第3章 邪神大戦 第60話 神々の戦い②
序盤の戦いは膠着状態に陥っている。
アザトース配下の者たちは、その数を減らしてはいたが次から次へと惑星に降り立ってくる。その絶対数は限りがあるはずなので、いつか尽きてしまうのだろうが、今のところはその気配は無い。ただ減らしてはいるが吸収しているので数は減っても総量はあまり変化が無い。
ノーデンスたちは群であるが、その一部がアザトース配下と混ざってしまった部分を切り離さざるを得なくなってきていた。群の絶対量が減ってきている。アザトース配下に吸収された部分も減っているのだ。
大きな戦況の変化もないまま、少しずつ少しずつ両陣営の総量は減っていく。エネルギー総量については変化が無い。
(状況に変化が無い。このままで大丈夫なのか)
(相手の主力が出てくるまでは、このまま推移するのだろう)
(いつアザトースたちは来るのだ)
(勿体付けているのだろう。自らを万物の王と称しているのだ、軽々しく戦いに自ら出てくることに抵抗があるのだろう)
(しかしアザトースを引き摺りださないと駄目なのだろうに)
(そうだな。相手の主力が勢揃いしないとだめだ)
(少々問題も出て来ている)
(なんだ、どうしたというのだ)
(相手に吸収された我らの一部がある。もしかすると我らの計画が、その吸収された群の一部から相手に伝わってしまうかも知れない)
(そうすると、どうなってしまうのか)
(我らの計画、図書館の知恵が使えなくなってしまうと対抗手段が無くなってしまう)
(それは拙いのではないか)
(それは相当拙いことだ)
(対策はないのか)
(相手の配下を相手陣営に戻さず我らの側に引き込む必要があるな)
(それで問題は解決するのか)
(判らない。我らのように相手の意識が同調しているとすれば、意味が無いな)
(では完全に相手を取り込む必要があるのではないか)
(相手の意識も含めて取り込むことが必要だ)
そこからは大変だった。群として切り離した存在も含めて全てを意識ごと取り込まなけれはならない。
問題は群として統一的な思考と意識を保ってきたノーデンスたちが異分子を取り込むことで変容してしまうことだった。それが今後の戦いにどのような影響を与えるのか。いずれにしても、アザトースたちが出てくるまでは、この形での戦いを続けなければならない。




