序章 第32話 支配する者④
新しい飛来者たちを駆逐したことによりショゴスが戦闘にも向いていることに古のものたちは気が付いた。その戦闘能力が創造主である自分たちに向けられないようにしなければななかった。
ショゴスたちに反乱を起こさせないよう、古のものたちは過酷な作業をどんどん与えた。要らぬ考えを持つ暇が無いようにするためだった。
既に十分な広さと能力を備えていた都市を、さらに不要な部分を広げていった。絶対数があまり増えない古のものたちにとって広すぎる都市になっていった。
巨石を切り出す。それを成型する。並べる、積む。また巨石を切り出し成型し積む。それを延々と繰り返す。疲れを知らないショゴスたちは昼夜関係なく作業に従事していた。
他にも古のものたちの都市がある大陸以外のいくつかの大陸にショゴスを派遣し都市を造らせた。めったに行くことは無かったが、極稀に古のものがそれらを訪れることもあるにはあった。ただ、それらは最初に作った都市よりは小規模のものだった。
疲れを知らないショゴスたち。次々に古のものたちが指示する作業を終えてしまう。このままではショゴスにやらせることが無くなってしまう。仕方なしに古のものたちはショゴスに休憩することを許した。
ショゴスからすると疲れていないのに休憩がある。その間は特に何もすることがない。することがないと自然と考えることを覚え出した。やはりこれが問題だった。
古のものたちには対策がなかった。作業は増えないしショゴスの数も減らない。新しい飛来者の時のように駆除する目標が必要だった。




