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KOTOED -コトエド-  作者: 川輝
新学期
1/182

探し物

さて、きっとお見苦しい物になっていると思います。

ぜひ暖かい目でご覧ください。


追記

大幅な修正を加えました。と言ってもストーリー自体に変化はきっとありません。

率直に言って誤字が多いです。見つけ次第修正しているのですが見つけられないことが多々あります。ご了承ください。

少しずつ改善していっているので温かい目でご覧ください。

これが素人のクオリティーです。


一応物語が後半にいくにつれて小説らしくなっていくのですが、正直言って始めの方は自分が見ても見るに耐えない感じですので、初めの方はサラーっと会話だけを見るような感じでもいいです。後半といいますか、何十部も経つと小説の様になってきます。


追記

 正直この作品は誤字を楽しむものなのかも知れません。まあ作品を楽しんでもらえるのが一番ですけど。

僕は気づいた時にはここに居た。誰もいないこの場所に。

周りには草原がただ広がっている。

僕が何故ここにいるのか分からないが、一つだけ分かることがある。それは遠い昔、僕はここではない別の世界にいたこと、それだけはなぜか覚えている。



     *    *    *    *



今日は春休みの最終日、そんな日に俺は住宅街を目的も無く歩いている。

暇つぶしだ。

そんなふうにしているとふと、なぜか焦っているように見える女の子が視界に入った。


ぱっと見は少し幼い顔つきをしていて、身長は俺よりも少し低く、胸は少し出ているぐらいだろうか。いや、服の上からではわからない。まあとにかく簡単に言うなら今まで生きてきた中で、一番可愛い人に入るかもしれない。いや、いきなり変態的な考えはやめよう。

というかいきなり目に入った人の胸を見るとか変質者だろ……くそっ。


俺は考えるのをやめ、その女の子に話しかけた。


「こんな所で何しているんだ?」


すると女の子は俺の存在に気づきこちらを見て話し始める。


「探し物をしているんです」

「探し物?」

「はい」

「なにを探しているんだ?」

「わかりません……でも、なにか大切な物を落としてしまった気がするんです」

「何だそれ」

「すみません…」


女の子は下を向いて落ち込んでしまった。


「誰も責めてないから落ち込むなよ、ほら、どこで無くしたかとかも分からないのか?」

「すみません…どこで無くしたかも…」


女の子はまた下をむいて今にも泣きそうになっていた。

周りを見てみると、何人かの人がこっちを見てひそひそと話していた。


「女の子を泣かせるなんて最低ね」

「可哀想…」

「誰か止めた方がいいんじゃないか?」


俺はこの状況はまずいと考え、反射的に答えてしまった。


「一緒に探してやるから早くこの場から離れよう」

「? まだここら辺は探せていませんよ?」

「良いから来てくれ」

「ええっ!?」


俺は強引に手を引っ張ってこの場を離れた。

少しして、周りに人がいない場所まで来ると、俺は足を止めた。

俺は少し息が上がったくらいだが、この女の子は俺以上にとても息を荒げていた。

見た目だけでもよくわかるがとても運動ができる人とは思えないので当然と言えば当然だ。逆にこの可愛らしい見た目で筋肉バキバキならとても怖い。


「すまん、強引に引っ張ったりなんかして」

「いえっ、周りを見たら気付きました」

「で、何か探し物をしていたんだよな」

「はいっ」


ここまで強引に引っ張ってきてしまって、ここで放っておくと言ったら何だか人としてどうかと思ったので、俺は手伝おうと決意した。


「俺も手伝ってやるよ」

「いいんですか? こんな初対面の人に……」


少し上目遣いでとても遠慮がちに聞かれたので、ここはハッキリと言わなければならない。


「手伝うよ。どうせ今日は一日中暇だしな、それに、自分で言ってたじゃないか、とても大切な物を落としてしまった気がするって。もしかしたら、お金とかの貴重品かもしれないぞ」


