↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/122

87話 自由行動

  コンビニからは班行動は解散となった。だが、それでも特に組みたいチームも無かった為、俺達はここに到着した面子で道を再び進み始めた。


「あ、そろそろ行きます」

「分かりました。君達が最後尾って事で、わしは先行くな?すぐ後ろから内山先生がすぐ追いつくと思うからペースは気にしなくて大丈夫だよ。だけど、時間がちょっと押してるから気を付けてくれ」

「了解です」


  点呼を確認した伯江先生は車に乗り込み、道路を颯爽と駆け抜けて先頭に追いつく為エンジンを踏んだ。既に俺達と先頭は500メートル以上の差が付いていた。おかしいな。山降りるまでは一緒だったのにたった1キロ歩くだけでこんなに差が出るものなのか?いや、違う。コンビニまでは先輩達が先導しててくれた筈だ。つまり、俺達がコンビニでだらだらし過ぎたのである。


  特に長居した訳では無かったが、複数人でトイレを利用したり、軽食や飲み物を購入してたら遅くなってしまったのだ。コンビニの隣には直売所などがあり、みかんなどが販売されていたが、先ほどコンビニで物を買ったばかりの為、俺達はそれをスルーした。


  しばらく道を歩く俺達だったが、時間が経つにつれ、個人間の距離が離れて来ていた。俺と濱内、山田が最後尾、話せるくらいの距離だが、数メートル先に茂木と材木。更にその数メートル先に山猫と、湖穴と孤島の三人がいる。


  沈黙がしばらく続いた。周囲の景色も畑やビニールハウスが主で、その奥に住宅街があるような感じだ。それ故にそれに関連する話題も無かった。


  長い、代わり映えの無い下り道を降りるにつれて周囲の建物は住宅街から工場倉庫などに移行して行った。それが示している事はただ一つ。海が近いという事。もうすぐ海岸線沿いの道に出る事を示していた。


  海岸線の道に出てからは畑はめっきりと姿を消した。右岸側には工場や工場倉庫と見られる物が立ち並んでいるものの、あまり作業している感じは感じられず、倉庫の隙間からは海が見えた。左岸は護岸工事をしてあるのか、コンクリートの壁がひたすら並んでいる。


  その殺風景な道を進み、俺達が橋に近づくにつれまた少しずつ住宅が増え始めた。だが、数十分前に立ち寄ったコンビニの周りほど住宅は建っていない。お店の種類もスーパーマーケットなどは建っておらず、自動車販売店や、携帯ショップなどのお店が多い印象を受けた。


  左岸はコンクリートの壁の高さが減り、緑の自然が目立ち始めた。


「それにしても遠いな」


  今俺達が目指しているのは生口橋付近にあるコンビニエンスストアだ。しかし、数十分前に立ち寄ったコンビニから4キロ近く距離が離れている為、ゆっくり歩いて行ったら一時間近くかかる。現在の時刻は既に13時前。一応、前のグループは直線道路の為、見えるものの一つ前の茂木達のグループですら数十メートル先に姿が見えた。


  その為、俺達の中には焦りが生まれていた。


「次の点呼予定のコンビニまで後何キロ?」

「後2キロ位だね」


  濱内のスマホを使って現在地を調べる。まぁ、許容範囲内だ。しばらく進むとカミリーマートの看板が見えた。だが、今俺達が目指しているのはここでは無い。この次にはヘブンイレブンがあるが、俺達が目指しているのはオーゾンと言う青色の看板が目印のコンビニだ。


  ヘブンイレブンとカミリーマートは広島市内には比較的多いが、オーゾンはあまり見ない印象だ。だが、しまなみ海道でヘブンイレブンよりもオーゾンの方が多い印象を受けた。愛媛の方に近づくとホブラと言う赤いコンビニが現れるのだが、これは広島発のコンビニチェーンと言われているが何故か広島市内ではあまり見る事が無い。




「あと、1キロでオーゾンね。今最前列は生口橋の途中みたいだよ」

「分かりました」


  内山先生が後ろから俺達に追いつき声をかけ、それに対して俺も声を返す。だが、そこで俺は気がついた。


 ちょっと待て!先頭早くね?確か生口橋に入る為には橋の入り口まで道を上る必要があるその為、俺達が今目指しているオーゾンからでも1.5キロ程の距離を歩く必要があるのだ。俺達がここまでさっきのコンビニから歩いて来るのに約30分ちょっと……その間に先頭は5.5キロ以上の距離を進んでいるのだ。


 彼らは間違いなく走っている。30分前に立ち寄ったコンビニの時点で先頭とは距離が離れていたとは言え、そんなにあの短時間で移動出来るとは思えない。前に居たのが青空達だった事を考えると先頭は上級生か。あの馬鹿みたいな荷物背負ってるのに良く走れるわ……俺の中では先輩に対して感服を通り越して呆れの感情が生まれていた。


 結局少し歩く速度を速めた俺達は10分程でオーゾンに到着し、そこで少し休息を取る事にした。その際に殆どの一年生とは合流する事が出来たが、既に二年生以上の先輩達はオーゾンを後にしていた。だが、歩き続けていた影響で少しお腹が空いていた事もあり、俺は軽食と行動食を補充した。ここからもまたサイクリングロード沿いに道路を進むだけなので迷う事は無いだろう。


 俺達がコンビニで少し大きめの食事などを済ませている間にまた幾つかのグループが出発していた。しかし、焦る事は無い。時刻は13時半手前。今日のゴール地点までの距離は10キロちょっと。まだ余裕はある。そう考えた俺は痛む膝裏を抑えてローソン前の金属枠に腰をかけた。

 


案外歩くのと走るのでは使う部位が異なるので、走った方が疲れない事もあります。


追記 87話をちゃんと挿入致しました。


調べてみたらもうサークルKサンクス無いんですね。今は全部ファミリーマートに統合されている様でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。