第9話
この九話を投下するにあたり、今までのサブタイトルを多少変更しました。
何か意見があったら(前の方が良かったなど)教えて下さい。
あれから僕は日々地道に勉強を重ね、成績も徐々に上がっていた。
そして、冬休みを迎えようとしていた。
赤い洋服を着た、プレゼントを配るとされている架空のお爺さんが働きだすまで、あと約1週間と迫ったある日、久しぶりに早く帰ってきた、母親と晩御飯を共にしていた。
「隼人、あんたまた料理の腕上げたわね。お嫁にでもいくつもり?」
今日の晩御飯はシチューだった。少し多く作ったので、薫さんたちの家にもさっき少し分けてあげに行っていた。
「嫁にいくつもりはないよ。まぁ母さんよりはもう上手い自信はあるけどね。」
「あら言うよになったわね。」
母親とたが本当に久しぶりの家族での食卓。薫さんやおばさんと食べる事が最近もよくあるが、それでも何かが違う。
そんな事を考えていると、母さんがこんな事を聞いてきた。
「隼人、12月末は用事あるの?」
カレンダーを見て、確認し答える。
「ん〜冬期講習がいちよあるよ。」
「そっか〜なら行けないね。じゃお留守番よろしくね。私とパパと知子さんでちょっと温泉旅行に行ってくるから〜」
…
……
………そんな事聞いてない
「か、母さん…き、聞いてないんだけど…」
「あぁ〜ごめんっ言うのを忘れてたからね。まぁお金は多めに置いておくし、私たちも久々に羽伸ばしたいし、知子さんにも色々お世話になってるしね。」
「まぁ、いいや…別に慣れてるし。」
「じゃあよろしくねっ。」
「はいはい。」
そんな事を話ながら久しぶりの家族との食事は過ぎていった。
「御馳走様でした。」
そう言いながら僕はスプーンを置く。
ゆっくり立ち上がり、食べ終わった食器を台所に持って行こうとすると
「いいわ、隼人置いといて。私もたまには母親らしい事をしなくちゃね。」と母さんが言ってきた。
「分かった。ありがとう。」
僕は部屋に行き、勉強に取りかかり始める。ある程度問題を解き、ふとカレンダーを確認する。そこは[塾]の1文字でかなり埋まっていた。前、これを見た海や春華が心配していた。
―――――
「お前こんなにいれて大丈夫か?」
海が真顔で聞いてたな。
「あぁ。」
僕この時は少し笑っていたかな。
「隼人、あんまり無理しちゃ体に悪いからね。」
春華も心配してくれてたな。
「あぁ。やばくなったら2人のとこに行くさ。」
「来い来い。」
「仕方ないわねっ。」
「ありがとう。」
2人はその後はいつもと変わらずに接してくれた。
―――――
「ふぅ…」
溜め息なのか分からないものが僕の口から漏れた。
その息は僕には白く見えた。本当だったら白いはずはない、暖房の入っている部屋の中だからだ。その息がなぜ白く見えたのかは分からない。
寒くなっていく日々。
少しずつ減っていく残りの高校生活。そして、僕はあの冬休みを迎える。
今回もありがとうございました。
前から書く書く言っていたサイドストーリーをそろそろちゃんと書こうかと思います……
きっと…いや絶対次回はサイドストーリーをやりますw