最終章 終焉 第102話 終焉への誘い③
「さて、何からお話ししましょうか」
二人の目の前には居れたての紅茶が置かれている。
「どうぞ、飲みながらでもお話は出来までしょ」
進められてナイアルラトホテップは紅茶に口を付ける。
「うむ、美味いものだ。人類と言うのは、こういったことには長けている種族なのは間違いない」
「そうですね。嗜好品というのでしょうか、人類が生み出すものには目を見張るものがたくさんあります」
ナイアルラトホテップはガイアの意図を測りかねている。
ナイアルラトホテップを支配下に置く気が無い、というのであれば一体何が目的なのであろうか。
「面白い文化も多い。我らやノーデンスたちでは生みだせなかったものだな」
「そうですね。そしてそれがとても貴重なことなのです」
「どういう意味だ?」
「単純な意味しかありませんよ。人類と言う種族が生み出す様々なものに大きな価値がある、と言っているのです」
「それは、まあ判らないこともないが」
「絵画や音楽、料理やアニメーションに到るまで、人類の文化はその種類に限りがありません」
確かにナイアルラトホテップたちは個としては強大な力を持つ存在ではあるが、絶対的に数が少なく多様性と言うものが少ない。
その点、人類の数は膨大で増える一方だ。
その膨大な数が無限の種類の文化を生みだしていることは間違いないだろう。
「確かにそれはそうだとは思うが、それがどうしたと言うのだ?」
膨大な種類の文化を生みだす存在だからなんだと言うのだ。
守るべき、繁栄させるべき存在だと言うのか。
それであるとしてもアザトース配下の者たちを支配下に置く理由になるのか?
「これは実験なのです」
「実験?」
「ノーデンスたちに、そう聞いておられませんか?」
聞いた気もするが聞いていない気もする。
確かノーデンスたちははっきりとした理由は言っていなかった筈だ。




