀に変え攻撃を弾く、パリィと呼ばれる技術を完璧に決め両腕を上げた状態になった“リブライグ”の首に対して左腕を突き出す。何とかリブライグは、首を傾けて避けようとしたが避けきれず、首に左腕の爪が突き刺さった。そのまま首の肉を根こそぎ抉り取った。


「ゴポッ……オブェッ……」


「はぁ……はぁ……はぁ……、ようやく一勝だリブライグ!」


リブライグから距離を取り息を整える。一度変異したのだ、もう一度変異してもおかしくはない。何が起きてもいいように身構えて集中する。すると案の定起き上がってきた。人間の急所でもある首に攻撃を与えた上、頸動脈を破壊したのに生きているはずがない。現に今も、血を垂れ流しながら焦点の合わない瞳を彷徨わせている。しかし、まだ何かがあると俺の本能が言っている。


「ホォォオオオ……」


 息を吸い込むような音を出しながら、“リブライグ”だったものはゆらゆら揺れながら立ち上がる


 カタカタとあたりから音がし始め、宮殿が崩れていく。地面に亀裂が広がり、天井が崩れていく。逃げたくても出入口が無いため逃げることは出来ない。絶体絶命のピンチだが、“喰らうもの”は大鎌にも効いていた事から崩れ落ちる天井にも効果があるはずだと信じて念じる。


「喰らい尽くせ!」


 右腕が光を放ち、頭に落下してきた天井は跡形もなく消え去り事なきを得た。しかし、天井に吊るされていたシャンデリアが落ちてカーペットに引火し宮殿内が炎に包まれた。不思議と息苦しさは感じなかったが、“リブライグ”の姿がどこにも無い。


 不意に強烈な殺気を感じて後ろに飛ぶ。


「ワワわ我がガガ……主のォオオ……タぁめメに……」


 燃えている玉座を背に、リブライグは立って居た。


「可哀想だな、ただ誰かの為に犠牲になって今なお苦しみ続ける…………その苦しみ俺が背負ってやるからその代わりにあんたの力寄越しな!」


「グゥウオオオオオ!!」


 炎に巻かれて焼けただれた皮膚に焦げ付いた鎧。武器も変化しており、先程まで大鎌だった物が今は、片手直剣と取り回しやすそうな盾へと変化している。喰らった記憶から“*****流”とやらの使い手らしいく、喰らった経験の中には剣と盾の攻防一体型が最も得意だったようだ。付け焼刃の俺がまともに戦えば、経験の差から敗北するのは目に見えている。


 だが、だからこそ真っ向勝負をする。この場所には隠れられる所もなければ、搦手ができるほど頭が良くも無いし、出口が無い為逃げる事も出来ない。ならば、真っ向勝負で手に入れた剣術で戦うしかない。剣がないのは痛すぎるが動きが分かれば、何とかなるだろう。あとは、戦いの中で成長し続ければいいだけの話だ。


「ガアアアア!!」


「ッく、速い!」


 炎に焼かれているリブライグは今まで以上に速く、重い攻撃を仕掛けてくるうえ、動きのぎこちなさが完全に無くなり強くなっている。爪で弾いたり、受け流したりするものの、リブライグの力はまったく喰えないし、防いだ爪が切断されたり纏っている炎に溶かされたりしてしまう。それに、こちらが攻撃しようとしても盾で弾かれてしまいまともに攻撃できず逆に切られる始末だ。


 盾で守り剣で攻撃する。最もオーソドックスでシンプルな攻撃方法だが、やりずらい事この上ない。それに加えて、盾で殴り飛ばして来たり蹴り技や掴み技に、非常に困らされている。


「マダマダダァアア!!」


 さらに攻撃は激しくなり、直剣の振り下ろしから切り上げのあと、盾を構えて体を使ったタックルから体の中心を狙った突き攻撃へ流れるように繋げ、そこから更には左から右へ切り払いを行い、距離が近ければそのまま右袈裟切り、遠ければ踏み込みからの突き攻撃といったように流れが出来ている。


 一度嵌ってしまえば逃げる事は不可能に近いだろう。だからこそすべての攻撃を見切り、弾き、防がなければいけないのだ。避ける事も可能だがそこから立ち直すのは至難の業だし、何より大きく避けてバランスを崩せば一発で終わりだ。そのためダメージ覚悟で戦わなければいけない。


 達人の多くは自分の中に流れを作りその通りに動く人間が多い。その流れを一瞬でも止めることが出来れば小さな隙になる。その隙を突いてやれば恐らく勝てる。その為にも攻撃を受けながら反撃のポイントを探り続け耐えるしかない。



「……ハァ、ハァ、ハァ、流石に強いッ」


「ググググガガアギイイ!!!」


 度重なる攻防の果て、全身は傷だらけで意識が朦朧としているが何とか戦うことが出来ている。対するリブライグは激しい運動に体がついて行けて無いのか、肉を抉り取った首が辛うじてくっ付いている様な状態になっている。あの垂れ下がっている首を完全に刎ねれば死ぬはずだ。


「ガアアアア!!」


「こっからだ!」


 叫び声を上げると必ずと言っていいほどに突進攻撃をして来る。盾を構え、剣を突き出し、思いっきり突っ込んでくる。この状態になると回避は不可能で、恐ろしい速度が出るため防御も不可能。つまり、即死攻撃に等しい。なら、如何するのか?決まっている。


 姿勢を低くし奴に向かって走る。このままぶつかれば質量差でこちらが潰されてしまい、避けたとしてもこちらは大きく体勢を崩し立ち直るその瞬間には、剣によって両断されてしまうだろう。ならば、盾を足場にして飛び越せばいい?それも無理だ。盾に足を掛けた瞬間、奴は盾を巧妙にズラし、バランスを崩させ堕とす。そのあとは剣でくし刺しにされてお終い。


