第3章 邪神大戦 第71話 神々の黄昏③
(単純な話だ。お前たちや我らが消滅してしまうと何が起こるかは理解しておるだろう)
「確かに。我らのような巨大な質量・エネルギーが消滅してしまうと宇宙のバランスは崩れて一瞬にして崩壊へと向かう可能性がある、というのであろう」
(まあ、そんなところだな。よって全く消滅させる訳には行かないことは理解できるな)
馬鹿にしている風ではないが癇に障る言い方だ。
「当り前だ。だからそこ、ここで知識を探しているのだ」
最早隠しても仕方ないことだ。こちらの目論見は完全に把握されている。
(そして、その解決方法を見つけた、ということでよいかな?)
ノーデンスはこちらが得た情報を既に持っているということだろう。しかし、そうだとすると何故早々にこちらを封印し始めないのだろうか。
そして、問題は逆にノーデンスたちを封印する方法があるのかどうか、それは何処で手に入れられるのか、どの書物に書かれているのかだ。
「よいかな、と言われてもな。だったらどうだと言うのだ」
(いや、どういうことでもない。多分今お前が得た知識はお前たち自身の封印方法だろう。我ら封印できる知識ではない)
完全に読まれている。
「お前たちを封印できる方法もあるのだな」
ノーデンスの言い方からすると自らを封印できる方法があると宣言しているかのようだ。
(そうだ、それはある。ただお前にその知識を渡す訳には行かない)
まあ、それは当たり前の話だ。一方的にこちらを封印する方法が判明したのであれば、こちらの一方的な負けが確定してしまう。それに宇宙にとっても危機ではなくなる。
それだけを考えると相手方に封印されることが正しい選択肢ではないかとすら思えてくる。
ただナイアルラトホテップの使命は主であるアザトースが万物の王であると宇宙中に知らしめ、その全てをアザトースの配下とすることだ。それがナイアルラトホテップの存在意義なのだ。
唯々諾々と相手方に封印される訳にも行かない。どうすれば一矢報いることができるのか。
「ではお前たちは既に自らを封印する術の知識を持っているというのだな」
これはカマをかけてみただけだ。実のところは判らない。ただこちらの情報もどれだけ相手が掴んでいるのかは不明だ。
こちらが今手にしている書物によって得た自らを封印する術を完全にノーデンスたちが把握しているとは限らない。但し封印する術があること自体は知識として持っていることは間違いなかった。




