第12話
御前をお借りしました。
『この作品は<放蕩者の記録>の提供でお送りしております』
窓から光が差し込む。夜が明けたようだ。
微睡みから少しずつ意識が浮上して来る。
舞はシーツを手繰り寄せ、空になったがまだ残る温もりを感じ取った。
数十分前に陽輔が起き出し、舞に耳打ちをした記憶が甦る。
確か、第三ビルに戻ると言っていたか。
ほぅ、と息を吐く。
まだ熱が籠っているような感覚を、排気ガスのように口から吐き出した。
少し気怠い気がするが、寧ろ心地好い。もう少し味わっていたいと思う。
そしてふと思い出した。
こういう行為はいつ以来だろう?
大災害前はたまにしていたはずだが…そう言えば、セルデシアに来てからは初めてだ。
頼ってくれるのは悪い気はしない。陽輔の役に立つなら、と思い、ふと自分の体を眺めた。
(…そう言えば私、今何も着けてない…)
一糸纏わぬ状態。改めて状況を確認し、体が熱くなる。
昨夜の事を思い浮かべ――、
(うわああああああ!私ったら!私ったら!あんな激しく…)
急に恥ずかしくなり、布団にくるまって一人悶えている。
(そ、そもそも陽輔君があんな激しく…溜まってたのかな…いやそんな話じゃ無くって!)
赤面しながらゴロゴロと転がり…ハッと我に返り、肌蹴たシーツを体に巻き付ける。
そして入室制限を確認し、自分と陽輔以外は、三月兎でさえも入室禁止にした。
誰も居ないから恥ずかしがる必要も無い筈だが、そこはそれ、やはり羞恥心と言う物は働くのだろう。
(そう言えば昨夜は生で…はっ!でででで出来ちゃったらどうしよう!)
処で、この世界に『お薬』は有るのだろうか。
耳を真っ赤にしてグネグネと考える。
(…名前とかちゃんと考えないとなぁ…男の子かなぁ?女の子が良いかなぁ?…陽輔君は何人ぐらい欲しいかなぁ…って違う!!!)
様々なイメージがグルグルと脳内を回り続けた。
再びゴロゴロと転がり、布団に包まる。
(…陽輔君の汗と温もりと匂い…)
敷布団や枕には、まだ名残が染みついているように思われる。
誰も居ない事をキョロキョロと確認し、
(も、もう少しぐらい、寝てても…いいよ、ね?)
一体誰に同意を求めているのか、心中で一通り手続きを済ませると、舞はぼふっと陽輔の枕に顔を埋めた。
◆ ◆ ◆
少し眠った後、舞は起き上がり、身支度を整えて一階に降りて来た。
入室制限を解除したのが陽輔の残り香を堪能した後だったのは、誰にも言えない秘密である。
「おう、お早う舞」
「あ、お早う、叔母さん」
いつもの挨拶を交わして、朝食を受け取り、椅子に座る。
相変わらず味は無いが、食べないと腹が減るのも事実だ。
舞の正面に三月兎が座り、朝霧から貰ったと言う小瓶の残りを確認し出した。
「あ、そうだ、舞」
「ん?なぁに?」
朝食を食べながら返事を返す。
「陽輔なら一旦第三ビルに帰るって言ってたぞ」
「あぁ、うん、聞いてるよ」
「ふぅん、そかそか」
何やら思わせぶりな三月兎の態度に、若干苛立ちを感じる。
「何?なんか有るの?」
「ん?いや、今朝イーサンが寝不足で降りてきてさ」
寝不足?何か有ったのだろうか?
