第3章 邪神大戦 第80話 神々の計画②
「全てを聞いた後でどうしても納得がいかなければ我が王の御前に罷り出で、我が王にその真意を疑っていると申し出ればよかろう」
クトゥルーもそうナイアルラトホテップに言われてしまえば反論できない。とりあえずは話を聞く気にはなったクトゥルーだった。
「判った。だが御前に罷り出なくとも、そのノーデンスなどという敵を屠ることに異論はないであろうな」
「群体である一部をいくら屠ったとしても意味はない。今までの戦いで身に染みて判っている事であろう」
「そのノーデンスというものは特別ではないのか」
「やつらに特別などという概念はない。ノーデンスという名もただの記号でしかない」
「判らんな。よかろう、戯言であろうと何であろうと一応聞いてやろう」
ナイアルラトホテップに対する反対派の急先鋒であるクトゥルーがそう言い放つ間、他の配下のものたちは一言も話さなかった。
「ではそろそろ始めようか」
ナイアルラトホテップがそう言うと皆の前に白い影が現れた。そこに居た全員が緊張する。
(ようやく我の言葉を聞く気になったか)
白い影からの思念が皆に一様に届く。
「思念ではなく実体を現して言葉を話せ」
ナイアルラトホテップがそう言うと白い影が人型に収束する。
「なんだ我の声が聞きたかったのか」
「そんな訳が無かろう。ただ思念では皆に同じ言葉が届いていないかも知れないのでな」
「疑り深いものだ」
「慎重だと言ってくれるか。さっさと始めるのだノーデンスよ」
「よいだろう。では始めるとしようか」
そこに居る者たちはナイアルラトホテップとヨグ=ソトース以外全てがノーデンスからの威圧を受けきれないでいた。




