第3章 邪神大戦 第81話 神々の計画③
人型に姿を現したノーデンスは見た目は老人のようだ。サイズはクトゥルーたちと同じくらいだ。
「さて、少しは聞く気になってくれたのかな」
皆がざわつく。誰も聞く気になどなってはいない。ただナイアルラトホテップに言われ、ナイアルラトホテップとヨグ=ソトースにアザトースの意志だと伝えられると逆らえないだけだ。
「まあいい、では順を追って話すとしよう」
ノーデンスの言葉は音声と思念が同時に同じことを伝える。少しのズレもない。それが逆にそこに居る者たちの心を逆なでするかのようなザラついたものになってしまっていた。
「そもそもこの世界の成り立ちを理解しているか?」
誰一人その問いに応える者は無い。判っていたとしても返事をする気がないのだ。
「この世界はある一つの目的で作られた。それを理解している者はこの中には居ないであろうな」
応える者が居ない前提でノーデンスは話を続ける。
「そのたった一つの目的のためだけに、この世界は作られた。その一つの目的と言うのは、人間という種類の者たちを如何に育てるか、その実験をするため、ということだ」
ノーデンスの言う事を誰一人理解していない。
「確かクトゥルーと言ったか、お前が侵攻していた惑星があっただろう」
突然名を呼ばれたクトゥルーが少し驚いたが、その驚きを表そうとはしない。
「その惑星にそろそろ今のお前や私のような人型の生物を誕生させる。そしてその人型の人間を成長させるのだ」
そのノーデンスの話が、今の戦闘状況にどう繋がっていくのか、誰一人想像も出来なかった。結局ノーデンスは何を言いたいのだ。
「その成長に中にお前たちの存在も利用させてもらう。お前たちは彼らに恐怖を与える術となるのだ」
「恐怖はそれを感じるのと感じないのでは天と地ほどの差が生じる。恐怖が無ければ何一つ成長はしない。成長には恐怖と必要が不可欠なのだ」
「そして、お前たちはある種その人間たちの贄となるのだ」
ザワつきが更に大きくなる。
「どういう意味だ。なぜ我らが贄になどならなければならない」
堪らずクトゥルーが声をあげた。
「贄といえば贄だ。ただお前たちは恐怖を与えることが使命であり、それがお前たちがこの世界に生まれた意味でもある」
アザトースたちの存在意義。それは人間と呼ばれる者たちに恐怖を与えるためだけだったのだ。
強さに対する恐怖、異形の者に対する恐怖、醜いものに対する恐怖、精神的な恐怖、有りとあらゆる恐怖の源こそアザトースたちの役割だった。




