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邪神大戦  作者: 綾野祐介
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序章 第31話 支配する者③

 古のものたちが作った都市は約1500万平方キロメートルほどの円形の大陸の中心よりやや西方にあった。使役されるものショゴスのお陰で巨石による巨大都市を作り上げていた。


 古のものたちは原初の大陸の支配を優先し、地球の他の大陸には進出しなかった。種としての絶対数が少なかったこともあり手が回らなかったのだ。


 地球の環境が古のものにとって最良のものであった。しかし、他の銀河、他の恒星系、他の惑星に散っていった同種族たちは、地球と同等の惑星をなかなか見つけられずにいた。それほど地球は絶妙なバランスを兼ね備えていたのだ。但し、それは自然発生的にそれらを整えていたわけではなかった。


 古のものたちが地球に飛来し数億年が過ぎ、その文明が発展の極致を迎えていたころ、徐々に他の星系で安住の地を見つけられなかったものたちが徐々に飛来し始めていた。


 最初の飛来者である先住の古のものたちと、同族ではあるが旅を続けて少し違う進化を遂げた新しい飛来者たちとの間で、地球の支配権を巡っての争いが勃発した。


 先住の古のものたちはショゴスを作り出していたので、戦いは専らショゴスの役目だった。戦闘するのには古のものたちの身体は向いていなかったのだ。その点ショゴスはどんな形にも姿を変えられ様々に対応できる柔軟性を備えていた。そして先住の古のものたちに絶対服従していたので自らの生命を顧みることなく新しい飛来者たちと戦い、傷つき、そして勝利していった。新しい飛来者たちも先住の古のものたちと同様、戦闘には向いていなかったのだ。


 新しい飛来者たちは自分たちの不利を悟ると休戦を申し出た。しかし先住の古のものたちはそれを許さなかった。仕方なしに新しい飛来者たちは、ショゴス同様先住の古のものたちに絶対服従を誓った。それでも先住の古のものたちは新しい飛来者たちを許さなかった。先住の古のものたちからすると新しい飛来者たちは既に同族では無いと感じていたからだ。


 結局新しい飛来者たちはショゴスによって絶滅させられてしまった。地球の支配者は先住の古のものたちだけでよかったのだ。

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