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残響の死巡  作者: 廣川紫水
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第2話「呪いの末路」

「あれは夢じゃない……『死に戻り』か?んー、そうだ。「死巡」って名付けよう。」

などと、うちに隠した復讐の呪憎を無視し、軽口を喋る。

しかし、その激情を隠しきる事は出来ず、和音の元へと向かう先で、目は闇に飲まれ、黒い瞳が更に黒く染る。そうして着く頃には劇的な憎悪により、眼とその身に溢れ出す気配が闇に呑まれていた。

「ど、どしたの?」

と、言う声すらも憎悪により塗り潰され、吐きそうな程に腹立たしい言葉へと変わる。

「だ、大丈夫?」

「あ、ああ。うん、大丈夫。」

と、上辺面で返し、奏は。

「悪い、ちょっと俺、行かなきゃならないんだ……すまん。」

そう言って、出ていった。

「はぁ。殺……さないと。アイツを。俺はオレは。絶対に呪ってやる。」

「どしたの?君、そんなとこで憎悪振りまいてたら色々と怖いからさ」

と、ニッコリと笑い、言ったのだ。

「……申し訳ありません。」

と、上辺の謝罪をする。

「ああ。わかったなら良いさ。けれど、君さ。上辺だけは関心しないな。あー、僕の立場を言ってあげようか?「青」の殺害だよ。ついでに、「巡」の異能力者も殺せってね。」

奏は持っていたナイフを突き刺して殺した。

それで。それで終わりになれば良かったのに――

「ッ!?かぁッ……アッ…ハ……」

と、突如の衝撃に奏は嗚咽し、赤黒い肌に着く液体を乱暴に腕で拭う。そうしてやっと気付く。首に()が空いている事に。

「お……ぁ」

と、穴を触り、激痛を用いて生きているかの確認、その後、暗殺者を睥睨し、意識が途切れるその前に、

「次は……殺……す」

と、吐き捨てて死亡した。








▷▶︎▷

「ぁ。」

と、肉体の感覚、異常を確認し、やはり無いことに安堵する。

「ッ……「青」ってどういう……いや。」

そう。

「考えている暇なんてねぇな。さっさと行こう。」

そう言って、自宅を飛び出し、和音の家へ最短距離で突っ走る。着いたと同時に、初回と同じ手順で室内へと入る。

「うぃっす……」

「無理……しないで?見ればわかるよ……何かあったんでしょ?」

そう言われた。否。

そう言ってくれた。

「っぁ。」

声にならない……どうすればいい、この差し迫った危機をどう避ければいいのだ。単純な戦闘では一瞬で負ける。それならば、もう、借りるしかないでは無いか。「青」の力を。

「……聞いて、欲しい事が……あるんだ。」

「うん。」

優しく、奏の芯に今尚眠り続ける憎悪と呪詛を溶かし尽くす。優しい炎。それのお陰で、奏は今立てている。

「ッ……青。ってさ、和音の事か?」

単刀直入に、そう聞いた。

「ッ!?」

そう驚愕の表情を浮かべ、奏を和音は見つめたのだった。

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