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序章 第2話 認識と観測
暗黒物質や暗黒エネルギー。本来ならエネルギーというものであるのならば暗黒と言う言葉とは相容れないもののはずだった。
しかし実際には現実的な物質のエネルギーや質量を遥かに上回る、暗黒と後に分類される質量やエネルギーが最初から存在していた。
認識されるものと観測されるものの違い。
観測は機器によるものであり、認識は感覚器官を備えた生物によるものだ。
それは何物にも観測されず、誰にも認識されない存在だった。ただ、確実にそこに在る存在だった。
個々の違いは最初のころは問題にすらならなかった。同じような存在であっても他者にさえ認識されなかったからだ。
そこにいつしか自我ともいうべきものが生じた。ただ、一つが揺らいだだけだった。そして揺らぎは全てのものに拡散していった。
その自我と言うべきものは少しずつそれらの存在の違いとなって行ったのだ。