043話 勇者とパーティーを組んだ件
連の性格や小説の書き方をおおきくかえました。読みにくかったらすいません。
連の性格はすこしツンデレになってます。もし興味があれば読み返してみて下さい。
さて,さてと。
連との共闘が決まったわけだけど,具体的には何をするのかな。もしかして一緒にダンジョンを攻略したりするのかな。
「ん? 共闘って何をするのか,か。そうだな,とりあえず一緒に魔窟でも攻略しないか」
やはり魔窟の攻略か。でも久しぶりに連と一緒にどこかへ行けるんだしいいかもな。それにしてもまだ信じられない。連がこの世界にいるなんてな。それも勇者か。連らしいな。
「なあ,弘樹。どの魔窟に行きたい? 弘樹かなり強いみたいだったからどこでも大丈夫そうだったけど」
んー。どうしようかな。ここら辺にいい場所ってあるかな。難しすぎず,それでいて簡単すぎずのダンジョンがあればいいんだけど。
(ここらへんでしたら鎧の魔窟なんてどうでしょう)
鎧の魔窟か。俺はあまり知らないがいいかもしれないな。提案してみよう。
「鎧の魔窟か。いいな。ちょうど俺も提案しようとしていたところなんだ」
それは良かった。さすが連だ。俺がシーを使わないとわからないことも知っている。
それにしても,さっきから思うんだが,連以外のみんな,俺のこと警戒しすぎじゃないかな。俺,そんなに悪いことしないよ。とって食ったりしないよ。もしかして俺が連を倒しちゃったから警戒されているのか。
そして連が立ち上がる。
「これからのことが決まったんだし,これ以上ここにいる必要はないな。ていうことで俺たちは宿に戻らせてもらうが,弘樹はどうするんだ」
ん? 今から攻略に行くんじゃないのか。俺はいつでも準備万端だけど。だがそれを聞いた連たちはすごく驚いていた。なんでだ。
「なあ,弘樹。確かにお前は無鉄砲でやんちゃだがそんなことを言い出すとは思わなかったぞ」
ん!? なんでだ。もしかして連たちはおなかすいているのかな。きっとそうだ。なるほど。確かにさっき会ってから俺と陽太しか食べてなかったたもんな。
「わかった,すまん」
「そうだ。俺たちにも準備があるんだ」
ちなみに連の言う準備とはポーションであったりと魔窟攻略の準備である。決しておなかがすいているなどということはない。
じゃあ,どこかに集合しないとだな。この世界にはスマホとか携帯がないからこういうことは直接あって決めないと何だよな。
「んー。じゃあ,明日の朝いちばんでどうだ。集合場所はこの街の北口だ」
なるほど。それなら大丈夫そうだな。それに北口か。了解だ。
「じゃあ,また明日」
そう言って連たちは喫茶店から出ていった。
じゃあ,俺たちも行きますか。明日に向けて準備しないとだもんな。
そして俺も立ち上がる。だが,店から出るときに店員さんに呼び止められた。
「あ,あの。お会計をしていてください」
あ,あれ。俺何も頼んでないよ。さっき俺が食べたサンドイッチは連と決闘する前に会計済みだよ。まてよ,たしか連と戦った後に注文していたのは確か陽太がパンケーキを⋯⋯。て,あいつ。俺に払わせる魂胆だったのか。や,やるな。
そして俺はしぶしぶ払うのだった。
喫茶店を出た俺は宿を探しに行く。俺は昨日まで泊まり込みでギルドの依頼をこなしていたから取ってある宿がないのだ。どこかに手ごろな宿はないのかな。そして俺はある宿を見つける。
ここは,面白そうだな。ここにしよう。
俺が入っていったのは,『手ごろな宿』であった。なかなかにいい宿でありそうだ。
俺は宿に入ると受付の人に一泊お願いする。
「分かりました。一名様ですね。小銀貨一枚になります」
”看板に偽りなし”。なかなかに手ごろな価格だ。それに今の俺はAランク冒険者なだけあって財力にはかなり余裕がある。
そして俺が払うと鍵を渡される。こういうシステムは日本と変わらないようだ。そこには302と書いてあった。
そして俺は宿の階段を上る。そして302のところまで来た。そして鍵を鍵穴に入れ,回す。ガチャンと音がして開いたようだ。そして中に入る。
ん? なんか物音がするな。
そしてドアが開いた。そこにいたのはーーー
ーーーカウラだった。
「へ? カウラ,さん」
俺は思わず声が出てしまう。すると向こうも気づいたようだ。動きが止まる。