それに話の筋が見えない。
心当たりの無い舞は、訝しげに首を傾げた。
「隣の舞の部屋が五月蠅くてあまり寝れなかったってよ♪」
「ぶーーーーーーーーー!!!」
盛大に吹き出し、ゴホゴホと咳き込む。一部が三月兎に掛かってしまった。
三月兎はその反応に満足すると、もう一つ言い放つ。
「あと胸元に気を付けろよ。キスマークあっから」
「えっ!?嘘、どこどこ!?さっき見た時は何処にも…はっ!」
目の前の叔母がニヤニヤ笑っているのを見て気付いた。どうやら鎌を掛けられたか担がれたらしい。
顔を真っ赤にしてわなわなと震える舞を三月兎が指差した。
「お前は次に『叔母さんのバカ』と叫ぶ」
「お、叔母さんのバカー!」
「けっけっけ♪」
「もうっ!知らない!!!」
プリプリと頬を膨らませた舞は、手早く朝食を済ませると、勢いよく玄関を開け、陽輔の所に走って行った。
バタンと強めの音を響かせて扉が閉まるのを見ながら、三月兎はフッと穏やかに微笑む。
「灯台の灯りは見つけたみてーだな」
舞が居れば心配は無いだろう。
ランスロットから聞いたが、舞の存在が陽輔を『こちら側』に踏みとどまらせたらしい。
恐らくもう大丈夫だ。
「さてと。後は先輩の方か…」
三月兎はポーションの在庫を確認しながら呟く。
具体的な内容は聞いてないし、詳細を聞く必要は無いと思っているが、まさしく今日、<三日月同盟>とシロエたちと協力して、例の大規模作戦を開始すると言っていた。
まぁ良く分からないが、朝霧の役に立てるなら野菜でも何でも協力するつもりだ。
三月兎はポーションを持って庭に繰り出した…。
◆ ◆ ◆
第三ビルのロビーに有る置時計は午前10時を刻んでいる。
陽輔は屋上に居た。
特技の動作を確認しているようだ。
二振りの剣の切っ先が空気を切り裂く。
時に走り、または跳び上がり、シャドーボクシングの様に動き回る。
髪の毛から滴り落ちた汗が、屋上の床に染みを作った。
「はぁ、はぁ…」
動きを止め、息を整える。
MPが大分減っているようだ。そろそろ休憩が必要だろうか。
「お疲れ様」
「あぁ、舞ちゃん」
何時の間にやら、屋上の出入り口に舞とラムネが居た。どうやら集中していて気付かなかったようだ。
舞が歩み寄り、水筒とタオルを差し出す。
水筒はともかく、この世界でタオルは不要(自動的に綺麗になる)なのだが、気分的な問題だ。
剣を収め、両方受け取り――
「んぅっ!?」
触れるようなキスをしてそのまま脇をすり抜けた。
「よよよよよ陽輔君!?ここ、あの、屋上、なんだ、けどっ!?」
目を丸くした舞は頭から湯気を出しそうなほどに顔を上気させ、ラムネは恥ずかしそうに手で顔を隠し、隙間からちらちらと二人を覗き見る。
陽輔はポリポリと頭を掻くと、固まった舞を後目に、そのまま端の方まで移動した。
ただ単に、気恥ずかしさを紛らわすための移動だった。どうも、昨夜から積極的になっているらしい。
街の、特に大通りの方を見下ろす。
「ほっぺた落ちるでー♪」
「何だこれーーー!」
「うめえ!うめえよ!!!」
「順番に!あの、並んで下さい!」
眼下に人だかりが見えた。
「あれは…?」
集団の中心には、三日月同盟のマリエールたちが居る。
屋台を出したらしいが、他と違って繁盛しているようだ。
しかも、料理を食べた者たちが皆一様に快哉を叫んでいた。中には泣いている者も居る。
(『美味い』?…まさか、味が有るのか…?)
