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邪神大戦  作者: 綾野祐介
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第3章 邪神大戦 第88話 神々の計画⑩

「それでその人間とやらはいつ生まれるのだ」


「まあ数億年というところだな」


「年とはなんの単位なのだ」


「年とは人間が生まれる予定の惑星が恒星の周りを公転する1回の時間だな」


「なるほど。我はそれをずっと見守っておかなければならないのか」


「いや、放置しておけばいい。人間が生まれてからは多分1億年もかからずにある程度の文明を産み出すようになるはずだからな」


「生まれてからは割と早くに成長するものなのだな」


「そうだ。だがお前たちや我々の様に生まれた時から知性を備えている存在ではないから、少しは時間が掛かるのだ。まあ数万年というところか」


 それほど全てが計画されているのであればナイアルラトホテップではなくノーデンスが人間を成長させる役目を果たせばいいのではないか、とナイアルラトホテップは思うが多分そう言っても何かの理由付けを聞かされるだけだと思って口を噤んだ。


「その数万年を待って少しづつ恐怖を与える様にするのだな」


「そうだ」


「それで最終的にはどうするのだ」


「人間は滅びる。自分たちが暮らす惑星や恒星系と共に滅びるのだ」


「結局滅びる者たちを成長させてどうするのだ。何の意味があると?」


「その成長過程が必要なのだ。そして滅びるまでにどこまで成長できるかを試している」


「そんなことをして意味があるのか?」


「次の時にその結果を考慮してまた調整するのだ」


 滅びた後、また産み出すことを繰り返している。それを宇宙そのものを発生させて収束させる単位で繰り返しているのだ。


「それをずっと繰り返しているのか」


「そうだな」


「なぜそんなことをしている?」


「それは」


 その答えはノーデンスも持ち合わせて居ない。



「我が主ですらその答えは知らないというのか」


「そうだろうな。我らは群体なので知識や記憶は全て共有しているが誰も知らない。確かに唯一それを知って居る可能性があるのはアザトースただ一人だが、多分知らないだろう。既に知性を剥奪されているので知っていても教えてはくれないだろうがな」


 何もかも予定されていることを予定通りに熟して行く、ただその為だけに生まれ戦い封印された。やはり自らの存在意義について疑問しかないナイアルラトホテップだった。

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