第三話
あるマンションの一室で俺は一人暮らしをしていた。
まぁ、防音も整っていてワンルームではなく3LDKという贅沢だが…。
それは一重に親が基本出張でいないとか、金持ちとか創作においてありきたりなものではなく、たまたま安かったから入居したのである。
いわゆる事故物件らしいが特に興味も関係もない。
これまでラップ音は聞いたことあれど、危害は
パンッ!
パンッ!パンッ!
今日は一段と激しい。
まぁ、その理由はおそらく…
『あのーいい加減反応してください!露骨に目を逸らしてるわかってるんですからね!』
この俺の目の前にいる女幽霊のせいだろう。
この部屋は去年までは少し変わった女が住み着いていたらしく、突如として倒れて意識不明、未だ植物状態であり、その女の家族がこの家での契約を解除して、今は立派な事故物件という奴らしい。
だから勝手に他の女が来ればここに元々住んでいたものが怒るのは当然であろう見たことないから知らないが。
「それで君は?」
仕方ないので目の前の幽霊の女に話しかける。
見た目は…まぁ、同い年くらいで銀髪の美少女と言ったところだろう。
『ようやく反応してくれた!私はあなたの持ち帰ったゲーム機に取り憑いている南 詩音!』
「やっぱり呪いのゲーム機か捨てておこう」
『あ、やめて!捨てても戻ってくるけどそれでも捨てられるのは嫌なものなんだよ!』
「なるほど、それで何で着いてきたんだ?」
『えっと、だからゲーム機に取り憑いてるって』
「あ、そっか」
あまりの事態に動揺してしまったな。
しかし、こんなことになるとは夢にも思わなかったな。
まさか、幽霊がついてくるとは…
だからマスターに預けたかったのに…。
仕方ない。
こうなればヤケだろう。
幽霊といえば定番は…
「未練は?」
俺の問いに少女は少し考えたのちに答える。
『このゲーム機内に刺さってるソフトのクリアよ』
「…えぇ?」
俺は困惑するのだった。
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