驚いた。そんな事がこの世界で可能なのか。
だとすれば大発見だ。だが、同時に疑問にも思う。
(マリエールさんなら大々的に公表するかなぁ…だれか助言でも…)
ふと陽輔の脳裏に浮かんだのは、ヘンリエッタの顔だった。
味の有る料理は確かに今稼ぐには最適だろう。
だが、その後はどうするのか。マリエールは金儲けとは無縁の性格だ。
ただ単に金持ちになりたいという動機はイメージに合わない。
という事は、誰かに頼まれ、稼いだ金を何かに使うつもりなのだろう。
だが、<会計士>であるヘンリエッタのアドバイスが有っただろうとは言え、その金をどうするのか、と言う問題は、二人では考えられないような気がする。
ゲーム時代に接した事が有るが、感覚的にはヘンリエッタは経済系のアドバイザーであって、軍師や策士とは違う雰囲気だ。
現実でも確か会計士だと聞いた事が有る。
ならば。
(シロエさん、か…)
なるほど、と合点がいった。
最近は三日月同盟と仲が良かったし、ススキノから新人とにゃん太を連れ帰って来たという情報も聞いている。
『シロエが連れ帰った』という一事を以てしても、ヘンリエッタでは軍師の類は務まらない様に思われる。
だが、もしシロエが作戦参謀なら。
(これは足掛かり…唯のスタート地点…?)
ちらりと後ろを振り返ると、舞は顔を両手で覆い隠しながら出入り口に避難していた。
陽輔は傍に誰も居ない事を確認すると、フレンドリストから一つの名前を選択した。
相手は<腹黒眼鏡>、では無く。
『おや、お久しぶりですにゃあ、陽輔っち』
「ご無沙汰してます」
<猫のご隠居>だった。
「僕にも何か手伝えませんか?」
『ほう…単刀直入ですにゃあ。宜しければ、君の気持ちをお聞きしますにゃあ』
「僕も…一緒なんです」
『一緒、とは…?』
「僕も、今の街の雰囲気が嫌いなんです。昔はもっと雑多で活気が有って…低レベルでも、もっと胸張って、前を向いて、皆楽しそうでした」
実際楽しかった筈だ。
でなければ、皆<エルダーテイル>などやってない。
にゃん太は口を挟まず、そのまま聞いている。
「ソウジロウ君が、大々的に公言し始めました。彼を動かせるのは、このアキバにはシロエさんしかいません」
『ふむ』
「だったら、その意見は、シロエさんの代弁でも有る」
眼下には、<クレセントムーン>の売り子を手伝う<西風の旅団>のメンバーが居た。
「僕も、手伝いたいんです。<西風>と<三日月>を動かすくらいなら、恐らく大規模な作戦を考えてるんでしょう」
陽輔は一気に捲し立てる。
「具体的には分かりませんけど、シロエさんの事だから、この街を変える作戦を立ててるんでしょう」
何故なら、アキバの街が、<エルダーテイル>が好きで無ければ、大災害に巻き込まれるぐらいやりこむことは無いし、わざわざススキノまで他人を助けに行ったりしない。
もしかしたら唯の我儘かもしれないが、冒険者はそもそも自由である筈だ。
共感出来るなら協力しても構わないと思う。
「味の秘密とか、この先何をするとか、全く見当も付かないけど、ただじっとしてるだけじゃ嫌なんです。僕も…何か…っ」
最後は慟哭に近く、掠れて震えていた。
『吾輩、嬉しいですにゃあ』
「えっ…?」
『他にも賛同してくれる若人が居たんですにゃあ。シロエちも、皆も、きっと喜んでくれますにゃあ』
落ち着かせるようなゆっくりとした口調で、にゃん太が笑った。
『そうですにゃあ…では二つ、お願いが有りますにゃ』
「何ですか?」
