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夏の薫り  作者: 剣一
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第4話

ふぅ〜まだまだ難しいですね……

もし良ければ読んでって下さい。

近所の案内を終えてから数日後、僕は終わらない課題と春華と海の家にいた。(カイの家であって、ウミの家ではない)ちなみに海には父親がいない。海が小学校の時に出てったらしい。話が話だけに海の親友と自負している僕もこの話については深く知らない。きっと海が話すべき事だと思ったら自分から話してくれるだろう。

話を戻すが、この勉強会の提案者は海だ。毎年毎年休みの前日位に泣きついてくる僕のために計画してくれたらしい。

「計画的にやらないからそうなるんでしょ。もう少し計画的にできないの?毎年毎年少しは学習しなさいよ。」

「そー言う春華だって終わってないじゃん。」

「あたしは後少しじゃない。」

「はいはい、そこまでそこまで。隼人は写す、春華は考える。そうしないと終わらないよ?」

本当に海はすごい。海がいるからうまくこの3人が機能してる気がする。海がいなかったら、多分僕と春華はずっとけんかをしているだろう。

「わ、分かってるわよ。」

それからは皆黙々とやる事を順調に消化し、時間は昼過ぎになっていた。

「お昼どうする?」海がつぶやく。

「隼人に作らせたら?」春華が適当に答える。

「え!?」

「それ良いね。俺の宿題写さしてるんだから、作ってもらおう。」

「う……」それを言われると拒否ができないじゃないか。

「分かった、作るよ。何がいい?海ー台所借りるよ。」

「あー冷蔵庫の中の適当に使っていいよ。」

「パスタがいいー」

春華には断じて聞いてないんだがな……

「麺がないから無理。」

「じゃあ買ってくればいいじゃない。」

こいつは何様のつもりだ。

「じゃあ行って来るよ。春華待ってて。」

「え!?2人共行くの?ならあたしも行く。」

結局皆で近所のスーパーに行くことにした。冷蔵庫の材料だけじゃ足りないので、色々と買う。ちなみに代金は皆で割り勘だった。それから海の家に帰り、作り始めたから、結局完成したのは3時ごろになってしまった。

「おそーーい。」

「なら春華も手伝えば良いだろ。」

とりあえずテーブルに運ぶ。

「おっうまそ。やっぱほぼ一人暮らしの隼人は上手だな。」

「味は分からないけどね。」

「いいから、食べようよ。頂きます。」

それから食べ始めた。よくよく考えると、ずっとこいつらといたけど、ちゃんとした料理を作ってあげたことはなかった気がする。

結局3人分の片付けなども終えると、夕方になっていた。

それからまた少し写し始めた。ある程度写し終えると

「じゃあ隼人がそれ写したら終わりにしようか?」と海が言った。

「そうだね。」

ちなみに今日海のを写しまくったから、宿題は残りが半分くらいまで減った。本当に海には感謝しても、しきれないくらいだ。

「おしっ終わった。本当にありがとう。」「良いよ、良いよ。昼も作ってもらったし。」

「じゃあ帰りましょっ。」それから僕と春華は帰宅準備をして帰った。2人で帰りながら、まだ少し残っている夏休みの計画を海の予定も考えずに勝手に決め、駅前で別れた。

そこで携帯の電源を入れると、薫さんからメールが来ていた。この間メアドは交換していたのだが、なかなか送る勇気などがなくて、あまりやり取りをしていなかった。

あわてて内容を確認すると、

「薫です。えっと今日の晩御飯、隼人君1人でしょ?なら家で一緒に食べない?」そんなメールが着ていた。

「今日も母さんも父さんもいませんけど、良いんですか?」と返信した。

やっと来た電車に乗り、発車を待っていると、携帯が揺れた。

「大丈夫!!(^-^)/ちゃんと知子さんにも許可取ったから〜」

そこまでしてくれてるなら、僕には断る理由が1つもない。

「なら、遠慮なく晩御飯食べさせてもらいます。何か買ってくもんありますか?」このメールを送ると、電車が出発した。

再び携帯が揺れた。

そこには

「遠慮しないでいっぱい食べてね。('-^*)bてゆうか隼人君何だかサラリーマンみたいな事言うね。まぁ買ってくる物は特にないよ。じゃあ気をつけて帰って来てね〜」とあった。

そんなにおっさんくさいかなと考えていると、あっと言う間に駅に着いていた。

僕は知らず知らずの内にいつもより早歩きをしていたと思う。

薫さんの料理を考えながら歩くと、いつの間にか家の目の前にいた。いつもならここで家に入るが、今日は違う。もう少し進み、叔母さんの家のドアの前まで行き、チャイムを鳴らした。

「はーい」と言う声と共にドアを開けてくれたのは、叔母さんではなくエプロンを付けた薫さんだった。

「こ、こんにちは。」焦る僕。

「はい、上がって上がってご飯冷めちゃうでしょ?早く早くっ。」妙にテンションの高い薫さん。

「おじゃまします。」とかを上の空で言いながら、上がりリビングに向かう。

そこで僕を迎えていたのはとても美味しそうな料理だった。



久しぶりに見た、暖かい食卓に僕は1人で感激していた。

この時の会話は取り留めのないくだらない会話だった。だけど僕はしっかり覚えている。

なぜなら、共に話し、笑いながら食べられるという暖かい食事を1日2回も経験したからである。




今回も最後まで読んでもらってほんとありがとうございました。

良ければ評価をしてって下さい。(別に厳しくてもいいんで…



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