表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/146

ep.25「暗闇の中の建物」

 バイクの後部座席から降りる。

 オーロさんがエンジンを止めてバイクから降りた。

 宇宙船に備え付けてあったバイクを使い、目的地に来た。バイクに貼られていた値札には零がいくつも並んでいたが、緊急時なので気にしないことにした。


 視界の右上には赤丸が三つ、少し離れたところに固まっているのが見える。


「…しかし、これはまた凄いね~」


 オーロさんが目の前の建物を見上げながら言った。

 巨大な扉がついたコンクリートのような材質を使った建物。窓は見える範囲では付いていない。


「明らかにこの星の住民じゃ作れないですよね」

「そうだね~。十中八九ヒュイド族だろうね~」


 オーロさんが巨大な扉に近づく。

 握りこぶしを構えて、扉を殴る。こぶし一つ分の穴が扉にできた。

 豪腕だ。というか、ゴリラだ。いや、ゴリラでもここまで強くはないだろう。化け物だ。


 堅そうな材質の扉に穴を作ったオーロさん。

 穴から建物の中を覗き込む。


「中は大丈夫そうだね~。少年、ちょっと待っててね~」


 オーロさんがそう言うと、足元から光の粒子のようになる。

 足から腰、腰から胸、胸から頭という風にどんどんと消えていく。


 あれがオーロさんの武器で、第一チームの開発担当に作ってもらったらしい。水樹さんの武器は肌にあわないそうだ。


 扉が金属音をあげながらゆっくりと開く。

 中に入り、扉を閉める。


「防護服は動きにくいね~」

 

 オーロさんが防護服を脱ぎ始めたのを横目に、こちらもヘルメットを外す。

 脱いだ防護服は近くに畳んで置いておいた。


 この広い部屋には入り口の巨大な扉と普通の大きさの扉しかない。

 扉に手を掛け、ゆっくりと開く。

 長い廊下に大量の扉がある。軽く十は超えている。

 そして、心がとてもざわつく。ラーヴ星で感じた嫌な予感と同じ感覚だ。


「オーロさん、嫌な予感がします」

「奇遇だね~少年。嫌な予感っていうか、音がするね~」


 全ての扉からドンドンと叩く音がする。

 扉がへこみ始め、蝶番ごと扉が吹っ飛ぶ。

 外で先ほど出会った四足歩行の黒いもやが大量に出てくる。


「げっ!」

「少年~。ここは抑えとくから先に三人を探すんだね~」


 オーロさんが一歩前に進む。

 その背中を見届けたあと、振り返って反対側の廊下を走った。


改善点などあればご指摘いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