『一つ目に、素材集めを手伝って欲しいのですにゃ。ご存じの通り、<三日月同盟>も吾輩たちも、人数が少ないですにゃ』
アキバの冒険者は一万数千人。
<三日月同盟>の人数では、一日で捌ける客数には限界が有る。しかも、素材集めに駆り出す人員も限られる。
一応、<三日月同盟>を窓口として募集は掛ける予定だが、早い内から協力してもらえるのは有り難いようだ。
「分かりました。じゃあ、二つ目は…?」
『もし<三日月同盟>のメンバーが誰かに襲われていたら、助けて欲しいのですにゃ。今後、何が有るか分かりませんにゃ。特に料理の秘密は、皆喉から手が出る程欲しい筈ですにゃ』
件のギルドは低レベルが多い。約半数が90レベルであるこのアキバでは、最も狙われやすいと言う事だろう。
「先輩!先輩!大変っすよ~!」
屋上の扉を開け、イーサンが飛び込んで来た。
『おや、何やら騒がしくなってきましたにゃあ』
「あぁ、すみません」
息せき切って駆け込んで来たイーサンを手で制止し、念話を続ける。
「用件は分かりました。いつからですか?」
『そうですにゃあ、公式には明日からにゃのですが…シロエちたちと相談しますが、午後からでも良いですかにゃ?因みに報酬は<クレセントバーガー>1セットですにゃ』
「分かりました。じゃあ午後から…」
『では、<ブリッジ・オブ・オールエイジス>で、正午過ぎに直継っちと小竜っちたちと合流して下さいにゃ。あちらには話しておきますにゃ』
「はい」
念話を切り、イーサンの方を向く。
許可を受け、興奮した様子のイーサンがバタバタと駆け寄り、クレセントバーガーを目の前に差し出した。
「あ、味がっ、味が有るっすよ!」
「何これ!?美味しい!」
どうやら舞の分も買って来たらしい。扉の向こうから歓声が聞こえてきた。
陽輔もバーガーを受け取り、一口齧り付く。
肉汁、ソース、レタスのシャキシャキ感、その全てが約一か月ぶりの感覚だった。
「うん…美味い…」
はしゃぐ舞とイーサンを横目に、陽輔はポツリと呟いた。
「そっすよね!そっすよね!」
「これ凄いよ!ちょっと何これ!?」
陽輔の言葉に、ラムネを含めた二人と一匹は、きゃいきゃいとテンションを高くする。
「ねぇ、二人とも、話が有るんだけどさ…」
「えっ?」
振り返る二人に、陽輔は微笑んで対峙した。
◆ ◆ ◆
午後の昼下がり、陽輔たち三人は街の近隣エリアの森に居た。
「おらぁ~!」
イーサンの威嚇に、鹿が驚き進行方向を変えた。
その先には、木刀を持った陽輔がスタンバイしている。
本来ならば逃げるしかない状況だが、この体は冒険者、しかもレベル90だ。
こんな鹿の突進にも難なく対処可能である。
結果、ひらりと避け、木刀で急所を叩き、鹿を気絶させた。
「やったぁ!二頭目だね!」
「うん、そうだね」
舞の言葉に頷きつつ、三日月同盟が用意した檻に収容し、集合場所まで持っていく。
「おっ、サンキューな」
「はい」
直継がニカッと歯を見せて親指を立てた。
「いや~、わりぃな、助かりまくり祭りだな!」
口癖は相変わらずのようで、何と無く安心する。
「処でよ、お前さんはオープンか?それともムッツリか?」
「…何の話ですか」
いや勿論分かっている。ただの定型文句の掛け合いだ。
だからこそ、陽輔は少し呆れ気味に反応を返した。
「…まぁ、人前ではあんまり…」
「じゃあムッツリだな!俺は勿論、オープンだぜっ!」
何故か、直継の見せた歯がキラリと光る。
「あ、そうだ、おめえおぱn」
ドゴン――!