そこで前回と同じように、リミッターを解除して一時的に強化する。今回強化する部位は足。足を強化し相手を飛び越える作戦だ。相手を飛び越えれば必然的に奴は後ろを向いた状態。振り向きざまの攻撃を避けた後、攻撃してやれば勝てるって寸法だ、秘策もあるしな。


「ここだ!」


剣が体を貫けるほどに近付いた瞬間、体を捻って宙返りをする!頭は地面の方に、足は空に向ける。両腕で相手の頭を掴み、そのまま体の回転と腕力で捩じ切る。


「グジュ?ゲギヤァアアア!!!」


「意外とできるもんだな」


相手の頭を掴み体の回転と腕力で捩じ切る!この秘策は正直うまくいかないだろうと思っていたが意外と何とかなるもので、出来てしまった。


「これ以上復活されても困るから、確実に死んでもらうぞ」


 頭が取れてもなお、立ったままのリブライグの体に奴の剣を奪い、その剣で鎧ごと心臓を突き刺す。そのまま剣を引き抜き、リブライグの体に手を当てる。


「じゃあな、安らかに眠れよ」


“喰らうもの”を発動させ、リブライグを喰らう。すると彼は灰となり消えていった。同様に盾と鎧は灰に変化してしまったが、剣だけは俺の手の中に残されていた。煤けているが輝きを失わず、ただ鈍くぎらついている。剣自体は非常にシンプルで、普通のロングソードといった感じで装飾もない。それ故に、扱いやすく信頼できる品なのだろう。ただ、彼が使うにはあまりにもお粗末な感じがするが、まあ今言っても詮無き事だろう。剣を拾い上げるとまたあの声が聞こえてきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

個体名 「リブライグ」の捕食が完了いたしました


「リブライグ」の所持していた概念「死」を使用できるようになりました

 ただし、「リブライグ」の所持していた際よりも弱化しております


「リブライグ」の持つ技術 ログレリオ流剣術を完全に習得しました

「固有能力 超強化」を習得いたしました

 この能力は自身の身体能力をリスクなしで五十倍まで引き上げることが可能な能力です


「リブライグ」から“残骸剣リヴァ”を入手しました

 ただし、現在は使用不可です


「リブライグ」の肉体の捕食が完了いたしましたので、彼の者の魂を捕食できます

喰らいますか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「勿論喰らうにきまってる、全部喰らうって言ったからな」


(喰らうを選択されたのでリブライグの魂を捕食します)


(この魂は穢れに汚染されており耐え切れなければ自我を損傷する恐れがあります。それでも喰らいますか?)


「ああ、喰らう」


(承認されました。これより捕食を開始します)


…………………


…………


……




(完了しました。自我の欠損もなく喰らい終わりました)


「あんまり、変わってないように思えるけどどうなんだ?」


(リブライグの魂の捕食により“固有能力 超強化”の出力上限が百倍へと変化しました)


(“残骸剣リヴァ” の使用も可能になりました)


(また、捕食により閲覧できなかった項目が閲覧可能になりました)


「閲覧?何のことかさっぱり分からないけどまあいいか」


 新しい相棒リヴァを片手に先へと進む

 さて、次の相手はどんなのかな

 期待を胸に歩を進める


_____________________________________

この情報は秘匿されています


※第一形態

・個体名 「死神 リブライグ」


※ かつての面影はなくただ死をばら撒くだけの存在へと堕ちてしまった哀れな男の成れの果て

※ 仕えていた主に世界を存続させるために人柱になってくれと泣きながらに懇願され承諾し世界の贄となった誇り高き人物

※ 世界には許容できる澱みがあり、許容超えれば世界は滅びる。その為に人や神は自ら進んで贄になる。

  彼はその澱みに耐え切れずやがて崩壊した。

・神骸武装 「告死鎌(こくしれん)レゼルヴァ」 

※ 死神の骨を削り出し死の概念で出来た即死の刃を持つ大鎌、刃に触れたが最後何をしても命を刈り取る死を纏っている

※ 世界の内側で彼を襲ったのは朽ちた神であり、その神と戦い勝った後に残されていた武器である

※ 本来であれば、手に取るはずもないほどに瘴気を放っていたが既に世界の澱みに侵されていた彼に触らないという選択肢はなった。ここで、手に取らなければ永劫の死に触れることもなかったのであろう。


・装備 「虚ろの心衣」

※ かつての輝かしかったマントは今や呪いに侵されすべてを呑み込む虚ろと化した

※ 世界の内側へ行く際に纏っていた装備は朽ち果て、ただ唯一残されたマントは世界の澱みを閉じ込め使用者に絶大な力を与える代わりに命を喰らう死へと変える。

※ そして、溜め込んだ世界の澱みはあらゆるものに影響を与え神ですら消滅させる。


・保有概念 「死」

※ 生きとし生けるものを憎み死をばら撒く概念

※ 触れたが最後魂すら死滅させる最恐の概念

※ 絶大であるがゆえに使用者の殆どは己に呑み込まれ朽ちる


・残骸装備 「朽ち果てた栄光剣盾リヴァ&エヴィ」

※ 最終形態で出現するかつての装備

※ 世界に呑み込まれた装備は今この瞬間に蘇り敵を屠る

※ 世界を救った英雄の剣は朽ち、かつての輝きを失っているがその剣の鋭さと盾の堅牢さはかつてと変わらずである。負けることなく、戦い続けた英雄はしかし一人の異常者によって終わりを告げられた。


勝利条件 対象者の殺害

_____________________________________


設定考えるほうが筆が進むのはなぜだ('Д')

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