キャラ愛強すぎたらストーリー破綻しちゃうんでしょうか? [創作者サイド]
キャラクター……この文における定義は、作中に登場する人物。
主に主役級やレギュラーを差す。(以下、キャラと明記)
「キャラクター(ここでの定義は登場人物、特に主人公。以下、キャラ)愛が強すぎたら、ストーリー破綻しちゃうんでしょうか?」
という切実な嘆きに対し、
「そんな事はない!」
――と即答されそうですが。
でも、そんなことあります。
少なくともわたし自身は。
【破綻の危機】が、おおいにあります。
昔、手塚治虫という昭和の漫画界を代表する大先生が居られました。
不確かな記憶で済みませんが、昭和時代最後の年か、平成時代になってすぐくらいの時期に亡くなられた漫画家さんです。
……なんですが、この方のスタンスは、わたしと【正反対】でして。
何が?
というと勿論、【キャラの扱い】。
例えば氏の代表作ともいえる「鉄腕アトム」という作品。
ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、このお話はアトムという少年キャラ(ロボットですが)が主人公ですが、彼は実に苦労尽くしの生涯を送るのです。
ロボットである彼は、誕生そうそう、生みの親の博士、天馬博士に捨てられ、【サーカス!】 に売られます。サーカスですよ!
また、アニメの最終話では、地球を救うために自己犠牲の道を選び、なんと【死にます】。
この鉄腕アトムだけではありません。
同氏の他の作品でも、主人公が不幸な目にさんざん遭ったり、場合によってはあっさり死んじゃったりします。
物語の途中であってもです。そのときはまた別の人物が主役を引き継いだりします。
主人公なのに。主人公でさえも。
例えば【まどマギの巴マミ】のような再登板はありません。死んで終わりです。もうそのストーリーには原則現れません。
もし仮に生き残ったりハッピーエンドだったりしたら、「良かったなぁ!」と感涙してあげたいほどです。
それ、全然キャラを可愛がってないじゃないか!
と思うんですが、でも不思議なコトに、ストーリー自体はずっと心に残ってるんです。
テーマや、作者の伝えたいメッセージが、くっきり・はっきり・明確だからでしょうか?
ブレないというコトだからでしょうか?
よくわたしは、キャラがストーリーを引っ張ってくれるような感覚を覚えたりするんですが、それって本来の主題がブレブレになっちまう最大の要因なんでしょうか?
わたしはどうもキャラを猫かわいがりしてしまう性質なので、「これじゃイカン!」 と思い、毎回構想段階では、そのキャラを酷い目に遭わせてやろうと悪だくみします。
でも序盤……はまだ良いですが、中盤以降、その決意がグズグズになって。
結局「お手手つないでランラン」的な最終回を迎えてしまうんです。
それは、「なろう」に発表した以外の、これまでに書いた作品すべてに言えることです。
肝心のストーリーは……と言うと、んーまー……端的に言っちゃえば、「無難?」
「良かったねー」的な結末です。
衝撃のラストとは程遠い、言うなれば慣れ合いエンドです。
書き手のみなさんはそのあたり、どのように工夫し、キャラを活躍させているのでしょう?
わたしはまず真っ先にオチを考えてから、冒頭にさかのぼってお話を組み立てます。
堂々の設計図づくり、【構想】です。これがとても楽しいんですが。
けれどもストーリー展開の途中でキャラが(勝手に)動き出し、その後の収拾がつかなくなります。
起承転結でいう承のあたりの出来事です。
そこから先は、作者であるはずのわたしと、キャラとの間でせめぎ合いが続きつつ、何とか物語の着地点を見つけていく……という、じゃあ何のためにオチ考えてから書き出したのかワカラン、まったくイミ不明なカオスに陥りつつ、転結章に突入してしまいます。
さてここでわたしが主張する一番の問題点は、「キャラ愛強すぎ」現象です。
「おーヨシヨシ。かーいーねー」
と、手放しでキヤツらを甘やかしてるので、作者が苦労するんだという、わたしなりの仮説です。
最初はイジメてやろうとか思ってるのに、「ごめんねぇ、悪かったねぇ、たしかにキミの言う通りだね」と、お話し合いを始めてしまうのです。
今書いてる話なぞは、キャラ絵描きすぎて「描かなきゃ、なんだかキャラに怒られちまうんじゃねーか病」に罹っています。(そういう気がしてます)よーするには、チョーシこかせてます。
「お前は肩たたきだ。もう二度と物語上に現れるな!」
「テメエは出しゃばりすぎだ! もっと控え居ろう!」
「おい、貴様! 貴様はここで死ぬるのだ!」
などなど、どうしてきっぱりと言えないんでしょうねぇ。
いや例え戦力外通告が出来なくても、生殺与奪の権をふるわなくても、せめて「その演技じゃないよ」とか「台本通りに演じようよ」とか言えないものかなぁと。
アホな話です、まったく。
キャラ愛強すぎて起るストーリー破綻は、やはり作者が〇〇だからでしょうか。
「ああ。それは、お前が○○だからだよ」
その○○に入るもの。
それは、変だよって言われるものなのか。
それとも、よくあることだよと慰められるものなのか。
実際よく分んないという結論でした。
え?
そもそも冷静さが欠けている?
だって。
こいつら全員、可愛いんだもの。
前回のエッセイ「またブクマ剥がれたよ」に続き、作者の弱い心情が噴き出した内容となりました。
ときたま「ワーッ」と吐きたくなっちゃうんですよね。
特異な作者の独り言として処理してください。有難うございました。