序章 第23話 旧神の知恵
ナイアルラトホテップは、その場所を偶々見つけた。何か大きな存在を感じてのことではなかった。ただ、何かの残滓のようなものを感じてその惑星に立ち寄ったのだ。
そこには巨石を組み合わせた建物があった。いったい誰が、いつこんなものを作ったのであろう。
作れ、と命じられれば作れるだろうが、自ら作ろうとは思わない。何に使うものなのか判らなかった。
建物の中に入ってみる。そこには書物と呼ばれるものが大量にあった。いくつかを手に取ってみる。ナイアルラトホテップには、その内容は理解できなかった。文字、という概念がそもそもなかったのだ。
何かが書かれていることは判った。それだ何らかの「知識」であることも。
ナイアルラトホテップは他の書物も手に取ってみたが、どれも読めなかった。読むことを諦めたナイアルラトホテップは、その書物そのもののエネルギーを感じてみた。すると内容が意識の中に入って来た。その内容を書かれている文字と対応してみる。続けていると文字が読めるようになってきた。やはり様々な知識を記したものだった。
誰がそれを書いたのか、何の目的で作らられたのかは不明だったが、そこにある書物をいくつか読んでみた。自らの存在のことが記された書物を発見した。ここにはナイアルラトホテップの存在が「仲介者」であると記されていた。また「代位者」でもあると。
そして本来の目的であった内容が記されている書物も発見した。誰が何のために、ということが気掛かりではあったが他にあてもなかったので、すぐさまヨグ=ソトースとシュブ=ニグラスの元に戻るのだった。




