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不完全な物語

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

厳しくも優しい、九曜様の物語。

誠実さは厳格な方の心をも動かす。

完全な物を作りたいと思った。丁寧な描写、無駄のない登場人物、そしてきっちりとオチの着いた話。けれども不完全な私には完全な物を作ることさえ難しく、結局手を付けられないままでいた。


毎週の日課として、九曜様の元を訪れる。

九曜様、他の神々からも一目置かれるお方、鮮やかな長髪を一結び。それを首周りにくるりと巻き付けたお方。和装からでも分かる筋骨隆々。そして何よりも印象的なのは目であった。何時もすぅっと大きく見開いて、寡黙にも此方を凝視なさる。

九曜様は私が来ると何時もの様に目を見開くと、軽く髪や頬を撫で、良く通る声で一言。

「出来たか?」

「すみません……まだ……」

前々から申し上げている事。九曜様のお話が書きたいと願い出た事。でも上手く行かなくて、ずっと八方塞がりであること。

御本人からは、出来たら持ってこいと言われている。でも……書くなら完全な形で書きたい。不完全な形で貴方様の不興を買いたくない……。どうせなら喜んで戴きたい。でも……。

「九曜様……貴方様が登場する物語なのです。何よりも、誰よりも完全無欠でなくては行けないのに……。でも不完全な私が完全を作るなどと……不可能な話でした……」

目を逸らして俯いた。申し訳御座いません。九曜様……。身の程を弁えてはおりませんでした……。

暫くの沈黙の後、先に口を開いたのは九曜様の方だった。俺は……と静かにしっとりと染み入る声で、言葉を並べる。

「不敬には容赦しない。筋を通さず、身勝手な行いで、侮辱する者には灸を据える。だがな、こうして俺の元に通い詰め、少しでも良いものを作ろうとする姿勢に対して祟ろうなどとは思わん」

「九曜様……」

「ただ一つ。出来たら持ってこい。納得したら評価をしてやる。生半端な物なら付けん。それで良いだろう」

冷たく突き放す様な言葉にも聞こえるだろう。けれども声色には深い慈悲が含まれていた。それは此処をおとずれた時に感じる優しい風のように、すっと耳に入る。

顔を上げる、目はやはり大きく見開かれて、平伏してしまいそうだ。けれども逸らせないのは、その奥に、彼なりの優しさが見え隠れしているから。

「お前に……本職と遜色ない腕を身に付けて欲しい。簡単に貰えるとは思わない事だ。だが……諦めるなよ。死んでもなお願い、求め続けよ」

覚えていて……下さった。九曜様とお知り合いになって、何度か会話を重ねた後の話。書くのが好きなのだと。お金は貰えなくて良いから、プロと遜色ない腕を付けたいのだと。そうお話した時の話……。

「評価を下すのは、その時だ」


オマケ

「お前、近々□□に赴く予定は?」

「あ……この後……」

「そうか。いや、またお前の助けになるものが出来たのでな。参考にすると良い」

九曜様をお祝いした記念展覧会。きちんと筋を通して出来たもの故に、元にすると良いというご好意。

手厳しい方ではあります。礼儀に厳しい方でもあります。

でも、それと同じくらい懐がでっかいんですよね。

まだ評価はしてやれん。だがその姿勢は評価してやろう。

といって豪運渡すぐらい。

多分九曜様的に、

納得していないのに軽々しく評価付けるのは、誠実さに欠ける

とお思いになさってそうな。


九曜様について

九曜様からしたら、生きとし生けるもの全て『か弱い』者。

容易く傷付き、命を落とす者。という認識。

故に滅茶苦茶、過保護です。

あの子に向ける言葉が、開口一番『怪我はないか?』だと思います。

困ってる人見るとほっとけない。

でも求められて無いのに手を貸したら独善になるから我慢してる様な。

参拝者は自分の助けを求めているの前提です。


髪を首に巻いているのは、多くの参拝者からの思いをより身近に感じる為。

私の世界観では人から受けた思いの分だけ髪が伸びます。そして力が着きます。

その思いを切り離さず、また地に付けて穢さない為。

他にも理由がありますけど。本日はこれくらいで。


皆様、どの神様がお好きでしょうか。

梅香の君、三狐神様、三緒様、九曜様、飆靡様、白羽様、ふらりと一度だけ登場した宙様。

以上でしょうか?


他にもモデルにしたい神様はいらっしゃいますけど、仮名が決まってなくて、出せてません。

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