少しの沈黙があり、それから決心しをし、顔を上げて話し始めた。


「…そうですね、わかりました。一緒に探しましょうっ」

「ああ」


女の子はとても嬉しそうな笑顔をしてくれた。

お金みたいな貴重品を落としたのかもしれないと言ったが、金単体を落としていたとしたら自分の物かなんて分からないんだけどな…。

そんな余計な事を考えながらも俺たちは歩き始めた。


お互い少し歩き出し、キョロキョロ周りを見てまたすぐに歩みを止めた。


「しかしどこを探せばいいのかさえ分からないしな、困ったな……」


俺が迷っていると、女の子は何かを閃いたように、ぱんっと手を叩いた。その目はとてもキラキラとしていた。


「だったら二手に分かれた方が効率的じゃないですかっ?」

「いや待て、俺は探す場所も、探す物さえ分からないんだぞ。

一人で探してもただ時間を無駄にするだけだ」

「そうでした。すみません考え無しで」


俺のキッパリとした指摘に女性はまた俯いてしまった。


「まあそんなに落ち込むなよ。でも見たら分かるな?」

「たぶん…」

「おいおい…」


俺はもしかしたら、とんでもなく面倒なことに足を踏み入れてしまったのではないかと今更後悔しそうになる。が、ここで引いたら無責任なやつだ。


「でもきっと大丈夫ですっ」


すぐにまた前を向き、手に力を込めてハッキリと言った。

しかしその自信はどこからわくのだろうか。


俺たちは色々な場所を回った。

堤防や建物の間や無くしたら絶望的な森林、沢山の場所を見て回った。

しかし探し初めて数時間が経ったが探し物が見つかる事はなく時間だけが過ぎていった。

時刻はすでに午後五時を回っていた。


「さすがに暗くなってきたな……。これじゃ見つかる物も見つけられないな」

「すみません。こんな事に付き合わせてしまって」


また女の子は俯いてしまった。


「いいよ、暇つぶしにもなったしな。それにもしかしたら誰かが交番にでも届けてくれたんじゃないか?」

「そうかもしれないです」


と、ここで俺はふと思い出した。まだ名前さえ知らないと言うことを。

何故この話題が出てこなかったのだろうか、話すことなんてなかったが名前さえ知らない人と一緒にいるというのは今考えると不思議な感じだな。


「そういえばあんた、名前なんて──」

「いけませんっ! もう五時じゃないですか。すみません、もうお母さんと夕ご飯を作らなければいけないので、先に帰らせていただきます。今日は本当にありがとうございましたっ」


俺の言葉を最後まで言い終わる前に言葉が挟まれ、颯爽と女の子は走り去っていった。

というか勢いがすごい!


