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ep.11「ラーヴ星」

 第三チームの部屋に班長以外の全員が集まっている。


「永宮クン。調整は色々するけど、とりあえず渡しとくわね」


 水樹さんから鞘つきの剣を渡される。

 頼んでおいた武器が完成したようだ。


「鞘と剣の周囲に強力な磁界を発生させ、磁力を操ることができる…。鞘から剣を自動で出したり戻したりぐらいしかできないけど、本当にそんな武器でいいの?」

「はい。複雑な武器を貰っても使いこなせないと思いますし。この武器も慣れれば意外にいいかもしれませんよ」

「そういうなら別にいいんだけど…。その剣と君の思考を直接繋いであるから、思うだけで操れるわよ」


 受け取った剣を腰に差す。

 軽く念じると剣の取っ手がちょうどいいところまで伸びてくる。

 確かに操れるようだ。



「これで永宮も戦えるようになったヒン!」

 プフェーアトさんが言った。

 地味に()()と呼び捨てにされているが、宴会を何度も繰り返していたらいつのまにかそう呼ばれていた。

 


「全員いるかい?」

 扉を開けて入ってきた班長がそう言った。


「全員いるみたいだね。じゃあ、これからの作戦を説明しようか」


 班長が部屋を真っ暗にする。

 机に一枚の大きなシートを敷くと、大きな惑星のホログラフィックが机の上に浮かび上がった。


「ヒュイド族の居場所は依然としてわからない。そしてまたその星の文明では到底作れない武器での反乱が起きた。それがここ、()()()()だ」


 ラーヴ星…。

 全体的に赤い星でところどころにマグマらしきものが煮えたぎっている。

 地形も荒野が続き木はおろか草の一本も生えている様子はない。


「ラーヴ星は見てのとおりマグマが大量にある星だ。この星に住む住人達がレーザー銃を持って篭城しているようだ。ヒュイド族の痕跡を探しつつ反乱を収めるのが今回の目的だ」


 班長が付け加えるように話す。


「ラーヴ星に住んでいるのはアクアード星より遥かに強い種族だ。レーザー銃も持っているようだし、各自十分に気をつけるように。出発は明日だから各自よくこのホログラフィックを見て作戦を理解してくれ」

 

 話し終わると班長は部屋の外へ出て行ってしまった。


「ホログラフィックなんて久しぶりに見たヒン。ブルヒヒン!」


 プフェーアトさんのテンションが上がっている。 

 水樹さんとオーロさんは少しだけ見た後、部屋から出て行った。


「ヒュイド族…やっぱり相当危険で強いんですか?」

「ヒュイド族は強い奴も確かにいるけど、そもそも一族自体が小数だヒン。けど、本当に危険視するのはその能力だヒン」


 部屋の電気を点けてからたい焼きをほお張るプフェーアトさん。


「ヒュイド族は全員が同じ一族にだけ伝わるテレパシー能力を持ってるヒン。どれだけ遠かろうが妨害があろうが絶対に連絡を取ることができるヒン。

仲間同士で通じてすぐに逃げる、相手の情報を伝える、色々とこちらに不利になることも一人にバレたらすぐに全員に通じるヒン」


 プフェーアトさんは心底面倒くさそうにそう言った。




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