第2章 神々 第56話 神々の誕生⑧
図書館には入り浸っている者たちがいる。戦いを回避しようとする一部の者たちが、その方法を探しているのだ。
(どんな者たちであろうと争うことはなかろう)
いつの時も争いを回避しようとする勢力は少なからずいる。但し群である存在の中の一部なので、決定的な武力によって完全に制圧しようとする勢力との均衡が取れているのだ。
群を代表しているノーデンスはどちらかと言うと武力による制圧を良しとしている勢力に近い。そして、それが群の総意となる。
(攻めて来るのであれば退けるのは当たり前のことだろう。我らの計画に支障が生じないよう不安要素は排除しなければならない)
計画。それは群が発生した時から常に思考の中心にあった。理由は判らない。群の総意には違いない。そのために在ると言っても過言ではない。
(何度も確認しているが滅失することはできない。あの規模のエネルギー体が消失してしまうと宇宙のバランスが崩れてしまう)
(何度も確認するでない、判っている)
(そのための図書館の知恵であろう)
(衝突を回避するのではなく消滅させるのでもない方法、それを知るための図書館であろう)
(まだ見つからないのか)
(今のところは見つかっていない)
(そもそも、そんな方法があるのか)
(あるのだろう。そのための図書館だ)
(ならば、もう少し見つかり易い所に保管しておいて欲しいものだ)
(色々と都合があるのだろう)
(都合?誰の都合だ?)
(その知識は我らの中からは抹消されている)
(抹消したことが判る程度では完全な抹消とは言えんな)
(それを含めて警告の一種なのだろう)
(誰からの警告なのだ)
(その知識も)
(抹消されているのだな)
(いいから早く図書館から知恵を得るのだ)
ノーデンスたちは徐々にアザトースたちの影が迫っているのを感じ始めている。




