最終章 終焉 第100話 終焉への誘い②
南緯47度9分、西経126度43分の海底深くにあるはずのルルイエ。
ナイアルラトホテップは海底が少しだけ苦手だった。
故に南緯48度52分5秒、西経123度23分6秒の少しズレた場所についてしまった。
「間違ったか」
そこはポイント・ネモと呼ばれる到達不能極だった。
少しズレた場所だったはずだ。
「なんだ?」
そこにはある筈のない何か遺跡のようなものが海底に沈んでいるのが見えた。
「ルルイエか?」
ただナイアルラトホテップのきおくにあるルルイエの姿ではない。
「何か別の場所のようだな」
ルルイエであればクトゥルーが眠る巨大な石造りの館がほぼ中央にある筈だった。
今ナイアルラトホテップの目の前には遺跡は遺跡だったが人工衛星の残骸が数多く沈んでいた。
スペースクラフト・セメタリー(人工衛星の墓場)と呼ばれるだけはある。
一番大きい物なら400トンを超える国際宇宙ステーションさえ沈んでいるのだ。
「なぜ我はこんな場所に?」
ナイアルラトホテップはルルイエに向かっていたはずだった。
ナイアルラトホテップは過去ルルイエには数度訪れたことがあった。
クトゥルーとコミュニケーションを取るためだったが完全に無視されたのでかの大戦以降クトゥルーとは話したことが無かった。
ナイアルラトホテップとしてもクトゥルーとどうしても話をしなければならない用があってルルイエを訪れた訳ではない。
ナイアルラトホテップはアザトース配下の者たちの全員の元を訪れていた、その一環に過ぎなかった。
各々の現状を確認したかっただけなのだが、暇つぶしの要素も多々あったのだ。
ルルイエに着くつもりが少しズレたポイント・ネモに着いた。
それは自らの意志ではないとすれば誰かに誘導された結果だとでも言うのか。
そんなことが出来るとすれば。




