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夏の薫り  作者: 剣一
20/26

第19話

十九話の『珈琲の香りに満たされた部屋』を投稿します

隼人の心情が描かれる作品です


ぜひお読み下さい


ピ…


ピピッ…


ピピッ…ピピッ…


「うーん…」

重い体をベッドから起こす。まだ寝ていたいと体は訴えているが、その通りにする訳にはいかない。土曜日の今日、塾は休みになっている。だからといって勉強は休めない。

僕はゆっくりと1階に下りて行った。


顔を洗い、さっぱりしてキッチンに向かう。

僕はまずパンをトースターにセットし、コップにインスタントコーヒーを少し多めにいれる。

少し多めにいれて濃くする。

これがコーヒーが好きな僕の小さなこだわりだ。

「新しいの買わなきゃ…」

今の一杯で丁度インスタントコーヒーのビンは空っぽになった。


バターをフライパンにほんのちょびっとだけいれ、火を点けた。

ベーコンを1枚取り出し、フライパンで焼き始める。

ベーコンはベーコン自体から油が出るから油をそんなにひかなくていいのだ。むしろ油はいらないくらいだ。

ベーコンはカリカリしてない方が好きな僕は軽く焼いて、焼きあがったパンにのせる。

次に僕はレタスを水で丁寧に洗い、水を良くきってから手で数枚千切ってパンの上にのせた。そして僕はコーヒーのためにやかんを火にかけた。

その間に朝御飯のサンドイッチをテーブルに置く。

「よしっ…」

僕はキッチンに戻り、壁に寄りかかりながら沸騰するのを待った。

僕は目をゆっくりと閉じた。僕のまぶたの裏に浮かんでくるのは薫さんだった。

僕はふと思う。


薫さんは僕を認めてくれるのか…

薫さんは僕を見てくれるのか…

薫さんは僕を好きになってくれるのか…


僕はその時自分自身の気持ちが余りに一方通行だという事に気づいた。

「僕は…僕は…」

不安に押しつぶされそうになった僕の思考は沸騰しだしたやかんによって中断された。

ゆっくりとコップに注ぎながら僕は考えた。

最初から一方通行の恋だったじゃないか…

今更諦めてどうするんだ…

今は『僕は薫さんの事が好き』という事でいい。

僕が薫さんが好きという事に自信を持っていないと、薫さんが僕を見てくれるはすがない。


「うん、それでいいや。」

僕は半ば無理矢理自分自身を納得させた。

先程注いだコップからは湯気と共に香りが漂っていた。

コーヒーの香りが少しずつ僕を満たしていく。

本当はコーヒーミルなどの本格的な機械がほしい。あればきっともっと良い香りが漂ってくるのだろう。

そんな事を考えながら僕はテーブルに戻り、食べ始めた。


「ご馳走様でした。さて…やる事やるか…」

僕は食器を洗ってから、たまってきた洗濯物を洗いに洗濯機へ向かった。


そしてこの後は勉強といつもだったら特に代わり映えのない休日が始まる。

けれど今日は違う。

いつもと同じような休日ではない。なるはずがない。

なぜなら今日は僕の片思いの人が来てくれるからだ。

僕の大切な人

近くにいるけれど届かない人


コーヒーの香りに満たされた部屋


僕はそっと窓を開けた。

春の薫りを含んだ風が僕の頬を撫でていった。

僕の…

僕の…大切な1日が始まった。



今回も呼んで頂きありがとうございます

今更出てきた隼人の珈琲好き

もちろん作者の自分から継承させましたw

自分もコーヒーミルなどの機械がまじでほしいんですよw

ちなみに自分はブラック派ですよw

あの香り、苦味最高ですね〜


まぁ話が逸れましたが、今回は隼人が自分自身の薫への気持ちが一方的な物に今更ながらも気付きます

片思いも恋愛だと思いますが、その部分を何も意識していなかった隼人はふと相手からの気持ちに対して考えます

皆さんもそのような気持ちになった事はありませんか?

今までの話で描かれている薫から隼人への気持ちは恋慕の情から外れています

その気持ちも今回はやかんによってw遮られますが、多分これからしつこくまとわりついてくる感情になるでしょう


今回の後書きは長くなってしまいまして、すいませんでした

次回はいよいよ薫が家にきます

投稿予定は来月なので決して怒らず、殺気なども送らず、自分を応援してくれるとうれしいです


次話も楽しみにしていて下さい



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