「ぐへっ!」
何処からとも無く現れた黒髪の美少女が、直継に膝蹴りを食らわせて消えて行った。
以前ススキノに行く所で見た事が有る。アカツキという名前だったか。
「いってぇなくっそ…せめて最後まで、あ、もう居ねえ…まぁ良いか」
「えっ、良いんですか?」
目の前で行われた強烈な突っ込みに、陽輔たち三人は目を丸くする。
だがどうも日常茶飯事らしく、目の前の守護戦士は鼻を擦りながら「良いって良いって」と手を振って答えた。
「…それじゃあ僕たちはまた行ってきます」
「おう、宜しく頼むわ!」
苦笑いを浮かべる陽輔たちに対し、見送る直継は何事も無かった様に次の作業に取り掛かったらしい。
この切り替えの速さは見習いたいものだ。
「先輩、そう言えばカイト先輩たちは?」
「あぁ、別の場所で手伝ってるよ」
茂みを掻き分けながら陽輔が答える。
舞とイーサンに話した後、カイトとジョージには連絡しておいた。
無論掻い摘んで、<三日月同盟>の素材収集を手伝う代わりに、クレセントバーガー一食を報酬として貰うという事。
<三日月同盟>のメンバーに聞いてみたら募集していたので応募したという事にしている。
その事は直継と小竜に話を通してあるので、受付の際に話を合わせてもらった。
舞とイーサンにも、にゃん太とのやり取りは詳しく話してないので問題は無かろう。
こういう事は、情報漏えいに気を付けなければいけない。
「この辺は低レベルだから私でも大丈夫だね」
「そうすね、でもあまり無茶しちゃダメっすよ。まぁ俺の方がレベル低いっすけど」
「舞ちゃん、イーサン、僕は向こうの方を見て来るよ」
陽輔は二人に声を掛け、一人で横の草むらを偵察に行った。
◆ ◆ ◆
少し歩いた所で、陽輔の足が止まった。
木漏れ日がキラキラと光り、頬を撫でるそよ風が気持ちいい。
正直、木陰で寝ていたいぐらいだ。
――ヒュッ――
背後に気配を感じる。
後ろを振り返った陽輔は、木の上に冒険者の姿を認めた。
妙な姿形をしている。狐のお面を被り、漆黒のマントを着ている。
一瞬PKかと思ったが、どうも違うようだ。
こちらをじっと観察している風で、何かを仕掛けてくるような素振りは見せない。
そしてステータスが見えない。
全てが”?”マークで埋め尽くされている。
「…あの…?」
何と無く、敵では無い気がしたので、声を掛けてみる。
「『道しるべ』…」
「えっ?」
返事の代わりに発せられた言葉は、何の脈絡も無く、意味不明だった。
「いや…生きる理由、だったか…」
「えっ?っと…?」
最近どこかで聞いた言葉だった。
それにこの声とマントもどこかで――、
「見つかって何よりだ。それに、手伝ってくれて助かるよ」
「へっ?…あっ…」
陽輔がその正体に気付く前に、冒険者は風に紛れて目の前から消えてしまった。
<暗殺者>だろうか。あの動きからすると、相当慣れている。
無駄な音が一切鳴らなかった。とするならば。
(さっきのはわざとか…)
わざと背後から気配を発したという事か。その気になれば不意打ちも可能だというのに。
「あ、陽輔君!」
「あぁ、舞ちゃん」
「動物居た?」
「いや、こっちには居ないよ」
「そう。もう、叔母さんたら急に念話してきてさぁ、『バーガーうめー』なんて…相変わらず騒々しいっていうか…」
「あはは…そう言えば前にも有ったなぁ…ん?」
その瞬間、記憶の引き出しからフラッシュバックが放たれた。
マント、声、台詞…?
(まさか…今のが…『朝霧』さん…?)
陽輔は思わず振り返った。
既に誰も居なくなった枝を見上げ、嘆息する。
あの人は『手伝ってくれて助かる』と言った。
つまり、こちら側の味方という事になるか。
ゲーム時代に早苗から聞いたが、<アキバの女帝>とも揶揄される女傑らしい。
なら、今回の計画の中枢にも参加しているのだろうか。
「陽輔君…?」
「えっ?」
袖を引っ張られて振り返る。
少し心配そうな表情で舞が陽輔の顔を覗き込んできた。
「どうかしたの?」
「あぁ、いや…ごめん、ちょっとぼーっとしてた」
「そぉ?なら良いけど…あっちにカイト君たちが戻って来たから行こっか」
「…うん…そうだね」
陽輔は、舞の背中を追うように合流しに行った…。
――翌日、黒マントと狐の仮面を着けた集団が、アキバの街を席巻した――
OTONAはカッコいいのです。
フォニッ○ゲインならぬエンパシオムの提供には後ろ向きでしょうがw
でもこの人なら水面も走りそう(←