ep.14「侵入」
「城壁はともかくこれぐらいなら蹴り飛ばせるんだよな!」
城の壁を蹴り飛ばし穴を開ける。
鞘から剣を抜き城の中に入る。
中には溶岩が人型になったような形の生物が大量にいた。
おまけに全員こちらにレーザー銃を構えている。
「あ、すいません。勘弁してください」
レーザー銃は無理です。さすがに死にます。
両手を頭の上に上げる。
手に持ったままの剣を落とせ、とボディランゲージで指示される。
「はいはい、ちょっと待ってね」
剣の先を下に向けてゆっくりと落とす。
地面に剣が落ちる直前、班長にされたように剣に向かって足払いをする。
下に向いていた剣の切っ先がレーザー銃を構えている一人のほうへ向く。
剣頭をその向きのまま蹴る。
狙い通り、頭の部分に刺さる。
頭に剣が刺さったまま地面に倒れる。
「よかった、そこを潰したら死ぬのか!」
咄嗟にしゃがみスライディングする。
仕留めた奴が落としたレーザー銃を拾って城の外に出る。
城の中にレーザー銃を乱射しながら考える。
「剣ってこの状態でも鞘に戻ってくるのかな?」
軽く念じる。
剣が腰に差した鞘に向かって飛んでくる。
「少しぐらいなら遠くても戻ってくるのか、何かに使えそうだな」
弾が切れた銃を放り投げる。
近くに散らばっている壁を壊したときの瓦礫を投げつける。
一通り投げつけたあと、城の中にもう一度入る。
中にいたラーヴ星の住民達は全員倒れて死んでいた。
適当なレーザー銃を拾って城の奥へ進む。
一本道の廊下に出る。
廊下の奥にしか扉はない。
心のざわつきが強くなる。
第六感ともいうべき感覚が警報を鳴らしだす。
「絶対にやばい…」
冷や汗が流れ出し、歯がガタガタと音を鳴らしだす。
しかし、新米とはいえ侵略班のはしくれ。
頬を両手で叩き気合を込める。
一歩一歩踏みしめるたびに冷や汗が滝の様にあふれ出す。
先ほどまで感じていた異常な暑さも全く感じなくなる。
扉の取っ手に手をかける。
その部屋の中は物理的な重さがあるかのようなプレッシャーが充満していた。
奥にある椅子には、一人の人間が座っていた。
「こんにちは。だけど、君に興味はないんだ」
瞬きするほどの時間。
椅子に座っていた人物は吐息が当たるほどまでに急接近していた。
顔に強い衝撃が走る。
世界が後ろから前へ進んでいく。
背中にも何度か衝撃が走る。
城の中の壁を全て突き破っていく。
城壁に当たったところでようやく止まり、うずくまって嘔吐する。
「そうか、君から聞けばいいんだね。キル・テュエマタールはどこだい?」
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