表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/27

すべての始まり

まばらに聞こえる車の走る音。静かな夜に吹く風の音。見上げた空は暗く月と星が輝いていた。見下ろせば街は人工で出来た光で満ちていた。マンションの屋上で眠らない街を見ていた。一歩踏み出せば見ている世界は反転し“俺は”この世界から消えることになる。


なんだか生きることに疲れてしまったのだ。生活に不満はない。ただ、人と関わることが“俺”には苦痛だったんだ。なにも人が嫌いだったわけじゃないが、誰しも嘘をついたり自分を偽って生きている。毎日がそうであるとは言わないが、それでも大半はそうであるんじゃないかと思う。そんな生活をこの先も送ると考えると耐えられそうにない。すでに自殺一歩手前まで来ているのだから。


今日“俺”は死ぬ。


なにも残すことはなく、だれにも止められることなく消える。思い残したことはたくさんあるがもう決めたのだから、しょうがない。


「さて、いくか」


意を決して飛ぶ。


体に叩きつけられる風、恐怖ももちろんあったが空を飛んでいることに対して少し高揚した。


そしてそのまま地面に叩き付けられて死んだ。


“俺”こと守夜桐継(もりやきりつぐ)はこの世界を去った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