「……っておい、あんた名前…」


俺が言い返した時には女の子の姿は視界になかった。


「お母さんと…か…」


俺はその言葉を繰り返していた。


しかし、名前聞きそびれたな、まあもうきっと会うこともないだろ。

そう考え、俺は十時くらいまで外で暇を潰した後、家路へとついた。


家に帰ると食卓の上に俺の夜ご飯がラップをかけておいてあったので食べた後にすぐに寝た。

明日から新学期だと考えると身体が急にだるくなってきた。



     *    *    *    *



僕はこの世界に来た意味が分からない。なぜここにいるのか、なぜ少しだけ記憶があるのかも分からない。

僕は草原を歩いていて分かった。ここには沢山の物が落ちていることに。

もしかしたら、これらを組み合わせれば何かを作ることが出来るかもしれない。



     *    *    *    *



朝起きるとまだ五時半だったので二度寝しようと思った

が、妙に昨日の女の子が気になって眠気もさめてしまった。

リビングではお酒を飲んで酔って寝ていた親父が寝ていた。


「親父、寝るならベッドで寝てくれ」


親父の顔を見ると前見た時よりもずっと老けているように見えた。

身体を揺すってみたが起きる気配はなかった。

仕方なく俺は、この時間にいるか分からない母親を頼る事にした。

洗面所に行くと、普段はいない時間に母親はいた。

何故母親に声をかけようと思ったのかよく分からない。

母親も歳のわりに老けているように見え、腰は少しは曲がっていて目は半開きみたいだ。ぱっと見でも疲れていると分かる。


「なあ、親父を起こしてベッドで寝ろって言ってやってくれよ」

「何で私が言わなきゃいけないのよ、あんな奴、一生起きなきゃ良いのよ」


こちらに目もくれることもなく話が進んだ。

その声には元気は無かった。

当たり前だ。酒ばかり飲むと親父の代わりに毎日働いているのだから…だけど親父だって…。


しかし、俺はこの母親の言葉でカッとなってしまった。


「どうしていつもそうやって、まるで他人みたいに……」

「あいつはもう他人みたいなもんよ、ただこの家に居るだけ、迷惑なだけよ」


この声だけはしっかりと明確な意思がこもっており、本心でそう言っていることがわかった。

もう今ここに居たくなかった。


「ッ」


すぐにでも走り出したかった俺は、すぐにこの家を朝食も食べずに飛び出て走った。

家を出たのは良いものの今の時間は午前六時だったので、まだまだ学校までは時間があった。

仕方がないので街をぶらぶらしていたら見覚えのある女の子がそこにはいた。

その手には大きなゴミ袋を持っていた。


「おい、あんた昨日の探し物の人か?」


先にゴミをすぐ近くにあった収集場所に置いてから話が始まった。


「ひどい覚え方ですね……えっと、何という名前の人でしたっけ?」

「俺は坂野藤也さかのとうやだ。あんたは?」

「私は河原真波かわはらまなみと言います」


真波と名乗る女の子は丁寧にお辞儀をして挨拶をした。

まさか昨日、もう会う事はないだろうと思っていた人に会うとは思わなかった。

世間は狭いものだと改めて思った。


「河原──で、良いよな?」

「はい。私は坂野さんと呼びますね」

「ああ」


お互い呼ぶ名前交換したので改めて昨日の話の話題が出始めた。


「昨日あれだけ坂野さんを付き合わせてしまって、迷惑でしたよね?」

「いや、むしろこっちは暇も潰せてよかったよ」

「そ、そうですか、なら良かったです」


しばらく歩いていると真衣がいきなり話かけて来た。


「坂野さん、その制服、うちの学校と同じですね。もしかして同じ学校ですか?」

「俺は今年で三年になる。河原は?」

「あ……私は今年で二年生です」


表情には出さなかったが、少し残念そうな様子で言葉を発していた。


「そうか……」


俺は何を残念がっているんだ?

大体こいつとは昨日会ったばかりだっていうのに…男って直ぐ勘違いとかするし嫌だなぁ。

俺がうなり声をあげていると、真波がこっちを何か閃いたような顔で右手の人差し指をピンと突き上げながら向いた。


「そうですっ。坂野さん。昨日のお礼にうちでご飯を食べて行ってください」


お礼? 何故? というか、朝なのだからもうご飯を食べてしまった可能性は考えなかったのか?

俺はまだ食べていないけどな。


「けど、探し物は見つからなかったじゃないか」

「いえっ、私は付き合わせてしまった事にお礼をしたいんです」

「いやいいよ、俺は暇だからやった事だし」

「いえっ、それでは私の気がおさまりません」


こいつ、見た目によらず頑固だな。


「……はぁ、分かったよ。行けば良いんだろ?」


こっちが折れることにした。


「はいっ」


真衣のは顔はとても笑顔だった。

根気負けしてしまったが朝ごはんはまだ食べていなかったのでちょうど良いな。


「で、河原の家はどこだ?」

「はい、すぐそこです」


真波の指した手の先にあった家はただの一軒家だった。特徴があるとすれば少し年季が入っていると言うことだろうか。


「本当にいいのか? 俺みたいな余所者が一緒にご飯なんて」

「大丈夫だと思いますよ」


どうやら自信があるようだ。

そんな事を話しているうちに真波の家についた。

こ、こうして女の子の家に入るのはいつぶりだろうか。

くっ、とても緊張する。でも察せられるな!

真波がドアを開けた。


「お父さん、お母さん、帰りました」

「お帰りなさい真波、と、そちらの方は?」


出て来たのは、素敵な笑顔を振りまく若い女の人だった、髪の色は茶色っぽく、河原と同じだ。さすがは家族だと真波のお姉さんだろうか。とても優しそうな人だ。


「は、初めまして、河原さんのお姉さんっすか? 坂野藤也といいます」


しっかりと背筋を伸ばして礼儀正しく挨拶をした。

よし、初めは少し戸惑ってしまったが、ちゃんと挨拶できた。


「あら? 真波にお姉さんなんていましたっけ?」

「いえ」


まて、おかしいぞ? お姉さんじゃない? という事は妹さん、な訳ないしな、どういうことだ?

俺が冷や汗を出しながら考えていると、真波がこちらを向いた。


「坂野さん、こちら、私のお母さんです」

「初めまして、真波の母の河原香奈(かな)と言います」


この言葉を受け入れるには、二秒ほど時間がかかった。


「えっ!? す、すみません。俺勘違いしちゃって」

「いいですよ」

「おいおい、誰だてめぇ」


自己紹介し合っていると、いきなり香奈さんの後ろから威嚇するような声がした。

きっと言いたい事は沢山あると思います。

しかし、もし、コメントをするのなら、どこが、どうして駄目だったかをぜひ詳しく書いていただくと、こちらとしても幸いです。

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