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015話 今日も寝れなかった件

 こんばんは,ルーです。まずはここまで読んでくださいましてありがとうございます。これからもルーとこの作品をよろしくお願いします。それではお楽しみください。



 俺は広い荒野の中寝そべっていた。そして今日あったことを思い出す。


 今日は色々あったな。そもそもこのダンジョンの中で今日という時間がどのくらいなのかはわからないけど,ほんとに今日は色々なことがあった。そういえば,まったく確認していなかったけど,レベルってかなり上がったのかな。ちょっと確認してみよう。



「ステータスオープン」



ファイアリザード

Lv30

HP90000

MP35000

攻撃力24000

物理防御力7800

魔法防御力7800

素早さ5900

進化経験値(30/40)


スキル

炎魔法上級Lv5

炎魔法中級Lv8

炎魔法下級Lv9

解析鑑定

スキル管理

炎系竜流体術Lv8

炎耐性Lv8

炎魔力操作Lv4



 30か。なかなか上がっているな。それにスキルもかなりのレベルが上がっている。特に炎魔法系なんてもうすぐ10レベルに行きそうだ。あと,なんと言っても後少しで進化か。ていうかかなりのレベルがさっきの戦いで上がったよな。二十,上がっているのか。まあ,ビー一匹一匹に経験値が乗っていたわけだし,このくらいにはなるか。


 さてそろそろ寝ますか。鑑定さんも妖精に戻ってるしせっかくだから二人で寝よう。

「あの,今から何をするんですか」

えっと,寝るのかな。そっか。スキルだから寝るっていうことがどんなことかわかんないのか。

「はい。恥ずかしいですが私は寝ることをしたことがありません」

んー。そう言えば妖精って脳みそあるかな。いや,そもそも魔物って脳みそあるのかな。

「そこは誰かを解体してみないとわからないかと」

怖いこというなぁ。まあいいや。で,寝るっていうのはリラックスして体を休めることだよ。

「そうなんですか。がんばってみます」

「ああ」


 やっぱり人と魔物では何もかも違うんだな。これから俺はたぶんずっと魔物で生きていくのかな。だとしたらどうやっても元の生活には戻れなさそうだな⋯⋯。


 その時,鑑定が話しかけてきた。

「弘樹,見てください。ここは満天の星空ですよ」


 鑑定さんにそういわれ見上げるとそこにはきれいな夜空があった。


「きれいだな。いつまでも見ていられる」

「そうですね。これを見ていると少しだけですけど人間の気持ちがわかるような気がしてきます」

 

 すごいな,この更地の真ん中で俺,つまりトカゲが寝ていると威厳がある。それにしても久しぶりの睡眠だな。魔物は睡眠などの休憩が要らないからずっと動いていたけどやっぱりゆっくり休めるのはいいよな。

「これからもちょくちょく休憩をとっていきたいね」

「そうですね。なぜだかわかりませんがこうして横になっていると気持ちが静まります」

「ああ。それじゃあおやすみ」

「はい」


 そんなことを思っていた時,遠くから犬の遠吠えが聞こえてきた。

「ウォーン」


 日本にいたころをおもいだすなぁ。俺は都会に住んでいたから犬の遠吠えなんてあんまり聞かなかったけど,前田舎に住むおばあちゃんの家に行ったとき犬の遠吠えが聞こえて怖くて夜寝付けなかったな。今となってはいい思い出だよ。


「ウォーン」

そんな懐かしい鳴き声を聞きながら寝るとしますか。まあ,魔物には本来睡眠は必要ないんだけどこういうのって気持ちだよね。鑑定も寝るように頑張っているんだしここはお手本を見せないとな。


「ウォーン」

ていうかさ,いい加減うるさくないかな。これじゃあ寝付けないんだけど。それに少しずつ声が大きくなってないかな。気のせいかな。気のせいならいいんだけど。

「マスター,報告します。前方3キロほどに魔物の群れを確認」

やっぱり。ここにきても敵かよ。


「逃げようかな。それもありだよね」

「おすすめはできません。魔力からして敵は狼です。狼は鼻が利くため逃げても追いかけてきます」

「なんでだよ。俺なんか悪いことしたか」

「おそらくですが,あの蜂たちと狼たちはここら一帯で最強の座を競い合う種族だったと思われます。そして今日マスターがその片方を完膚なきまでに叩きのめしたので狼たちに目をつけられたのでしょう」

いや,そんなの知らないって。こっちは攻撃されたから攻撃し返したのに。


「ですが弘樹。これはピンチではなくチャンスです。私の予想が正しければさきほどの蜂と狼は同格。つまり手に入る経験値も同格ということです」

そうか確かに。もしかしたらこの階層で進化できるかも知れない。だとしたら俺にあの狼を倒さない理由はない。

「はい。その通りです。がんばりましょう」

「そうなれば先制攻撃だな。少し卑怯な気もするがそこは弱肉強食ということで許してもらおう」

「敵先頭,前方2キロというところです。この距離であれば灼熱の息吹が届きます」

「分かった。じゃあお前はあいつらのステータスとかを鑑定してもらっていいか。ビーみたいに厄介なスキルを持っていないとも限らないからな」

「分かりました,と言いたいところですが,この距離では発動できません。最長でも数百メートルが限界です」


「なるほど。じゃあ狼の生態を教えてくれるか。どんな攻撃が効きやすく,どんな戦法を取りやすいのか」

「分かりました。あくまで一般的なものですが,狼の脅威はその近接戦闘能力の高さと群れとしての強さにあります。近接戦闘ではかみつくなど牙を使った攻撃,足を使った攻撃が多いです。群れの方に関しては,狼の群れには明確なカーストが存在しており,下位者は上位者に逆らえません。また,1匹ボスがいます」


「ありがとう。なかなか有益な情報だった。それじゃあ俺の体に戻ってくれ」

「はい」


 なるほどなるほど。だいたいつかめたな。要は魔法は使えないのか。決めつけは良くないが,おそらく当たっているだろう。それにボスがいると。いったんボスを倒してから統率力のなくなったところを叩くのが楽かな。


 よし。作戦が決まったぞ。その名も狼ハチの巣作戦だ。さすがは令和の孔明,俺。

「そのままですね。題名だけで内容が分かりそうです」

「辛らつだなあ。まあ,その名の通り1キロくらいの距離を保ち遠距離魔法でハチの巣にする」

「了解です。ではまわりの感知をしておきます。接近されたら一気に流れが悪くなるので」

「おう,頼んだぞ」

 なんか最近鑑定さんがすごく有能だ。それにだんだん人間味も帯びてきている。スキルが心を持つってことはあるのかな。

「ウォォォン」

今日何度目かわからない遠吠えが聞こえた。

(そんなことより,今は目の前の敵に集中しよう)

弘樹は気持ちを引き締める。


「敵,1キロ圏内に入りました」

 

 作戦開始だ。

「ブレス発射」

(ああ,俺が休憩できる日はまだまだ遠そうだな)

弘樹は自分の放ったブレスを見ながらふとそんなことを思うのだった。




 どうでしたか。次回対狼戦本番です。この作品にいいねとか鑑定ちゃん(仮)かわいいとか思いましたら下の評価を★★★★★にしてくださると作者のやる気がすごく上がります。またブクマ,感想も待ってます。



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