「閻魔に生まれかわりました」
痛い。死ぬほど痛い。いや、もう死ぬだろう。
目の前は道路に溢れた自らの血と飛び出た内臓によって赤黒く染まっていた。
あー、やばい、僕はどうやら死ぬらしい………。
不思議と恐怖は感じていない。そもそも、いきていてもしょうがないのだ。
何でこうなった…………………?僕は何もしていないじゃないかっ、クソ……………!
クソみたいな人生だった…………。僕の母さんは僕を産んで死んで、父さんも僕を養う為に働きすぎて過労死した。2人共あっさりとした死だった。
更に僕は虐められやすい体質なのかクラスメイト全員に虐められていた。小、中、高ずっと。自殺しようかとも考えたが、僕にそんな勇気はなかった。
そして、現在。お人好し過ぎる僕の性格がとんでもないことをやらかした。クラスメイトを庇って車にひかれたのだ。
はッ………………、何バカな事してんだよ僕…………。
でも、やっぱり………………無事で良かった……………ぁ
意識が急速に遠退く。遠くから聴こえてくる救急車の音は段々と聴こえなくなっていった………………。
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………………………て…くだ…………い…
何だ………………………?
…………んま…………さ…………きて…… さい
あれ……?僕死んで……………………
「閻魔様‼起きてください‼‼‼」
「ふぅえあぁっっっ!?」
反射的に短い叫び声を挙げて上体を起こす。
「えっあっ、えっ!?ここドコ!!?」
周りを見渡すと、自分の周りを囲んでいるのは、普通の人間ではなかった。なんと額の上部にかくばった突起物が生えていたのだ。一瞬コスプレか何かかと思ったが、よく見ると『生えている』としか表現の仕様がない。
角だ。
それに着ている服も見たことの無いものばかりだ。着物なのか?そんなもの、時代劇位でしか見たことがない。
「何をぽかんとしていらっしゃるのですか!仕事はまだたくさん残っているのですよ!」
黄色の角をもつ人(?)が言った。
「まったく、どこぞへ行っておられるかとおもえばこんなところで昼寝とは!」
「ちょっちょっ、ちょっと待って!」
理解しがたいこの状況下に物申す。
「さっきから仕事とか何なんですか!?第一、あなたたちはだれですか!?」
ーーーーーーえ?
明らかに辺りの空気が重くなり、無言の圧力が生まれていく。
え?何!?僕何かまずいこと言いましたっけ!?
『っはっはっは‼‼』
突然辺りが笑いに包まれる。どうしたのかと戸惑っていると、一番体格の良いものが話始めた。
「閻魔様、冗談は止めてくださいよ~。私達は貴方様に仕える鬼で、ここは第4の彼岸、地獄じゃぁないですかぁっ!」
尚も笑い声は響く。
「閻…………魔……………?」
何故か僕は地獄の主、閻魔になっていた。
1話1話がすくないかもですがよろしくおねがいします。