最終章 終焉 第97話 人類計画⑨
「ヨグ=ソトースよ 、まさかお前もか」
応えは無い。
アザトース配下の内、多くの者たちがその意に反してガイアの支配下に置かれてしまった。
その誰にもナイアルラトホテップの意思は通じない。
シュブ=ニグラス、ハスター、ツァールやロイガー、イタカ、ガタノトーア、アブホース、ウボ=サスラといった旧支配者などと呼ばれている者たちがガイアの支配下に入った。
クトゥルー、ツァトゥグアはまだその支配を免れているようだが、いつ支配下に置かれるようになってもおかしくはない。
ナイアルラトホテップは、ほぼ孤立無援となったしまった。
このままでは先の大戦の際には決して起こらなかった強大なエネルギーを持つ者たちの消滅が始まってしまう。
ナイアルラトホテップは逃げ回るしかなかった。
アザトースと同等の力を持つとされているナイアルラトホテップではあったが、自らと遜色ない力を持つ者たちが一斉に襲ってきては為す術がないのだ。
ガイアはクトゥグアたちの意識を乗っ取っている。
ただの統合AIにそんなことが出来得るのだろうか。
ナイアルラトホテップはそんな疑問を持ちつつ、辛うじて追跡を躱し続けている。
「クトゥルーやツァトゥグアが支配されていない理由はなんだ?」
逃げ回りながらも思考を巡らせていたナイアルラトホテップは、そこで思考が止まる。
その理由が何か判ればガイアの支配から逃れ得るのだろうか。
クトゥルーは精神支配が得意だったはずだ。
とすれば同じ精神支配を撥ねつけられる可能性はあるのか。
だがツァトゥグアはどうだ?
ナイアルラトホテップはツァトゥグアの能力についてはほとんど何も知らなかった。
ただ先の大戦でも指示にただ従うだけで自らの主張は一切しなかったことは覚えている。
何かを考えたり自ら何かをすることが億劫で仕方ない、という感じだったはずだ。
そんなツァトゥグアがガイアの支配を逃れられているとすれば、ただガイアが支配するには足りないと考えただけなのかね知れない。
対ガイアへの切り札になるかもしれない、そんなことをナイアルラトホテップは考え始めていた。




