第22話
二十二話を投稿します
暇があったら読んでいって下さい
「海、おはよう。」
僕は学校の冷たい椅子に腰を下ろした。
「おっす。もう大丈夫なのか?」
「お陰様でね。」
「あんま無理すんなよ。」
海が僕に心配そうな表情を向けた。
「推薦取れそうな奴とは違うんだよー」
「良いだろー」
「このやろー」
2人でじゃれあっていたら後ろから話しかけられた。
「あんた達はいつも馬鹿ばっかりやってー」
「あっ春華おはよー」
「春華、おはよう」
春華は1つ溜め息をつくと、おはよう、と笑顔で答えた。
そこへ委員長もやって来た。
「恋歌、おはよう」
「空河さんおはよー」
「お、おはよ…う。」
あの日の玄関での記憶が僕の中で蘇ってきた。
「みんな、おはよう。」
春華が思い出したように急に僕に話し掛けてきた。
「隼人、大丈夫になったの?」
「や、八城君、大丈夫?」
「うん、まぁ何とか…」
「無理すんじゃないわよー」
春華はトントンッと僕の肩を叩くと、いつもの元気な笑顔を振りまきながら自分の席の方へと歩いて行った。
「空河さんどしたの?顔赤いよ。」
海が委員長の顔を覗き込んだ。
「だ、大丈夫。」
委員長はそう言って慌てて顔を反らせると、自分の机へと向かって行った。
「なぁ…隼人…」
海が小声で話し掛けてきた。
「何?」
「空河さんと何かあった?」
「…いや、何もないよ。」
普通に答えようとしたのに少し間が開いてしまった。海はそれ以上追及せずに、ふーっとため息を着くと優しい笑みを浮かべながら僕の肩を2度軽く叩いただけだった。
「終わったー隼人ー帰ろ…」
「八城君、ちょっといい…?」
伸びをしている僕へ声を掛けてきた海の言葉を委員長が遮った。
「うん。」
海は僕と委員長の顔を見比べると
「春華、帰ろー」と言いながら春華の方へと向かって行った。
「時間、大丈夫?」
委員長が少し緊張した面持ちで尋ねてきた。
「今日は別に大丈夫だよ。」
「じゃあ、先生に呼ばれてるから…ちょっとだけ待っててもらって大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。」
「私が八城君に用あるのに本当にごめんね…」
「大丈夫だから気にしなくて良いって。」
委員長は申し訳なさそうに謝りながら教室を出て行った。
僕は椅子に座り、机に突っ伏した。
「やっぱ疲れた…」
その瞬間、僕は急激に睡魔に襲われた。底無しの沼に沈んでいくように僕は夢の世界へと深く、深く沈んでいった。
「ッ!!」
急に目覚めた僕は顔をハッと上げた。僕の視界に真っ先に飛び込んできたのは委員長だった。
「あっ、や、八城君おはよ。」
「ごめん…寝ちゃってた…起こしてくれればいいのに…」
教室の中はいつの間にか綺麗な橙色に染められていた。
「八城君、なんか熟睡してたみたいだったから起こすの悪くなっちゃって…」
委員長がいたずらがバレた子供のようにテヘッと舌を少し出した。
「ふぅ…」
委員長は1つ息を吐き出すと、スッと立ち上がり、窓の方へと歩いて行った。
「八城君…」
「ん?」
委員長の影が夕日によって長く伸び、僕の影と重なっていた。
「この間はごめん…」
あの時の温もりが体の中に蘇る。
「べ、別に気にしてないから謝らなくても…大…丈夫。」
僕は徐々に体が火照っていくのが分かった。
「あのね…」
「うん…」
「…」
時計の針が少し動く。
「フフ…やっぱり今度にするっ」
「え?」
「帰りましょ?」
橙色に染まった教室
止まらぬ時計は戻らぬ日々を刻み
君の言葉の真意が分からなくて
2人の影はもう交わっていなかった
今回もお読みいただきありがとうございます
今回はどうでしたかねー?
隼人君は空河の気持ちに気付いているんでしょうか…
んーでも今までの隼人だと気付いてなさそう(´・ω・)
空河が可哀想だ…
一話とか読むと文章が安定していない事をひしひしと感じます
ある程度落ち着いたらもう一回修正いれよw
なかなか登場したのにいかせてあげてないキャラも徐々に登場させたいのですが…まぁ自分の力不足のせいですが…
常に実力不足を感じている駄目な作者に自分の恋一直線の駄目な主人公ですが、今後とも宜しくお願いします