11.「吾が女官を選ぶ」ことの重み
神勅には数々の衝撃的な内容が含まれるが、一部の人にとって最も困るのは、「吾を慰む女官は吾が選ぶ」であろう。
ここでの「慰む」は古語で、他動詞である。「~む」が連体形であることから、マ行四段活用である。(似たような意味であるが、四段活用の自動詞と、下二段活用の他動詞の「慰む」も存在する。)Weblioの学研全訳古語辞典によると、「気分を晴らす。心を楽しませる。」となる。
このような役割の女官は、当然、天照と直接、やりとりすることになる。夢の中だけでしか接触できない人や、面倒な儀式をいちいち行う必要がある人は弾かれる。いつでも相手できる状態が求められる。例えば、電話をしたらすぐ会話できるような関係が望ましい。「沙織の部屋」の「女官について補足」をみると、女官は生きている状況で、それも長生きして、天照と向き合うことになる。
天照をはじめとする神々と人々の間にいることが存在理由となっている人たちがいる。一部の宗教家である。神と人の距離が遠ければ遠いほど都合良い。その間にいる自分たちの価値が上がるからだ。自分たちがいなくなったら君たちは神の加護を失うけど、いいのか。そのように一般人をコントロールするのである。
天照が一般の日本人に直接、神勅を発した。これからも発する手段を得ている。自分の身の回りの女官は、これからは自分で選ぶ。
天照と日本人の間に立つことで利益を得ているものは、神勅が出た時点でその既得権を失った。少なくても、失うことが確実となった。女官は誰かが強制的に公開されないから、干渉できない。商売あがったり、である。その最たるものは次節で紹介する。




