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水かけババア

暑い夏の日…

僕らが遊んでいた公園の近くに家に

昼すぎ外に水をまく、お年寄りがいた


僕達のグループでは

「水かけババア」と言う

蔑称で呼んでいた…

 

夏休みのある日

いつものグループの皆は

予定を立て家族で旅行に出ていた


僕は家が少し貧乏だったので

旅行とは縁遠い人生だった


午前中、いつもの公園で虫取りをしていると

もう一人虫取りをしている奴がいた

そいつは同じ学年だが話したことない奴だった


ちょうどソイツが虫を取っていて

覗き込むと大きいなクワガタで

嬉しそうにしていた


思わず僕は話しかけた

それがキッカケで僕らは仲良くなったと思う


どうやら、あの「水かけババア」の孫で

「いつき」君と言う名前

両親が共働きで預けられているらしい


「水かけババア」は優しく

僕が家に遊びに来ても嫌な顔しないで

体調の事を気にしていた


昼過ぎに水を巻くのは

打ち水といい気化熱を利用して

夏の暑さを和らげるらしい




夏休み後半…

遊んでいたグループの奴らが帰ってきた

「いつき」を皆に紹介した

あの「水かけバアさん」の孫だと知ると皆驚いていた

「いつき」は皆と馴染んで遊んでいた


次の日、

遅れてグループのガキ大将が

帰ってきたらしく遊びに来るらしい

正直、ガキ大将はワガママで嫌いだった


昼過ぎに遊びに来たガキ大将は

すでに怒っていた


どうやら来る途中「水かけババア」に

水をかけられたと言う、服は濡れていた


ガキ大将の腰巾着達が、

「いつき」の事を話した

ガキ大将は不敵な笑みを浮かべ

「いつき」にイジワルを始めたのだ

僕はそれを止めたが、

2人で抵抗されたのが気に入らないらしく

一緒にボコボコにされた


その後、川に連れて行かされ

濡らされた腹いせに川に落とされた

僕は川の岸に上がり、横たわる

「いつき」は泳げなく溺れていた…



たまたま通りかかった大人が

「いつき」を助けた

ガキ大将は大人に怒られていたが

遊んでいただけだと、ほざく


次の日

ガキ大将に呼び出され

仕方なく奴らと公園へ向かう




その途中のことだった




公園の近くに


「水かけババア」が


動かず立っていた


なんとも気味の悪い光景だった


ガキ大将が昨日の文句を言いに近づく


するとババアは持っていた

水撒きの道具でガキ大将に

水をビシャっと勢いよくかける…



「うゎー!」とガキ大将が叫ぶと



振り返りコチラへ近づく



「助けてくれぇ」

と僕の肩をつかむ



「痛い!痛い!」



ガキ大将の目は赤くなって

大量の涙を浮かべていた


ガキ大将と話していると



周りから



「うゎ!」「目がぁ!」


と他の奴らも目に水…

いや、ニオイから洗剤のような物だと思う

それをかけられていた



他の奴は逃げて行ったが

僕はガキ大将に捕まり逃げるのが遅れていた



「水かけババア」がこっちへやって来る




あの、優しかった顔が鬼の形相で




「水かけババア」が僕に水をかけようとした時、

バアさんの後から


やめてよ!



「いつき」の声が聞こえる…



バアさんは止まり、家に帰っていった




夕方頃、バアさんは捕まった

その日から公園は

人の気配も無くなり

暑さが一段と増していた…




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