五話
更新が遅れてすみません。
最近忙しいので土曜・日曜(もしかしたら水曜も)でしか更新できないと思います。
会議室の中が白く染まった。教師たちの間が騒がしくなり、落ち着きがなくなった。
「い、一体何が・・・!?」
「これは・・・すごいな。」
「エ、エルシャス君。一体何が起こってるんだね・・・?」
「さぁ?私にも詳しいことは。ただ・・・」
私はポプリン君のことを見た。
「彼女が今、大量の聖属性の魔力を外に出してることは確かですよ。」
そのとき、光が落ち着き彼女の足元から白い道ができた。
ポプリン君が目を開いた。辺りを見まわし、状況を把握したようだ。
「こ、これは・・・?」
「君の魔法だよ。」
「じゃ、じゃあ、この先にスカーレット様が・・・?」
私は少し、微笑んだ。
「そうかもしれないね。」
「行かなきゃ!!」
彼女は走り出した。
私は急いで彼女の後を追った。
道は、学園裏の倉庫まで続いていた。
扉を開け、中に入ったが真っ暗で何も見えなかったため魔法で灯りを出した。
「スカーレット!どこにいるの!?」
「・・・ぅ・・・」
倉庫の奥から声がした。
私たちは急いで奥へ入って行った。
そこにはボロボロになったスカーレット君が両手を縛られた状態で気絶していた。
「「っ!」」
「スカーレット!!」
「誰か、誰か女の教師はいないか!?」
「ここにおりますわ!」
「彼女を頼む。私はすぐに騎士団へ向かい、報告をしてくる。」
緊急時とはいえ、ご令嬢の手当てを私がするわけにはいかないだろう。私は急いで騎士団へ向かった。
〜スカーレット・デュ・カルタートの目線〜
テストを終えた私は図書室へ向かった。
図書室に入ると、ふわっと甘い香りがして私の意識は途絶えた。
目が覚めるとあたりは真っ暗で、灯りをつけようとしたら背後から声がした。
男なのか女なのかさえわからない声が。
「ダメだよ。無理に魔法を使っちゃぁ。」
「無理って・・・何を言って・・・。」
体から急に力が抜けた。
何が起こってる・・・?
そんな私の心を見抜いたかのように声は話し始めた。
「ちょーーっと君に魔道具をつけさせてもらったんだよ。君の魔力をすこーーーしずつ吸い取る魔道具を、ね。だから無理に魔力を消費しない方がいい。わかった?」
「何をするつもりですか・・・!?」
「君も、この学園も、ぜーーんぶ壊してあげるよ。」
声の主はニタァっと笑った。
「なぜそんなことを・・・!?」
「君のせいだよ。」
「なっ!!」
そいつの声は、不思議と頭の中で響いた。
「君みたいなやつがこの学園にいるなんてありえない。許しちゃいけない。君を入学させたこの学園も同罪だ。だからね、わかる?君のせいで、この学園は壊されるんだよ。他の生徒に被害が出たのも、これからの子供達が学ぶ機会を失ったのも、全部全部、ぜーーーんぶ、君のせい。」
「そ・・・んな。」
「あは、あはははは。そうだ、君みたいなやつには罰を与えないとだよね。そうだな・・・」
そいつは考え込むように上を向いた。
「あ、こういうのはどうかな?これからこの学園を壊すわけだけど、それを君が止めることは絶対にできない。うん、それがいい。我ながらいいアイデアだ。」
そいつはこっちを向いてにっこりと笑った。心の底から楽しげに。
「じゃあ。見えているのに止められない辛さをたっぷりと味わって、たくさん苦しんでね?」
その瞬間、私の体と意識は切り離された。
体を動かすことはできず、『意識』の私は見ていることしかできなかった。
誰か・・・あいつを・・・止めて!!
私のそんな声ならざる声は、誰の耳にも届くことはなかった。
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