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SSS総団長

「まあ、なんというか、座ってくれ」

「はあ……」


 奏華に促されるまま、俺と月詠はそこにある椅子に腰掛ける。

 正直、さっき命を狙ってきた相手に隙らしい隙を見せたくないから緊張しっぱなしだ。

 まあ、奏華の方も落ち着かないようで、ずっとそこらをウロチョロしている。

 それを見かねた月詠は、ため息を吐いて口を開いた。


「奏華、そんなところで歩いてないで、君も座って欲しいんだけど?」

「え、ああ!そうだな!」


 奏華は頷くと、面白いぐらいに顔を強張らせながら、俺と月詠とは向かいの席に座った。


「えっと、奏華さん」

「な、なんだ?」


 奏華はちょっと気まずそうながらも、こちらに視線を向ける。


「その、聞きづらいんですけど、何で俺を襲ったんですか?」


 これは至極真っ当な質問だろう。

 なんの警告もされずに斬りかかられたんだから。

 すると奏華は、申し訳なさそうに目を伏せた。


「いや、なんというか、変な気配を感じたんだ。一つの体から二つの気配がしたというか……」

「『あっ』」


 俺とクラーは何かを察した声を上げる。

 まあ、言わずもがな俺とクラーの気配だろうな。


『うぅ……。以後、気をつけます……』


 いや、クラーが悪いわけじゃない。俺の落ち度もあるから気にするな。

 けど、どう説明したものか……。

 契約者だということは言えない。

 契約者になること自体が禁忌だからだ。


「その反応、心当たりがあるな?」

「ええ。まあ」


 ここで嘘を吐いても意味はないだろう。

 この人は観察眼が凄い。

 先程の反応も微細なものでさえも感じ取ってきたのだ。

 嘘を吐いてもすぐにバレるだろう。

 なら、ここですべき賢明な判断は……。


「それよりも、ここに連れてきた理由を聞いて良いですか?」


 話を逸らすことだ。

 シンプルではあるが、効果はあるだろう。

 そして奏華は俺の話に乗ってきてくれた。


「ああ、そうだな。それじゃあ、単刀直入に言おう」


 奏華はそう言うと、姿勢を前傾し、こちらを睨みつけた。


「神崎廉。君は、その異能をどう使うつもりだ?」

「……どう、とは?」


 思わず首を傾げると、奏華はこめかみに皺を寄せ、月詠は肩を震わせている。

 俺、なんかまずいこと言ったか?


「あのね、廉太郎。君の異能力は簡単に世界を変えられるものだ。それは分かるかな」

「まあ、はい」


 月詠の言葉に俺は頷く。


「つまりは、その異能力で世界を滅ぼそうとか考えて無いよね?ってことを聞きたいわけ」

「けどまあ、その反応から、滅ぼす気なんてないみたいだ」


 奏華がそっと胸を撫で下ろす。

 そんなに怖いのか?


『廉、自覚していない様ですけど、私たちの異能力は簡単に世界を滅ぼすことが出来るんですからね?』


 え。マジで?


『ええ。例えば、今この瞬間、地球の自転を3秒だけ止めたとしましょう。慣性の法則で人々は耐えきれずに全滅し、建物は崩壊。運が良くても生物が数匹かろうじて生き残れるかどうかです』


 怖っ!

 成程。奏華はこれを恐れたのか。


『そうです。下手を打てば処刑もあり得たでしょう』


 うわあ……。

 俺、殺されるかどうかの瀬戸際に立ってたのかー。あははは……。


「そ、奏華総団長。俺は世界を滅ぼす気なんてさらさらありません。理由もないですし」

「ああ。分かってる。だが、念の為だ。リーダーたるもの、疑うのも仕事のうちなんだ。許して欲しい」

「いえいえ」


 俺が笑顔を見せると、奏華は安心した様に顔を綻ばせる。

 俺はそれを見て、ソファから立ちあがろうとした。


「じゃあ、話はここまでと言うことでー」

「さて、それじゃあ、もう一つの本題にはいろうじゃないか!」


  ……俺はいつになったら帰れるのだろうか……。

  そんなことを思いながら再び腰をソファに落とす。

  それを確認した奏華は、口元を少し綻ばせた。


「さて、神崎廉君。君に一つ、聞いて欲しいことがあるんだ」

「遠慮します」

「……最後まで聞いてくれたら、訓練直後の汗だくの雛が映った写真をやろう」

「よし、聞きましょう」


 雛の名を聞いた瞬間に一気にやる気が込み上がる。

 俺の中でクラーがドン引きしているのは気のせいだと思っておこう。

 俺が一気に聞く気になったのを確認した奏華は、一瞬だけ月詠の方へとアイコンタクトを送り、直後に口を開いた。


「君には明日、SSSの入団試験を受けてもらう」

「……はい?」

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