「え? あなたは確か龍人族と人間種のハーフのヒロキくん」
俺は覚えていてくれたことに少し安堵するが,そこで今俺がしなけばならないことを思い出す。尋問だ。俺はカウラさんに詰め寄る。そして”テロ”と”ベルセルク”という単語を出す。カウラさんの顔がみるみる青ざめていくようだ。
「え? ヒロキくん。どこでそれを」
「テロのボスから聞きました。ついでにカウラさん,あなたがそのテロリストの仲間だってこともね」
そして俺はカウラさんに近づく。だがカウラさんはかなり動揺している。
「なっ。それには訳があったんです」
ほう。だがどんなわけがあろうとも罪のない人を殺していい理由にはならない。俺はカウラさんを拘束しようと手を伸ばす。だが,カウラさんはギリギリのところで俺の手を避けるとそのまま立ち上がり俺から逃げるように走った。
だがここは部屋の中だ。俺が逃げれるわけがないと思い,追いかけていると,カウラさんが窓から飛び降りた。これは予想外だ。
なっ。いくら切羽詰まっても窓から飛び降りるか。ここは三階だぞ。死ぬかも知れないんだぞ。
そして俺はいそいで窓に駆け寄る。そして外を覗くと,カウラさんがきれいに着地していた。そしてこっちを振り返ると,
「ヒロキ君,絶対に説明しに戻ってくるから」
と言って走っていった。もちろん俺は窓から飛び降りて追いかける。だが俺が飛び降りたときにはもう人ごみに紛れてしまっていた。
く,くそ。にがした。何をやっているんだ,俺。せっかくいいタイミングだったのに。これは,完全に俺のミスだ。
俺はとぼとぼ302に戻る。そこにはもうカウラさんの面影はなかった。
◇
次の日になった。俺は昨日はカウラさんのことを考えていて全く寝れなかったが魔物なので問題ない。今日は連と魔窟を頑張って攻略しよう。カウラさんのこともすぐに忘れられるさ。
って,俺振られたみたいだな。
そして俺はエンラの北口まで来た。どうやら連たちはまだきていないようだった。こういう待ち合わせって自分が最初だと不安になるよね。みんな来ないんじゃないかとか,待ち合わせ時間間違えたんじゃないかとか。
そして,待てど暮らせど連たちが来ない,などということはなく,数分後に来た。みんな装備をガッチガチにしている。
俺もあんなかっこいい装備をしたいな。今俺が来ているのって人化したときになぜか作られたこの緑色の服だけじゃないか。
(しょうがないのです。弘樹の炎神に耐えられる服なんて今のところであったことがないのです)
まあ,そうか。そういえば昨日はシーは出てこなかったよな。どうしたんだ?
(昨日は少しやることがありましたのでスキルになっていました)
やること?
(はい。何やらこの街に弘樹を倒しうる魔物が来る可能性がありまして)
それって大問題じゃないか。
(ですが多分観測間違いです。気にするほどのことではないでしょう)
そうか。ならいいか。
そして連が近寄ってきた。
「なあ,弘樹。お前そのラフな格好でいいのか? 今から俺達が行くのは魔窟だぞ」
「ん? 大丈夫だ。それにこの格好の方が俺が強いんだよ」
「そうか。それならいいが」
そして連たちは歩き出す。俺もそれについていく。だが,俺は連以外のみんなに怖がられているようだ。みんな目をあわせてくれない。全く思春期の子供は,どうしてこんなに反抗的なんでしょう。
シーよ,そんなに白い目で見ないでおくれ。
そして一行は森に入った。今までに現れた魔物は全部連たちが倒してくれている。ここら辺の魔物で苦戦するような勇者じゃないようだ。やっぱり前に俺に負けたのは連が力を出し切っていなかったからかな。
ついに大きな洞窟の前に着いた。ここが鎧の魔窟のようだ。俺は魔窟に入るのは初めてなので楽しみだ。
魔窟の前で連から相談があった。それは戦闘のフォーメーションのことだ。
「なあ。弘樹がどこがいい。前衛か? 後衛か?」
んー。今まで戦ってきたのはシーとだけだからどこがいいかな。これと言って自分にあっているポジションが見つからない。
「じゃあ,遊撃をしてもらうか」
遊撃か。どんなことをするんだろう。俺は今までほぼ全部の役割を一人でこなしてきたからよくわかんないがとりあえず魔法をぶち込んでいけばいいのかな。
「そうだな。その認識で構わない」
そうか。それならいけそうだ。
そしてついに俺と勇者一行の合同魔窟攻略が始まった。