表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪神大戦  作者: 綾野祐介
40/94

第1章 発端 第40話 始まりの始まり②

 ナイアルラトホテップは少しの違和感を感じていた。何かがおかしい。主であるアザトースが万物の王であることを知らしめることだけを任務として遂行していたのだが、それがほぼ全宇宙に生き渡ったと思われる。


 違和感の正体は判らなかった。アザトヘスの配下に組み入れた数多くの個体たちが、どうも連絡が取りにくい状態になっている。初期のころに配下とした者たちは問題ないのだが、ナイアルラトホテップが宇宙の端まで探して配下とした者たちとのコンタクトが取りにくいのだ。


 もう一度全ての者たちを集める必要があるのか、と少しナイアルラトホテップは途方に暮れかけた。ここまでも数億年かかっているのだ。また数億年かけて再構築する必要があるのか。


 アザトースを万物の王として、自らの主として認識させることに一旦は成功しているものの、今現在がどうなっているのか判らないでは主の命に背いてしまっているかも知れない。アザトース本人は何も指摘しないであろうがナイアルラトホテップ自身が納得いかない部分がある。


「ヨグ=ソトースよ。」


 ナイアルラトホテップはヨグ=ソトースを訪ねた。


「なんだ、久しいな、ナイアルラテホテップよ。どうした。」


「実は、お前に少し手伝って欲しいことがあるのだ。」


「なんと珍しいことがあるものだな。我に頼み事など初めてのことだ。それで、何をすればいいのだ。」


 ヨグ=ソトースは面白がっていた。なんでも全て判っているかのようなナイアルラテホテップが頼みごとがある、などと言い出すなんて想像すらしていなかったからだ。そうなると逆にかなり切羽詰まったことになっているのかも知れない。笑っていられない状況なのか。


「単純な事なのだがな。お前の力で宇宙全土を走査してほしいのだ。一度我が主の配下になったものたちとのコンタクトが取れにくくなっているのだ。我が一々確認するには、また途方もない時間がかかってしまう。そこでだ、お前の能力ならそれほど時間はかからないだろうと思うのだが、どうだろうか。」


「なるほど、判った直ぐに取り掛かろう。」


 ヨグ=ソトースは出来得る限りの広範囲で走査を始めた。他次元でも同様に。


「我も力を貸すので速く終わらすことが出来よう。」


 シュブ=ニグラスも聞きつけて協力してくれるようだ。もちろんナイアルラテホテップもヨグ=ソトースと同調する。そうして宇宙全土の走査が時間はかかったがなんとか終えることが出来た。


「これはいったいどういう事なのか。」


 走査の結果はナイアルラテホテップたちの予想もしていなかったものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