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生きる為に

 罠には鹿が掛かっていた、若い雄の鹿で前足にワイヤーが食い込んでいる。


 俺は普段から用心の為にAKMを肩から下げてある。


 AKMーロシアが産んだ、世界の80カ国に蔓延している兵器。


 口径7・62ミリは、人間だけではなく野生動物の狩にも使われるほど威力がある。


 鹿や猪なら十分だ、俺は鹿の胸に狙いを付けると、引き金を引いた。


 ターン!と乾いた音が辺りに響く!


 鹿は倒れた後に、また起き上がって来た。


 しかし直ぐにまた倒れると、そのまま動かなくなる。


 それからが大変だった、ロープを木に吊るして鹿を浮かせると、首を切って血抜きをする。


 頭と内臓を取ると、枝を2本使った担架に鹿を乗せると、そのまま川に運ぶ。


 深い場所に沈めて、内臓のあった腹腔に石を詰める。

 そのまま川で肉を冷やすと、一日中置いて置いた。


 翌日、冷えた肉を住んでいる家に持ち込むと、小分けに切り分けて脂肪分を取り除く。


 塩を擦り込むと、そのまま日陰で乾かす。


 鹿を干し肉にする一方、ステーキを焼いて食べたい。



 しかしフライパンが無い!鍋すら無い!


 仕方が無いので、木に刺して遠火でグルグル焼く。


 まるでゲームの原始肉の様に、焼いてはこそげ落として、ケバブの様に食った。


 そろそろ海産物が食べたい、明日は海に出ようと思う。


 次の日、ペットボトルに水を入れて、お手製の(もり)を持って海まで出てみた。


 思った通り遠浅の砂浜で、透明度が高い。


 俺は短パンにビーチサンダルで、海に入ると水の入ったペットボトルを、水中眼鏡の代わりにして海の中を見る。


 満ち潮で小さい魚が居るのが見える、魚を突きながら浜を見ると、結構、漂着物が流れ着いていた。


「嵐の後とか来たら、結構漂着物があるかもな」


 1人そう言いながら魚が数匹取れると、帰って塩焼きにして食べる。


 カマドに薄い石を持って来て、その上でサツマイモも焼く、フライパンの替わりになりそうだ。


 そんな感じで過ごしていると、朝が寒くなって来た。


「冬が来る!?」


 失念していた、俺はまず燃料になる枯れ木を、屋根の下に備蓄する。


 それから肉や魚を確保しては、カゴ車を利用した燻製小屋でスモークする。


 サツマイモやジャガイモも収穫した、風通しの良い、日の当たらない場所に保管する。


 全ての用意を終わらせるのを、待っていた様に雪が降って来た。


 ロックは冬の間、部屋に籠った(こもった)


 その間は小物作りに精を出す、畑で使う背負い籠など、枝で作って行く。


 雪が溶けて春になると、また畑を耕し、狩をし、魚を取って暮らす。


 そんな月日を過ごしていると夏になった。


 台風と言うか、嵐の次の日、漂着物が無いかと海岸に出て見ると。


 船が座礁していた。


 そして、海岸に男が打ち寄せられていた。


 見た所、手枷、足枷が嵌められて、鎖が繋がれている。


「これは、泳げんわ…」


 ロックはそう言いながら、男の脈を見ると、既に事切れていた。


「船に行って見るか」


 そう言うと浜で(いかだ)を作り出す。


 材木とロープで作ると、ロックは座礁した船に向かった

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