11
入浴シーンにつき、一応ご注意を。(性的な物はありません)
「…………」
「もう少し我慢してね」
眠い目をこすりながら、夢と現実の間にいるヒイラギには申し訳ないけれど、もう少し辛抱して貰わないと。お風呂が沸くの、少しだけだけど時間がかかるからシャワーだけで良いかな……。お風呂が沸くのを待っていたら、ヒイラギ熟睡してしまうし。うん、そうしよう。
靴を脱いですぐにバッグとヒイラギ抱えてお風呂場へ直行し、まずはバスタオルを最低でも二枚確保。ヒイラギの身体を拭く分と私がお風呂に入る時に身体を巻く分だ。その次にお風呂のスイッチを入れてシャワーがお湯になるようにしておく。一応お風呂も沸かしておこう。
そしていよいよ……。
「はい、ヒイラギ。両手を挙げてバンザイしてー?」
「…………?」
何でバンザイをしないといけないの? そう言いたげな顔をしていたけれど、素直にそれに従ってくれたヒイラギは何度も思うけれど可愛い。そのまま一気にためらうことなく、ヒイラギのシャツを引き剥がした。あらかじめ前のボタンを外していたからすっぽり脱げた。
わざわざバンザイさせる必要も思えばなかったのかもしれないけれど、やってみたかったのだから仕方ない。上を脱がせられる事が出来たのは良い。問題はここからだ。……小さな子だからとはいえ、下を脱がすのにかなり抵抗があるんだけど。自分の子供もしくは小さな弟だと思ってやれば大丈夫かな? 普段のヒイラギを想像しちゃうからいけないんだし。でもそう自己暗示してもやはり恥ずかしさは僅かにある。
「自分で脱いでくれる……訳ないか、ってあれ?」
私が悩んでいる間にヒイラギは何時の間にかお風呂場に入って行っていた。開けっぱなしだったから自分では入れたようだ。よく見ればそこには脱いだズボンとパンツ、それから靴下が。私が悩んでいたのがバカみたいじゃないか。やっぱり脱がせて貰うのは恥ずかしかったのかな、ヒイラギも。って、そんな事を考えている場合じゃない! 私も急がないと。
「……これでよし、と」
バスタオルをしっかりとほどけないように巻いたところで、ヒイラギの待つお風呂場へいざ入ってみれば。
「そんなに眠かったの?」
うつ伏せになって倒れているヒイラギがあった。一瞬死んでいるかと思って焦ったけれど、寝息がすぐに聞こえてきた。このままにさせる事は絶対に出来ない。だって裸のままだし。
「ほら、起きて! すぐ綺麗にしてあげるから」
「…………」
少し不機嫌そうなヒイラギには構わず、さっさと温めのシャワーを出してまずは身体に少しだけ当ててあげた。それに少しビックリしたらしいけれど、どうやら熱すぎると言う訳ではなさそうだ。