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ep.18「稽古」

 ラーヴ星から一週間が経った。

 医学の進歩は目覚しいものであれだけの大怪我もたちまち治ってしまった。

 

 ドタドタと足音を立てながら部屋に向かう。

 一週間の間病院に拘束され、一度も第三チームのメンバーと会っていなかったのだ。

 そして、今日はお願いもある。


 扉の鍵を開けて部屋の中に滑り込む。

 滑り込んだまま中にいるオーロさんとプフェーアトさんに土下座する。


「お願いします、稽古をつけてください。オーロさん、プフェーアトさん!」

「しょ、少年。一体どうしたんだ~い?」


 オーロさんが戸惑った声で言った。

 頭を下げて頼み続ける。


「自分が弱いことには堪えられないんです! お願いします!」


 誰かが肩を叩く。

 頭を上げると、プフェーアトさんが抱きついてきた。


「永宮~! もう侵略班を辞めるかと思って…凄く心配したんだヒ~ン!」

「少年。俺の稽古は厳しいんだね~。それでもついてこれるか~い?」


 オーロさんが煙草の火を消してそう言った。


「はい、なんだろうと絶対にやりとげてみせます!」

「よろしい~。じゃあ今から行こうか。水着に着替えてくるんだね~」

「はい! …はい?」


 水着?



―――――


「オーロ、この稽古は病み上がりには危険すぎるヒン!」

「でも、強くなるためには俺達のやったことをするのが一番だね~」


 磯の香りがする。

 太陽光が海面に反射してキラキラと光る。

 足元の砂が太陽の熱で暖められて暖かい。


「よ~し少年~。稽古自体は単純なんだね~。この砂浜から向こうの大陸まで七十二時間以内に辿り着くんだね~」

「オーロ! 太平洋横断はいきなり厳しすぎるヒン!」


 太平洋横断?! 七十二時間!?


「ほーら計測始めるよ~少年。早く走り始めるんだね~」


 オーロさんがストップウォッチを取り出す。

 ピピッという音と共に計測が始まった。


「ぬおおおおお!」


 海の中に飛び込みクロールで泳ぎだす。

 太平洋を七十二時間で横断なんて果たしてできるんだろうか。

 


 

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