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邪神大戦  作者: 綾野祐介
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第2章 神々 第53話 神々の誕生⑤

(どうも拙いことになった)


(どういういうことだ)


(個のうち飛びぬけて一番強い個がいたであろう。あの個、名はアザトースと言ったか。それが全宇宙の全次元に同時に現れたのだ)


(それは我らと同等の力を有ているということか)


(いやそう言う事でもない。少し種類の違う力というか能力だ)


(いずれにしても我らの存在が完全に認知されてしまったということであれば問題だな)


(大問題だ。我らの計画には個の、それも強大な力を持った個の存在は不要だ)


(それは判っている。当然のことだ。ただ排除することが出来ないのだ)


(それはどうしてだ)


(強大過ぎる個の存在はこの宇宙の当然の摂理だ。消滅させれば良いというものではない。それに)


(それに?)


(判っているだろう。余りにも強大な個の存在はあまりにも多大なエネルギーでもある。それを消滅させればどうなるかは明白であろう)


(それは確かにそうだ。ではどうする)


(それをなんとか考えるしかあるまい)


(難しい問題だな)


(かなり難しいも課題だ)


(奴らは我々の知恵を集めた図書館にも足を踏み入れている)


(それは相当拙いのではないか)


(一応場所を一旦移しては見たが無駄だったようだ)


(あの図書館は拙いぞ)


(仕方あるまい。あれは我々にもどうしようもない場所だ。ありとあらゆる知識が詰まっている。我らでさえその知識を頼らざるを得ない可能性もあるのだ)


(しかし、本当に我らの存在に気が付いてしまったのか)


(ナイアルラトホテップとヨグ=ソトースの動き、その後のアザトースの行動を見ると、そうとしか思えないな。いずれその時が来るとは思っていたが)


(思っていたのであれば、なぜ先に対処方法を考えておかなかったのか)


(我が我を責めるのか)


(責めてはいないが間の抜けたことだとは思うぞ)


(それを責めているというのだ)


(自分の中で揉めていないでちゃんと考えろ。奴らが攻めてくるのはそう遠くないぞ)


(攻めて来るのか)


(まあ、そうであろうな。お互い相容れない存在ではある)


(そういうものか)


(そういうものだ)


 いつまでもいつまでも、留まることのない会話が続く。


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