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夏の薫り  作者: 剣一
21/26

第20話

こんにちは

第二十話を投稿します


どうぞ読んでいって下さい



ピンポーン

僕以外誰もいない家にチャイムが鳴り響いた。

「あっ薫さんだ。」

僕は階下へと急ぎ、ドアを開けた。

「お届け物です。すいません、サイン頂けますか?」

「あ、はい。」

そこにいたのは薫さんではなく、宅配便のおじさんだった。僕は差し出された紙にその場でサインを書いて、返そうとした。その時、僕の目に門扉の所にいる薫さんの姿が飛び込んできた。

目が合うと薫さんは綺麗な口元をゆっくりと動かした。

「 は や く 」

(隼人って言ってるようにも見えるよ……)

僕はぺこりと頭を下げながら、差し出された紙を宅配便のおじさんへと返し、荷物を受け取った。

「ありがとうございまーす」

そう言って笑顔で帰っていった。おじさんがトラックに乗り始めると薫さんはスーッと僕の前までやって来た。

「おはよう、隼人君。」

「薫さん、おはようございます。どうぞ。」

薫さんが家へと入れるように僕は体をどかした。

「お邪魔しま〜す。」


「じゃあご飯できたら呼ぶからそれまで勉強頑張ってね〜」

「分かりました。じゃあお願いします。」

「おねーさんに任せなさい。」

薫さんはそう言うと、胸をはった。僕は軽く笑い

「じゃあ、薫さんに任せます」と言って自分の部屋へと上がって行った。

階下では

「頑張ってね〜さぁて私も頑張りますかっ」と薫さんの言った言葉が誰もいない家で少し響いていた。


トントンッ

軽い音が僕の部屋に響いた。

「はい。」

「失礼しま〜す。」

薫さんはそう言うと、ひょいと頭だけを部屋に入れて中を確認してから僕の部屋へと入ってきた。

「場所とか分からない物がありました?」

僕が椅子から立ち上がろうとしたのを薫さんは僕の両肩に手をやって制した。

「いいの、いいの。それより隼人くん熱くない?大丈夫?勉強し過ぎじゃない?」

「だ、大丈夫ですよ…」

僕が振り向くと薫さんは僕のベッドに腰を下ろしていた。

「隼人君の部屋広いね〜」

「そ、そうですか?」

「そうよ〜うらやましいじゃないっ」

「か、薫さん……」

僕は椅子ごと薫さんの方へとゆっくりと向き直った。

「どうしたの?」


薫さんの笑顔が眩しい


たった一言


時計の音がうるさい


『好き』という言葉


頭が重い


やけに心臓の音が大きい


薫さんへの気持ち


なんか喉がカラカラだ


部屋がゆっくりと歪み始める。全てがゆっくりと見える。

僕の頭ではゆっくりと、本当にゆっくりと椅子から落ちていった。

「隼人君!!!!!!!!!!」

薫さんの叫んだ声がやけに近くで聞こえる。

薄れていく中、僕の目に映ったのは薫さんの青ざめた顔だった。

「薫さん…顔色悪いですよ…」

僕がつぶやいた声は声になっていなかった。


――薫さん、笑っていて下さいよ――


ここで僕の思考はゆっくりと閉じられた。



頭がガンガンする。

急に僕の額に冷たい何かが触れた。

「んっ……」

ゆっくり開いたまぶたに光が降り注いできた。

「あっ!隼人君、大丈夫?」

現状が未だに把握できないが、僕は横になっていて隣に薫さんがいる事だけは理解できた。

ゆっくり、本当にゆっくりと思考が僕の頭の中で開いていく。

そう…確か僕は…薫さんと一緒にいて…

それで…

それで…


倒れたんだ…


「か、薫さん。」

慌てて体を起こそうとしたが、僕の体はなかなか動こうとしてくれなかった。

動かそうとしていた事が分かったのか、薫さんはゆっくりと手で僕を制し

「まだ起こそうとしちゃダメよ。」と言ってきた。

「ここは?」

周りを見回し、やっとこの場が自分の家の部屋じゃない事を理解した。

「医大よ。慌ててたから救急車呼んじゃったの。」

「隼人!!」

急に誰かが僕の名前を叫んだ。だるい頭を動かそうとしていた時に僕の視界に母さんの顔が飛び込んできた。

「あっ…母さん…」

僕がそう呟やくとほぼ同時に中年の小太りの医者と島崎おばさんが入ってきた。

まだぼーっとした頭で何とか理解できたのは僕が倒れたのは疲れと風邪が重なったからだったって事だけだった。


それからそのまま病室で少し休んでから僕は薫さんと母さん、そしておばさんに連れられ、タクシーによって帰った。

タクシーの中で薫さんは母さんに平謝りしていた。

僕が

「薫さんは悪くないですよ。」と言うと、母さんも薫さんは全く悪くないという内容の事を言っていた。


家に帰ると、僕はまっすぐに部屋に連れて行かれ、ベッドに横になった。

海、春華に明日学校を休む内容のメールをゆっくりと送信した。

「ふぅ〜」

今日は薫さんがわざわざ来てくれたのに大変な事になってしまった。

ベッドで横になっていると、頭が楽になり、色々と考えていた。しかし、実際はいつの間にか深い眠りへと落ちていった。



この時、携帯にメールが届いていた事を知るのは明日の朝だった




早い物でもう二十話まで来てしまいました

正直、こんなにこの物語が続くとは思っていませんでした。しかし書いていくうちにどんどんどんどん新しいネタが浮かんでくるのですよ

本当に……

これやったら面白いだろうな

隼人にこうさせてみよう

薫にこう言わせてみよう

とかですね


多分、この物語はまだある程度は続くと思います

それまで隼人や薫を含めた登場人物、そして作者『剣一』を暖かい目で見てやって下さい

よろしくお願いします








何か、今回の後書きはちゃんとした人が書いたみたいになってるwwww


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