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 終8、猫を被ってもその意志は曲げない! 姫子と白夜の愛のハーモニー

 姫子は大蛇と化した白夜の背中に乗って自分達が目的を果たす美しくも淡い青き柱へと到着した。

 左右では柿崎隊・軒猿衆 対 妖怪・悪魔 の交戦が始まり、騒然となっていた。



「お父さん……。死なないでね……」


 軒猿衆方面を見た姫子は今にも泣き出しそうなつぶらな瞳に青く燃える闘志を秘めて柱へと視線を向けた。


 そして令和ではぶりっ子の姫子に惚れ込んだ青組が必死に力を送りながらも、姫子を応援していた。


「おぉ! ()()()愛孫(あいそん)、姫子のお出ましじゃ! 皆の衆、姫子に届くように盛大に気を送るぞい!」


「権爺さん張り切ってんなぁ! ガワ、俺らも威勢よくやろうぜ!」

「よっしゃ! いくぞっアダモ!」


 アダモとガワは絶妙なコンビネーションで自分達と共に気を送る数万の市民の力を一つに凝縮して送った。


「アダモ、ガワやるねぇ!」


 口で笑顔を作ったナオは一心に()・姫子を守り、助けたいと願ってさらに力を込めて気を送った。


「ほっほう! ナオ殿もやりおるわい! それドンドン送るぞぃ!」



 一度人間の形態に戻った白夜は地上で姫子と見詰め合った。


「姫子、わかるかい。令和の人々が、君のために限界以上の力を送ってくれていることが」

「もちろん! その思いに報いるために、全身全霊! 姫子も自分の力をぶつけるね!」



 この世にぶりっ子大会があったとするなれば姫子は日本代表であり、世界記録保持者となるであろう。

 そんな魅力的な少女と相思相愛となった白夜もまた、思いは一つである。


「一緒に世界を救おう!」


 珍しく大声を張り上げた白夜は大蛇に再度変化すると大河を遡上(そじょう)するかの如くうねり、とぐろを巻いて空に昇った。


 柱の天辺まで登り詰めた白夜は夜空に神々しい水のオーラを発生させ、満月から柱の天辺へと視線を移した。


「いくぞっ」


 その一言と共に渦潮のような水流をまとった白夜は突進するかのような勢いで柱へ迫るともう一度叫んだ。


激流咆哮(げきりゅうほうこう)!!」


 その言葉と共に身体中にまとっていた水のオーラは荒々しくもまさに激流が如き勢いで白夜が開いた大口から放射された。

 ウォーターカッターのような凄まじい圧力で放射された水のオーラは徐々に水の柱を大地へと押し込んでいく。


 人々の気を柱へと注いでいたことも相まって白夜の必殺の一撃は遂に青き柱を地表スレスレまで()じ込んだのだ。


「今だっ! 姫子!」


 一部始終を静観していた姫子もまた、己の気を最大限まで高めるべく気を開放していた。

 鮮やかな水色のオーラをまとい、水縹(みはなだ)の瞳をした姫子は開放した気を右手に集めると、もはや頭の先だけを地上に残すのみとなった青き柱を睨み付け、大声で叫んだ。


「いけっ! 瑞鏡止水波(ずいきょうしすいは)!!」


 姫子の右手から放たれたそれは一直線に柱へと向かう。

 白夜もまた体勢を整えて姫子の瑞鏡止水波を取り巻くように一体となって柱に体当たりした。

 2人が奏でる愛のハーモニーは互いの力を数倍にし柱へと激突した。


 遂に柱は地面に食い込み、天高く登っていた青い光は今にも細く消え去りそうであった。

 またぞろ天高く泳いだ白夜は姫子に向かって言い放った。


「姫子、神器(じんぎ)黒鐵(くろがね)を打てっ!」

「はいっ!」


 白夜の背を離れ、柱へとまっ逆さまに落っこちる体勢となって腰袋から己の神器を取り出すと祈りを込めた。

 すると姫子の黒鐵は水を得た魚のように超巨大化し、どうやって扱っているのか、器用にそれを振り上げると力一杯柱の頭へと打ち込んだ。



 一瞬青き光が大地を走ったかと思いきや、轟音を響かせて柱は遂に大地の底へと食い込んでいった。


 想像を絶する体力の消耗に姫子はぐっしょりと汗をかき、崩れるように地にへばりついた。

 白夜もまた地上の人となり、姫子に駆け寄り抱えるように姫子を支えると笑顔を姫子へと向けた。普段涼しい顔をしている白夜の首もとに水滴のような汗が光っていた。



「成功だよ。姫子、ご覧! 青き柱のあった場所から真っ直ぐに銀の柱へと目掛けて水色の光が走っている」


 それはさながら投光器のように次の目的地を照らし、栞菜と千恵が待機する銀柱(ぎんばしら)への催促とも取れる一条の光りに見えた。


「次は栞菜さんだよ……お頼み申します」


 虚ろな瞳で光の先を見詰める姫子は文字通り己の意志を貫き通した気高き乙女なのであった。




「やったぞ! 姫子が大蛇と力を合わせ柱を大地へと打ち込みおった!」


 歓喜した権爺と令和協力隊はあるいは抱き合い、あるいは肩を叩いて喜びあった。

 令和の青き柱も弱くうっすらと残光を残して、影に隠れていくかの如く消え去った。


「今度は力水(ちからみず)で乾杯だな。妹よ!」


 ナオも一言だけ呟くと歓声の上がる方面へと駆けて行くのであった。

 


「フフン。どうやら姫子ちゃん、無事に成功したみたいね!」


 両手を腰に当てて泰然自若(たいぜんじじゃく)としていた栞菜は、お家芸の不適な笑みを浮かべると癒しの青い光をその身に受け、パートナーであり()でもある千恵に振り向くのであった。



 次回 終9、本気と書いてマジと読むってぇのはこういうことを言うのよ! 栞菜と千恵のトラストフラッシュ

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