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邪神大戦  作者: 綾野祐介
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第3章 邪神大戦 第67話 神々の戦い⑨

「そのノーデンスという者を引き摺りだせれば相手の全てを崩壊させることが出来る、ということか」


「その可能性はあると思います。ただ、我が試みたところでは全く歯が立ちませんでした。相手の群体であるところの全てを侵食するつもりで行かないとノーデンスの位置も掴めないと思われます」


 クトゥルー以上に精神支配を得意とする個体は居ない。また、クトゥルーと同等のものを何体も産む、ということも不可能だ。


「ノーデンスを引き摺りだせさえすれば、クトゥグアやハスターで対応できるのではないか」


「それはどうでしょう。我が父のお力でなら、若しくはアザトース様であれば別だと思いますが」


「我が主の手を煩わせる訳には行かない。我とお前とでなんとかノーデンスを引き摺りだし、やはりクトゥグアたちの力で相手を殲滅するしかあるまい。我には有効な攻撃手段が無いのでな」


「いえ、我が父のお力であれば可能かと」


「確かに我の力は我が主に次いで強大であるには違いない。ただ、相手が実体を持っているとは言え群体の一部であり精神的に繋がっているとなれば我の力よりも瞬時に相手を焼却できるクトゥグアや粉砕できるハスターの方が適している。他の群体の一部に逃げ込む隙を与えないようにしなければならない」


 クトゥルーはアザトースを別として父であるヨグ=ソトースの力を絶対だと認識している。それが少しとはいえ他に引けを取るようなことを言われると残念でたまらない。確かに物理的な攻撃力であればクトゥルーよりもクトゥグアたちの方が遥かに勝っているのだ。


 クトゥルーはナイアルラトホテップの力は全く評価していなかった。ただの真似ごとでしかないからだ。自らが本来持ち合わせて居る能力ではない。また母であるシュブ=ニグラスの力も評価はしていない。産み出す力よりも破壊する力を上位に置いているからだ。


「それにしてもナイアルラトホテップはどうしておるのか。図書館の知恵を探しに行ったきり全く戻る気配もない」


「ただ怖気ついて逃げたのではありませんか?」


「ナイアルラトホテップはそのような者ではない。力で言えば我と同等と言っても過言ではない」


「我が父よ、それは在り得ません。アザトース様から全てを任せているのは我が父であるヨグ=ソトース、あなたではありませんか。ナイアルラトホテップなどただの使い魔でしかありません」


 クトゥルーはナイアルラトホテップを下に見ている、若しくは下に見たいと思っているのがありありと判る。


 ヨグ=ソトースはそのことを少し苦々しく思っていた。個々の主張が強すぎることは十分理解しているので、仲良くやってくれ、とは言わないが諍いを起こさないで欲しいとは思っていた。


 個々にバラバラで戦っていては勝てるものも勝てなくなってしまう。ただヨグ=ソトースは戦うことの意味を考え始めている。


 そもそも何故戦いは始まったのか。共存は不可能だったのか。


 アザトースを万物の王として宇宙中に知らしめることをヨグ=ソトースはナイアルラトホテップと協力して実行していた。それを邪魔するように全ての宇宙、全ての次元に相手が侵食してきたのだ。


 邪魔するように、というのは少し誤った認識であったのかも知れない。相手が広げていったのは万物の王アザトースの存在は否定せず、ただ他の価値観もあるのではないかというふんわりとしたものだった。


 それを敵対しているとして戦いを始めたのは、どちらかと言えばこちら側の都合であったのかも知れない。相手から積極的に戦う意思を示された結果ではなかった。


 ただ戦場の選択や戦い方の限定は両者で特に事前に打ち合わせをしたわけでもなく今の形態に落ち着いている。それが互いの不利や優位に繋がらない、というのが共通認識だ。



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