第5話
まだまだ未熟なので、分かりにくい表現や間違ってしまってる表現があるかもしれません…
もし見つけたら、こっそり教えるか、見て見ぬふりしといて下さい。
今年の夏休みは色々あった。薫さんが来た事により、良い方へと変わっただろう。
けど、僕も高二だ。大学進学を希望している身なので夏休み前から塾には通い始めていた。
そしてその塾の授業は前半にもあったのだが、後半は前半以上の日数が用意されていた。
そんな塾での授業を半分以上は消化し、夏休みの授業終了までちょうど2週間分、夏休み終了まで2週間と数日となった日僕はいつものごとく動く気のしない体を無理矢理動かし、授業に行こうとして、家を出ると。そこで僕は薫さんを見つけた。
「あっ、薫さんこんにちは。」
僕が話しかけると薫さんは気づき、ドアの鍵を閉め、近づいてきた。
「おっ隼人君こんにちは。駅の方?」
「はい、塾に…」
「おっ!?感心感心。」と薫さんは笑いながら言った。
「塾って何時くらいに帰って来るの?」急に薫さんはそんな質問をしてきた。
「10時ちょい過ぎには帰って来ますね。」
「じゃあそれから晩御飯?」
僕は少し考えこう答えた。
「ま、まぁそれから作ったり、コンビニの買ってきたり色々ですぬ。」
(正直言うと塾のある日は面倒くさいから自分で作らないから、ほとんどコンビニやカップラーメンであったし、食べないという日も少なからずあったのだが、言うと薫さんが心配すると思った僕は嘘をついた。)
「そっかぁ〜大変だね…」そんな事を言いながら考えていたような薫さんは急にこんな提案をした。
「なら私がこれから隼人君の塾の日は晩御飯作ってあげようか?」
とてもうれしい事だが、さすがに申し訳ないので、僕は遠慮する。
「いいの、いいの私が勝手にする事なんだから。」
「いや、でも……」
戸惑う僕をよそに薫さんは
「じゃあ私こっちだから〜ちゃんと勉強しなさいよ〜」と言い、歩いて行った。
僕はそのまま駅に行き、塾に向かった。
睡魔を誘う授業を終え、塾の友達と話しながら駅に向かっている途中に携帯を見ると薫さんからメールが着ていた。
「今塾かな?とりあえず家に着いたら教えてね(^-^)/」
内容を確認すると、携帯を閉じ、友達とまた話し始めた。
駅に着くと、各自それぞれに別れた。僕と一緒の方面は誰もいない。1人ホームに行き、電車を待つ。電車はすぐに来た。
(薫さんの手料理か…何作ってくれるんだろう…)少し期待していると、電車は数駅過ぎていった。
そしてある駅で僕は誰かに呼ばれた。
「隼人〜。」
春華だった。
「おっ春華じゃん。どしたの?」
「ん!?ちょっと用事でね。隼人は?」
「塾に行ってた。」
春華はニヤニヤしながら
「偉いね〜まぁ隼人なら当然かぁ。」
「うっせーな。」
こんな感じの会話を続けていると、すぐに駅に着いた。
春華とも別れ、改札に向かい、駅から出てった。
夜とはいえ、まだまだ夏。少し歩くと汗が出てくる。けれども最近は嫌な気がしない。前は歩く事が嫌いだった。時間はかかるし、疲れる。
薫さんは前ゆっくり歩き、空を眺め、風に吹かれる。そんな状況が好きだと言っていた。単純な理由かもしれないが、僕はそれを聞いてから、少しずつ歩くようになった。そして歩く事への楽しさを見つけてきた。
歩くようになった事により、今まで気づかなかった事も色々気づくようになった。
空の綺麗さ、風の気持ちよさ、太陽の温かさなどだ。
僕は熱気の残る夜風を体に受けていた。
気づくと僕は薫さんの家の前にいた。かなりぼーっとしていたようだ。
チャイムを鳴らすと、待っていたかのようにすぐに玄関を開けてくれた。
「いらっしゃーい。さぁ入って、入って。もぅできてるよ。今日は冷しゃぶだよ〜。」
「おじゃましまーす。」そう言いながら上がる僕を薫さんはリビングへと案内する。
「うわぁ〜おいしそうですね。」そこにはレタスの上に茹でられた豚肉、その上には赤ピーマンなどの彩り豊かな野菜が乗っていた。
「じゃあ私はご飯よそってくるから、隼人君は手を洗って来てね。」僕は手を洗い、テーブルに着くのと、薫さんがご飯を持って来るのはほぼ同時だった。
「この位でいいかな?」
「はい、ありがとうございます。」
「ほら、じゃあ食べて、食べて。」
僕は手を合わせ
「いただきます。」と言った。
薫さんは僕が食べているのを、僕の前の席で座って見ていた。その顔は僕には少し微笑んでいるように思えた。
食べ終え、食器を片付けようとすると薫さんは立ち上がりながらこう言ってきた。
「ごめんね、私も運ぶよ。」
僕は薫さんを座らせながら
「いいですよ。晩御飯食べさせてもらったんですから。」
そう言うと薫さんも納得したように
「じゃあ今日はお願いしちゃおうかな?」
僕は台所に運び、洗い始めた。薫さんは僕に色々と質問を投げかけてきた。そして僕も少し質問をしていた。
僕が洗い物を終え、テーブルに行くと薫さんはこう言ってきた。
「これからも塾あるの?」
「はい……まだ数回残ってます。」
「だったらこれから塾の日は家で晩御飯食べなさい。」
「え!?いや、でも…」
流石に遠慮する僕に薫さんはさらに言ってきた。
「いいの、いいの。お隣さんなんだから遠慮しない、遠慮しない。」
「薫ちゃんもやる気なんだから作って貰えばいいじゃない。家の事は気にしなくていいから。」
いつの間に来たのかおばさんがいた。
「でも……」
まだ戸惑う僕に2人はほぼ同時にこう言ってきた。
「遠慮しないっ」
「はい……」
流れに負けてしまった感はあるが、これから塾のある日は薫さんが晩御飯を作ってくれる事が決まった。
この日から夏期講習の日は薫さんが晩御飯を作ってくれた。
帰る度に温かく迎えてくれる、僕の家を薫さんやおばさんが作ってくれたのだ。
今回も読んでいただきありがとうございます。
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では、次の話も頑張りたいと思います。