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売店(PX)

ホームはプラットホーム


倉庫は今はこのタイプが主流ですね

 メリンダは武器庫と呼んでいたが、行けばそこは売店(PX)だった。


 中に入って声を掛けると白人の老人が出て来た、メリンダから貰った書類を渡すと。


「新人か?……標準装備だな」


 店の奥からAKMと箱に白い箱に入ったマカロフが出て来る、共に新品でマカロフは革のホルスターに入っていた。


「あとはマガジン6本ずつと実包、クリーニングキットだ」


 グリーンのアリスパックに入った一式を渡すと、爺さんが。


「コイツはあくまで標準装備でな、注文すれば何でも揃えるぞい?」


 見ればガラスのカウンターには、SIGやミリガバ、リボルバーなど沢山の種類の拳銃(ハンドガン)が並んでいた。


 壁にはレミントンの散弾銃(ショットガン)からスコープ付きのM14、ドラグノフなどが並んでいる。


「金が出来たら頼むよ」


 そう言うと爺さんがニヤリと笑って。


「戦車からトイレットペーパーまで、言えば何でも揃えるからの」


 そう言って六郎を送り出した。


 部屋に戻ると机の代わりの長テーブルが目に付く。


「なるほどね、この為か」


 折り畳み式の長テーブルと折り畳み式のパイプ椅子、そこに持ってきたAKMとドラグノフを置くとアリスパックを開ける。


 マガジン6本ずつとクリーニングキット、それとの手順書とウエスに使い捨てのゴム手袋が入っていた。


「結構、気が効くな」


 何かあれば買おうと思って居る俺は、案外チョロイなと思いながら、手を動かして行く。


 手順書はほぼイラストだ、言葉が分からなくても出来る様になっていた。


 AKMの簡易清掃(クリーニング)は簡単だ、元々部品も少ないし砂などが入っても作動する様に、わざと遊びを設けてある。


 マカロフは元はワルサーPPやPPKのコピーだ、マガジンを外してトリガーガードのロックを外せば。後はスライドをズラせば終わりだ。


 両方共にスプレーのガンオイルを塗って磨けば終わり、直ぐに済んだ。


 マガジンにも弾を込める、AKMのは28発だけ込める、これはスプリングが強力な為と圧縮しすぎての作動不良(ジャム)防止の為だ。


 6本のうち3本だけ詰める、24時間を目処に3本ずつ弾を移し替える、これはスプリングの負担防止の為だ。


 AKMとマカロフを射撃場で試射するとサイト調整して簡易清掃(クリーニング)してから部屋のガンロッカーにしまった。


 明日の朝は4時起きで仕事だと言われていたので、早々にベットに入る。




 翌朝4時に起きで支度をする、食堂に行くと既に開いていた。


 パンとスクランブルエッグ、ベーコンとソーセージを欲しいだけワンプレートに載せて食べる。


 珈琲を飲んでいる時に、軍曹が声を掛けて来た。


「おう! ちゃんと起きれたなロック」


 俺は戸惑いながらも。



「ロック? って俺の事ですか?」


 そう聴くと軍曹は笑いながら。


「メリンダが六郎ってのは言いにくいから、ロックで良いだろうってさ!ロクロウって発音し難いらしいな」


 そう言うと軍曹も座って食い始めた、 仕事の流れを聞きながら珈琲を飲む。


 乗車するのは3・5トンタイプのゲート車らしい。


 カゴ車に現地の作業着(ワーカー)が用意して居る荷物を、検品してから積み込み、配送の流れになる様だ。


「ここから前線までの生命線の確保だ、日用品、食料、武器、弾薬、何でも運ぶ」


 前線より後方の備蓄基地に運ぶらしい。


 5時から仕事に入るから、それまでにトイレも済ませる用に言われた。


「小はともかく、大は砂に穴を掘って埋める事になるぞ」



 軍曹は笑いながら、そう言い残して煙草を吸いに行った。



 5時に倉庫へ行くと3・5トントラックが並んでいた。


 様々なトラックが並ぶ中、一際目立つトラックの前に行く。


 日本の飛脚便の会社のそのトラックは、ふんどし一丁の昔ながらの飛脚の日本画が書かれていた。


「俺が餓鬼の頃の奴だ!」


 ロックがそう言うと軍曹が笑いながら。


「10年以上前のヤツだが、まだエアコンも効く、やっぱメイドインJAPANは偉大だぜぇ!」


 そう言うと運転席から、グリップボードとペンをロックに渡すと。


「お仕事の時間だ!」


 そう言うと、荷物の検品の仕方を説明し出した。


 トラックはホームに(ケツ)付けされて居る、そしてホームにはカゴ車に乗せられた荷物が集められていた。


 カゴ車の横に貼ってある番号と、リストの番号、あとはカゴ車の中の数とリストの数を合わせる、同じならチェックを入れてトラックに乗せる。


 3・5トントラックは、カゴ車が横に2つ並ぶ、全てのリストが埋まると車内は一杯になった。


 ベニヤ板を2枚当てて、ラッシングベルトで固定すると、扉を閉めてゲートを畳む。


 全てが終わると6時近くになっていた、そのままロックが運転席に座ると、軍曹が道順を教える。


 街から出ると道は一本しか無かった。


 砂漠の中をアスファルトで出来た一本道をひた走ると、途中で建造物が見える。


「あれは?」


 そう聴くと軍曹が。


「何でも古い遺跡らしい、地元の遊牧民(ノマド)は、霧の遺跡って呼んでる」


まるで(ゲート)の様なその遺跡は道標(みちしるべ)になっているらしい。


 俺たちは霧の遺跡を横目に前線基地を目指した。

いよいよ、霧の異界が少しずつ出てきます

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