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閑話・雪白美波の大掃除戦録《クリーニング・メモリアル》!

 廉達が試験を行っている最中、一人の少女が奮闘していた。

 これはちょっとした日常の物語。


「いやああああああああ!!」


 な、何これ!

 私が一週間いない間に、家が散らかり放題じゃないですか!

 私はリビング全体を見渡す。

 ここを見るだけでも、足の置き場があるかどうか。

 おばさまから聞くところによると、この一週間、廉兄さんしか家を使っていないらしい。

 いや、どうやって1人でここまで散らかせるんですか?逆に才能だと思いますよ……。

 私は思わずため息を深く吐く。

 今日もおばさまたちは帰って来ず、廉兄さんだけは家に帰ってくる。

 せっかくの二人きりの夜なのに(※いやらしい意味はありません)ここまで家が汚いと、廉兄さんが許しても私が許しません!

 私はキッチンに置いてあった大きなゴミ袋、そして玄関に置いてあった掃除機を取り出した。


「徹底的にやりましょう!」


♢♢♢♢♢♢


 片付けるといっても、散乱しているのは主にコンビニ弁当などの空ばかり。

 全く。コンビニ弁当は日常生活で良くないって、あれほどおばさまが言っていたのに。

 これは帰って来たら説教ですね!

 一つ楽しみが増えたと、心を躍らせて作業を続ける。

 次々にいるものといらないものを分けていくと、いつの間にか散乱していた部屋がほぼ快適な空間と化していた。

 廉兄さんのために頑張った花嫁修行がここで活かされるとは……。

 廉兄さんは私がいないとダメダメなんですから、全く。

 と、そんな事を考えながらあと一息というところで、とあるものが目に入る。

 それは一枚の紙である。

 通常であれば、気に留める必要すら無いが、何故かその時は気になって手に取った。


「これは、手紙……でしょうか?」


 どれどれ……って、私からの誕生日カードじゃないですか。

 今でも覚えてる。

 廉兄さんの10才の誕生日に贈った誕生日カード。

 何の変哲もない紙一枚だが、廉兄さんは貰った時に、心底嬉しそうに「一生大事にする」と言っていた。

 今や6年前のことで記憶も朧気だが、廉兄さんは大事に持っててくれたんだ……。

 私は無意識に目の当たりが熱くなってくる。


「もう、クシャクシャじゃないですか……っ」


 こんなになってもまだ捨てないでいてくれたことに嬉しさが溢れ出して止まらなくなる。

 こんなに大事にしてくれてたんだ。

 ……大事にしてくれてたのに……。


「……どうして、他の子に目移りしちゃったんですか……」


 嬉しさが一気に悔しさへ変わっていく。

 私、そんなに魅力がないでしょうか。

 こんなに頑張ってるのに……。

 あんなぽっと出の子に奪られるなんて。


「七瀬雛……」


 そう、彼女がいたから、廉兄さんは奪られた。

 奪られたなら、奪り返すのみ。


「首を洗って待っててくださいよ!七瀬雛!」


♢♢♢♢♢♢


「ぶえっくしゅんっ!!」

「風邪ですか?雛パイセン」

「いやなんか、妙な気が……」

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